Trekking Reports 〜山歩きの記録

2002.5.25(土) 那須の森でクマに遭遇【茶臼岳 那須】

ミネザクラと噴煙を上げる茶臼岳

沼原湿原の駐車場に7時前に到着。
人気の山とはいえさすがにこの時間だと駐車車両は数えるほど。適当に停めて支度を開始した。
それにしてもこの日は風が強い上、非常に寒い。
念のためと持って行っていたウィンドブレイカーを着込んでも心許ないほどだ。
これを持ってきていなかったら駐車場で撤退を余儀なくされていたかも。(^^ゞ
結局、この日は最後までウィンドウブレイカーを脱ぐことはなかった。

南月山から登るか沼原湿原から行くか迷った末、沼原湿原を後回しにすると、
疲労して帰ってきた時に結局パスしちゃう恐れがあったので、まず沼原湿原へと向かうことにした。
沼原湿原は尾瀬のような立派な木道が渡してあるが、広さはこぢんまり。
それにザゼンソウには遅く、他の花にはちょっと早いといった状況で、
寒風吹きすさぶ湿原はいかにも寒々しい。
結局、水に浸かったザゼンソウの残り花のみが収穫だった。

沼原湿原

気を取り直して道標に従って茶臼岳へと向かう。
だらだら登りの道端にはこれでもかってぐらいスミレが咲いているが、
それ以外の花はツクバネソウにエンレイソウにマイヅルソウとよりにもよって地味な物ばかり。
今日は花は駄目かなぁと半ば諦めながらも、貴重な収穫をカメラに収めた。

やがて分岐に到着。道標には直進が三斗小屋温泉。右折が茶臼岳となっており、
地図も出さずに当たり前のように茶臼岳のほうへ進んだ。
当初は日の出平へと向かわずに姥ヶ平から牛ヶ首に向かうつもりだったのだが、
それにはこの分岐を三斗小屋温泉へと直進しなければいけなかったのだ。
実はそれに気付いたのは下山時の南月山。う〜ん、そりゃ遅すぎるだろう。
ただしこの間違いが思いもかけない幸運を呼び込むこととなった。

分岐のちょっと先でお着替え中のご夫婦ハイカーを追い抜いて、
樹林帯の急坂をジグザグに登っている時、笹ヤブの中でガサゴソと音がした。
反射的にその方向を見ると...
15mほど先で小柄な大人の男性ぐらいの背格好の黒っぽい毛むくじゃらの..
うわぁ!クマだぁ!!!
完全に固まってしまって瞬きさえできずに逃げていくクマをただぼ〜っと眺め、
クマの気配が全くなくなってからカメラを出せなかったことを非常に悔やんだ。
とりあえず誰かにしゃべらなきゃ気が済まないほど興奮していたので、
先ほど追い抜いたご夫婦が来るを待って、クマを見たことを自慢。
その後もパーティーとすれ違うたびに「クマ見た!クマ見た!」と大興奮だった。

牛ヶ首

さて、クマの興奮もさめやらぬうちに、今度は満開のアズマシャクナゲが現れた。
また足下を見るとシロバナエンレイソウが...もう感激に次ぐ感激。
全く疲れることなく気分的にはあっという間に稜線に出てしまった。
そして稜線に出るとさらなる感激、ついに噴煙を上げる茶臼岳が姿を現したのだ。
う〜ん、もう参った。もう勘弁して〜となだらかな稜線を歩いていくと
今度はミネザクラがこちらもちょうど見頃を向かえている。
おきまりの構図で茶臼岳をバックにミネザクラをパチリ。うんバッチリ。(^^)v

ただし良いことばかりではなく、朝から強かった風が稜線に上がるととんでもない暴風に。
最初は花が動き回って撮りにくいなぁ程度にしか考えていなかったのだが、
牛ヶ首に着くと、ここが風の通り道にあたることもあって、
前に進むことが出来ないどころか、気を抜くと吹き飛ばされてしまいかねない。
(この私がですよ。(笑))
なんとか風の切れ間を待ってダブルストック(腰の調子が悪かったので念のため持っていったのだが、
風対策には非常に役に立った)で、風に煽られる中なんとかバランスを取って茶臼岳に取りついた。

牛ヶ首からは茶臼岳の西斜面を巻いて峰の茶屋へと向かう。
途中、無限地獄という名のすごい勢いで白煙をはき出す噴火口のすぐ脇を通過、
硫黄の臭いにむせかえりそうになりながら大迫力の「活火山」を呆然と見上げた。

無限地獄から絶え間なく噴煙が上がる

峰の茶屋は茶臼岳と朝日岳の鞍部に位置し、ここも風の通り道。
大勢のハイカーがたむろしていたが、皆さん大岩の陰に逃げ込んで強風をやり過ごしていた。

峰の茶屋と朝日岳

峰の茶屋からは茶臼岳を直登する。
火山特有の赤茶けた岩と砂の斜面は非常に歩きづらいが、
岩にはしつこいほど黄色のペンキでマーキングされているため、迷う心配はない。
ときどき強風が砂を巻き上げ、目を開けていられなくなることには非常に悩まされたが、
左手にロープウェイの山麓駅が見えてくると、やがて茶臼岳の火口の縁に到着した。
ここも富士山のようにお鉢巡りのルートがあるのだが、
この風の強い状態で砂礫の遊歩道をのんびり歩く気にはなれない。
山頂へ向かうとやがて鳥居が現れ、その先が那須岳神社の祠がある山頂である。

茶臼岳山頂

暴風吹きすさぶこんな日でも大勢の人がたむろしているのは、さすが日本百名山といったところか。
ただ、さすがに長居する気はないようで、山頂の顔ぶれはどんどん変わった。
ま、隣の人と話をするのにも大声を上げなけりゃいけないんじゃあ、
のんびりとする気にはならないだろうなぁ。
私の方は携帯伝言板にメッセージを打ち込んでから山頂の写真撮影にウロウロ。
ちょっと食事できる状況ではないので、一端下山の準備をして立ち上がったが、
少し下ったあたりの岩陰では風も多少ましだったので、
適当な岩の陰に潜り込んで手っ取り早くコンビニ弁当の食事をすませた。

下山はまずロープウェイの山頂駅へと向かう。
このルートもガレ場の難路なのだが、スニーカーの観光客が登ってくる。
普段ならそれでも大丈夫なのだろうが、この風の強い状況では大変そう。
この苦行のような状況に泣き出す子供までいた。う〜ん、かわいそ〜。

ロープウェイ駅からは大勢が山頂を目指す

まるで富士山を思い出すような景観と人混みのなか、ロープウェイ駅と牛ヶ首との分岐に到着。
とりあえずロープウェイ駅に行こうかとも思ったが、
別に用事があるわけでもないので、好きこのんで人混みの中に行くことはないと、
極端に人通りが減る牛ヶ首方面へと進路を取った。
このあたりの斜面はなだらかに那須高原まで続いている。
視界を遮る山稜や尾根が全くない地形は独特でこれも火山の影響なのだろうか。
また斜面にはビッシリとスギゴケが生えており、荒涼とした砂礫の斜面に彩りを与えていた。

再度、牛ヶ首に到着。強風は相変わらずなので、さっさと日の出平へ向かう。
相変わらずの桜並木ではところどころでビニールシートをひいてお花見中。
こんな風の中物好きだなぁと思っていると、
ごうごうと鳴る強風に負けないおばちゃんの笑い声が聞こえてきた。う〜む、恐れ入りました。m(__)m

日の出平から今度は南月山に向かう。
ササと低木の尾根道は見晴らしが良く、茶臼岳の展望が素晴らしい。
ついつい振り返っては噴煙を上げる茶臼岳の雄姿をうっとり眺めるので、
なかなかペースが上がらない。ましてやそのたびに写真を撮るものだから...
コースタイム30分のところをなんども休憩を取りながらのんびり歩き、ようやく南月山に到着。
ここでも休憩を取って名残を惜しみつつ茶臼岳の最後の展望を楽しんだ。

南月山から茶臼岳を振り返る

南月山からは白笹山へと向かう。
この稜線はアズマシャクナゲが非常に多いが、残念ながらこの日は蕾が多い。
来週あたりはすごいことになっているかもしれないなぁと思いながら通過。
足下を見るとミヤマカタバミ発見。そしてその傍にはヒメイチゲも。
いったん鞍部に下って登り返すと白笹山。
狭い山頂は4、5人のグループが占領していたので立ち止まらずに通過。
ここからは急坂をジグザグに下っていく。
途中、2つの団体を追い抜きながら下っていると、
先週丹沢でさんざん堪能したシロヤシオが現れた。
と、ここで思い出した。
山登家さんに南月山から黒尾谷岳への稜線のシロヤシオがすごいという情報をもらっていたのだ。
でも300mの登り返しはきつそうだから、まぁいいか。

白笹山からプールのような沼原池を望む

白笹山からの下りで雑木越しにずっと見えていたプールのような沼原池が徐々に近づき、
車道を走る車の音が聞こえてくると、やがて駐車場に到着した。
静かだった朝とは異なり、駐車場は多くの車で溢れかえっていた。


見所満載!花に展望にと大満足の山行となったが、何よりクマとの初めての出会いの印象は強烈で、
ちょっとやそっとじゃ忘れられない一日になりました。
また、アズマシャクナゲはたぶん来週あたり見頃と思われるので、花好きの方は要チェックです。
この日出会った花たち
クリックでこの日出会った花たちの写真がご覧になれます。

【コースタイム】
沼原湿原(駐車場) 7:10…日の出平分岐 8:20…日の出平 9:50…牛ヶ首 10:10…峰の茶屋 10:30…
茶臼岳 11:00-11:40…ロープウェイ分岐 12:00…牛ヶ首 12:25…日の出平 12:45…
南月山 13:15-13:25…白笹山 13:55…沼原湿原(駐車場) 15:00
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