Trekking Reports 〜山歩きの記録

2002.7.20(土) 花と展望の大菩薩で久々の山歩きを満喫【大菩薩嶺 大菩薩】

大菩薩峠にて

腰痛で入院、手術、静養と山に行けない日々をすごし、手術してから1ヶ月で
ようやく主治医の先生から軽い山歩きならと許可を受けたので、お手軽山行の候補を検討。
この時期、あまり標高が低いとコルセットが外せない身には特に暑さが堪えるので、
標高があって、できればお花畑や展望が楽しめればいいなぁと都合のいいことを考える。
条件にピッタリの山はすぐに脳裏に浮かんだ。やっぱり大菩薩しかないだろう。
ただ、大菩薩をお手軽に楽しむには、上日川峠まで車で上がらなきゃいけないのだが、
まだ長時間の運転の許可を得ていないので、自分で運転していくのは自重。
ML低山徘徊派に「誰か塩山駅から上日川峠まで送って!」と書き込んだところ、
亜美さんが快諾してくれたので、どうせならオフ会にしようとメンバーを募ると、
関西のもぐもぐさんが出張ついでに参加表明。
関東からは宮本さんとMartyさんが加わり、つむぎさんも朝起きられれば来ることだった。

そして当日、船橋で特急あずさに乗り換えると、自由席はすでに満席。
5日前に指定席が取れなかったので、嫌な予感はしていたのだが、
混むのは新宿からだろうと、高をくくっていたので、これには大ショック。
仕方が無いのでデッキに陣取って2時間の立ちっぱなしに備えた。そしてさらにトラブルは続く。
低徘携帯伝言板をチェックすると、中央道を西進中の亜美さんから「事故渋滞で動かない」との記述。
一方、つむぎさんからの書き込みが全く無いところを見ると、やっぱり起きられなかったようだ。
ご自分の車で大菩薩に向かっているはずのMartyさんに連絡が付かない事にも不安はあるが、
私のほうもラッシュと化したあずさの車内で壁を背にしてなんとか腰をかばいながらの苦行に耐え、
ようやくのことで塩山駅に到着した。

同じあずさに乗っていた、もぐもぐさん、一つ前の各停で到着済みの宮本さんと合流し、
待合室でどうしようかと相談するも、山やデジカメの話に盛り上がっているうちに時間がたち、
50分ほど経ったところで亜美さんに電話すると、すでに渋滞を抜けてもうすぐ着くとの事。
結局、予定の1時間遅れで亜美さんの車に乗り込んで上日川峠へと向かった。

途中、コンビニに立ち寄ってから上日川峠に到着。
さっそくMartyさんの車を探して、奥の駐車場やロッジ長兵衛周辺を探すものの見当たらない。
携帯を持たれておらずこちらから連絡ができない上、Martyさんからも連絡が無いとなると、
如何ともしようが無く、望み薄ながら亜美さんの車にメモを残して出発することにした。

まずは福ちゃん荘に向けて出発!というとき、ロッジ長兵衛付近のキバナノヤマオダマキやシモツケ、
ヤマブキショウマなどの花々に目を引かれ、カメラを取り出したりしてなかなか進まない。
しかし福ちゃん荘へと続く樹林帯の遊歩道に入ると花は全くなし。
林道を歩いたほうが良かったかなぁとか話していたが、すぐ脇を林道が通るところで見たところ、
林道のほうも花はなさそうだった。

ハイカーで賑わう福ちゃん荘

やがて福ちゃん荘に到着。小腹がすいたとの宮本さんの言葉もあり、ここで軽く食事をとることに。
それにしても、ロッジ長兵衛から福ちゃん荘への遊歩道は標高差もあんまりないしなだらかなので、
楽々の散歩コースのはずだが、早くも足に疲労を感じはじめていた。
山に行けなかった退院後の1ヶ月間も水泳などで鍛えていたつもりだっただけに、
これにはちょっとがっかり。やはり水泳と山行では使う筋肉が違うのだろう。
ただ息が上がるということはなかったので、これは水泳のおかげだろうか。

福ちゃん荘を出発して唐松尾根を登る。
しばらくは雑木林が続くものの、あちこちに花が現れ始める。
メインはピンクのシモツケと白いヤマブキショウマ、それに黄色いニガナ。
足元を見ると所々でウツボグサがかわいらしい紫の花をつけている。
そして雑木林が途切れると本格的なお花畑となる。
ここでもシモツケとヤマブキショウマが非常に目立つが、
ところどころで薄紫のオオバギボウシが特徴的なつぼみをつけている。
と、道脇に今日の目的のひとつである、赤紫のヤナギランを見つけて歓声を上げた。
(もうひとつはマツムシソウだったんだけど、さすがに時期が早かったようで見つからず)

背後には黒富士の大パノラマ

私はお花に夢中で忘れていたのだが、うしろを振り返ったもぐもぐさんが歓声を上げた。
この季節には非常に珍しく、くっきりとした富士山が現れたのだ。
こうなると、花に富士山にとさらに大忙し。腰痛のことも忘れて夢中になっているうちに、
唐松尾根を登りきり、大勢のハイカーで賑やかな雷岩に到着した。

さてこれからいつもなら最高峰であり三角点のある大菩薩嶺へピストンするのだが、
大菩薩嶺には過去2回行っており樹林に囲まれ私には魅力の無いところなので、
体調を考えて雷岩で待っていようかなと、ここまでの道中では考えていた。
しかし照りつける強烈な日差しとほとんど風の無い雷岩で待っているよりは、
日陰の林の中に入ったほうがマシかと思い直して、大菩薩嶺まで行くことにした。

ま、道中で今まで見かけなかった花が見つかるかもという淡い期待もあったのだが、
それは見事に裏切られ、暑さは変わらずほんのちょっとあった風が樹木に遮られ、
さらに暑く、その上所々に泥濘があって靴が泥だらけに...
やっぱり待ってりゃよかったなぁと後悔いっぱいでしぶしぶ歩き、やがて山頂に到着した。

山頂に着くと適当な石に腰掛けて休憩。
周囲にはブヨが飛び回っておりあんまりゆっくりできる雰囲気ではない。
特に先日ブヨにかまれてえらい目に遭っている亜美さんは大慌てで虫除けスプレーを取り出した。
スプレーを帽子にかけている亜美さんを見ていると、虫除けらしくない臭いが...
曰く、「ブヨにはエアーサロンパスが効く」とのことで、確かにあれだけいたブヨが一斉に退散した。
すごい効き目に驚いた我々は亜美さんに借りてザックや帽子に吹きかけた。
(注:直接体や薄いシャツにかけるとヒリヒリして大変です。帽子の表やザックにかけましょう。)

雑木に囲まれた大菩薩嶺山頂

うっとうしかったブヨが退散したので、ここで昼食をとることになった。
だが、これが不幸を招くことに....
いきなり亜美さんが声を上げた。「噛まれたかもしれない。」
前回噛まれたとき目が開けられないほど腫れ上がったとのことで、
あわててムヒを塗りこむものの気が気ではなさそう。
そうこうしているうちに団体が到着したため、狭い山頂は大混雑になったので、
記念写真をとって早々に引き払った。

雷岩へ戻ると、やや麓がガスに覆われてきた富士山がお出迎え。
そしてこれからが大菩薩の核心である稜線歩きとなる。
あいかわらず、道端にはシモツケが咲き、南アルプスにはやや雲がかかってきたものの展望は最高。
そして草原の美しい尾根は特に関西からここに初めて来たもぐもぐさんには感激もひとしおのよう。
私が特に気に入っている標高2,000m地点で小休止を取り、富士山をバックにシモツケを撮っていると、
私のカメラに異変が。突然スイッチが入らなくなったのだ。
故障かと思ったが、どうやら電池切れらしい。こんなに早く電池が切れたことが無かったので、
へんだなぁと思いながら、予備の電池を探してザックの底をまさぐっている時に嫌な予感が。
そういえば、今回は久しぶりの山ということで軽量化のためにいろんなものを置いてきたのだ。
で、今までめったに使うことが無かった予備電池も当然のように...
慌てて予備の電池を持っていないかとみんなに尋ねるも、4本の単3乾電池はそろわず、
介山荘では手に入るだろうからそれまでは諦めるかと思っていると、
これが使えるかもと、宮本さんが先ほど使い切って交換した電池を差し出した。
宮本さんのデジカメは電池の消費が激しいので、比較的消費電力が少ない私のデジカメなら
まだ使えるかもしれないというわけだ。
そしてお借りした電池をセットしてスイッチを入れると、軽快な電子音とともに動き出した。
電池残量はちょっと少なめだが、しばらくは使えそう。
実際、このまま下山まで撮影を続けることができた。

シモツケと黒富士

2,000m地点からはちょっとした急坂を下ると、再度なだらかな稜線歩き。
団体のガイドが花を説明する声に耳をそばだてたりしながら歩いていくと、
やがて昔の大菩薩峠である賽の河原に到着。宮本さんが数ヶ月前にきた時は扉が壊れていたけど、
直っているかなと確認に非難小屋へ向かったので、我々もつられて小屋の中へ。
お、直ってる直ってると言いながら小屋に入ると先客のグループが休憩していた。
最初他愛も無い会話を交わしていたが、そのうち一人の女性が靴が壊れて難儀していると語った。
見ると、靴底が両足とも見事に剥がれてしまっている。
そしてそのメンバーのひとりは「確か紐があったはず」と探しているが見つからない様子。
我々も持ってきたものを探して、もぐもぐさんがガムテープ、亜美さんがビニール紐を提供した。
このグループはこの後なんとか靴を応急修理し、介山荘に到着したところで、
カキ氷を食べていた我々と再会した。

賽の河原から軽く登り返すと、親知らずの頭に到着する。
ここで名残惜しげに展望を楽しんでいたとき、西の方角に大きな山が見えたので、
あれは奥秩父のどれかだなと話していると、亜美さんが「あれって五丈岩じゃない」と言った。
確かに良く見るとなだらかなピークに小さな突起が見えた。ということはあれは金峰山だぁ。
こんなに近くに見えるんだなぁと、感激しながら大菩薩よりずっと大きな山に思いをはせ、
今度はもぐもぐさんをあの金峰山に案内しようということになり、
金峰に登るならやっぱり瑞牆山荘に泊まりたいねなんて話まで飛び出した。

賽の河原と避難小屋

親知らずの頭からは急坂を下ると大菩薩峠に到着する。昨年はこの急坂でマツムシソウを見たので
注意しながら歩いたが、時期が早かったのか結局見つからなかった。
中里介山の石碑や同定盤を見ながら進んで介山荘にたどり着いたとたんにカキ氷を注文。
湧き水を凍らせた自家製の氷から作ったというカキ氷に一同舌鼓を打った。

食後、集合写真を撮ろうとしていたときにアクシデント。
なんでもないところで右足首を捻ってしまったのだ。それも続けざま3回ほど。
実は退院して腰痛はほぼ解消されていたのだが、右足の痺れはいっこうに取れておらず、
それに疲労が重なって足首の踏ん張りが効かなくなったようなのだ。
それからは足を置くときにまっすぐに置くようにすることで足を捻ることはなくなったが、
これは完治するまでは注意しなきゃいけないだろう。
(足の痺れは神経の損傷が原因で、治るまではしばらく時間がかかると言われています。)

介山荘を出ると、車も通れる広い道を福ちゃん荘へ向かって歩く。
道の脇にはキバナノヤマオダマキがちらほら咲いている程度なので、
一同、花よりもおしゃべりに夢中で歩いていく。
しかしそうなると、右足に不安のある私はついつい置いていかれがちに...
あ〜ん、私もおしゃべりしたいよ〜!(笑)

富士見山荘の脇を通っているときに、「この小屋は営業しているのかなぁ」なんて話していると、
小屋から関係者と見られる男性がひょっこり現れ、「やってますよ」と苦笑した。
恐縮しながら富士見新道について尋ねると、富士見新道から右へ分岐する旧青梅街道について、
耳寄りな話を聞くことができた。曰く、春にはツツジのトンネルとなるとのこと。
こりゃ来年には開花時期を見定めて行かなきゃと話しながら、富士見山荘を後にした。

すでに食堂を閉めた福ちゃん荘を通過し、来るときとは逆に車道を歩いて上日川峠へ向かう。
舗装された車道は来るときに通った遊歩道と同様花は見られず、
やはりなんだかんだとしゃべりながら歩いた。
そして、上日川峠が近づき、Martyさんはどうしたかなぁと話していると、
先頭を歩いていた亜美さんが「あーっ!Martyさん!!」と声を上げた。

いったい、この日Martyさんはどうしていたのか?興味津々で伺うと、驚くべき冒険談が語られた。
朝早く湯ノ沢峠に友人と一緒に向かい、大蔵高丸まで登ったところで友人と別れて引き返し、
林道を上日川峠へ向かっている最中にアクシデント発生!
台風の影響でできた道路の亀裂にはまり込み脱出ができなくなってしまったのだ。
携帯電話を持っていないMartyさんは助けを求めて林道をさまよい歩き、
たまたま工事現場で作業中だった方々に助けてもらってようやく上日川峠に到着したのが1時前。
それから我々と反対周りで大菩薩峠に向かったものの出会えず、しかたなく賽の河原で引き返して
上日川峠の駐車場で待っていたところ、我々が降りてきてようやく会合を果たしたというわけだ。

「それにしても今日はいろいろなことがある日だ」
「ともかく無事でよかった」
など、興奮気味に語り合いながら、しばらく時間をすごし、
もぐもぐさんは亜美さんの車に渋滞の供として乗り込み、
私と宮本さんはMartyさんの車で大月駅まで送っていただいた。

退院後初の山行ということで不安もあったが、そんなことも吹き飛ばしてしまうほど、
アクシデント続きの一日。でも、富士山の展望にお花畑にと期待を裏切らないコースで、
特に関西から来られたもぐもぐさんに満足してもらったので、とりあえず良かったんじゃないかと。

で、私のほうはといえば、まずまずといったところでしょうか。
歩ききれたのは当然として、腰に痛みもでなかったのだが、脚力の低下は想像以上。
心肺機能のアップには役立った水泳でも脚力アップにはあんまり効果なかったようだ。
あと、右足首を捻るという問題も発生し、完全復活にはやはりしばらく時間がかかりそうだ。
この日出会った花たち
クリックでこの日出会った花たちの写真がご覧になれます。

【コースタイム】
上日川峠 11:20…福ちゃん荘 11:45-12:00…雷岩 13:30…大菩薩嶺 13:40-14:00…
2000m地点 14:35-14:45…賽の河原 15:05-15:15…介山荘 15:35-16:00…上日川峠 17:00
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