Trekking Reports 〜山歩きの記録

2002.5.12(日) 数々の苦難を乗り越え山頂へ【駒ヶ岳 箱根】

駒ヶ岳の広々とした山頂(クリックで拡大:127k)
(積雪時の山頂はこちら

インターネットで「箱根でヒマラヤの青いケシが開花した」とのニュースを聞いて、
急遽箱根に向かうことにした。で、どの山に登るか迷った末、関東に来て初めて登った山である
「駒ヶ岳」を選択。体調不良(腰痛&風邪)を理由に大涌谷からのお手軽周回コースを選択した。

大涌谷の駐車場に到着すると、駐車場の開門は8時からと判明。
まだ1時間以上あったので仕方なくちょっと引き返し、台ヶ岳バス停近くの駐車場に車を停め、
自然探勝歩道を通って大涌谷まで歩いて登ることにした。
人気のない遊歩道にはムラサキケマンやツボスミレが咲いており幸先いいなぁとのんびり歩く。
ちょっとクモの巣に悩まされるものの、静かな雑木林を機嫌良く歩いていると、
いきなり開けたところに飛び出した。どうやらロープウェイの直下に出たようだ。
とりあえずここからロープウェイの下を歩いていったが、なんとなく違和感。
今までよく見た道標が無くなってしまい、路面はヤブではないが余り踏まれていない様子。
ま、このロープウェイも大涌谷まで行っているんだから、まぁいいかとそのまま登り続けると、
正面に車道が見えてきた。先ほど私も車で通過した道だ。
「いかん!このままじゃ車道歩きになってしまう!」と慌てて周囲を見回すと、
林の中へと入っていく踏み跡発見。方向的にも間違ってはいなかったのでそこに飛び込むと、
すぐに正しい遊歩道に復帰した。
遊歩道は木の柵や木段で整備され鮮やかな新緑も合わさってなかなか気持ちがよい。
ま、登山という雰囲気ではないが、観光ついでのハイキングにはもってこいのルートだ。
荒涼とした岩々がゴロつき所々で湯気が吹き出す火山特有の風景などの脇を通ったりしながら、
やがて大涌谷に到着した。この段階で8時ちょっと前。開店準備を始める売店を見ながら、
これだと待っていても一緒だったかなと思いながら、登山口の方へと向かった。
そこで大事件発生!登山口には立ち入り禁止と大きく書かれたゲートが閉じられていたのだ。
当初は深く考えず、「あぁ別の登山口があるのかな」と売店の裏などをうろうろしたが、
結局それらしき所は見つからず、仕方なく駐車場整理のおじさんに話を聞くと、
通行止めで大涌谷からの登山はできないとのこと。理由を聞いても知らないとのことで、
「とにかくここからは登山禁止」とえらく強い口調で言われてしまった。

自然探勝歩道は新緑のトンネル

仕方がないのでロープウェイの駅がある姥子まで戻り、そこから神山を巻いて駒ヶ岳へと向かう
ルートを歩くことにして、先ほど登ってきた自然探勝路を引き返した。
自然探勝路は相変わらず新緑が綺麗だが、どんどんと高度を下げてしまうので、
これを登り返さなきゃいけないのかと思うと、気持ちが落ち込んでくる。
そしてしばらく歩くと、車道に飛び出した。正面には姥子のロープウェイ駅が見える。
ここから駒ヶ岳へと向かうルートの取りつきを探さなきゃいけない。
とりあえずエアリアマップに従って、車道に沿ってそれらしき方向へと歩いていく。
道標などはまったく見当たらず、ちょっと不安になってきたころ、林の中に入る踏み跡発見。
林の中には車道と並行してちょっと荒れぎみの遊歩道が通っていた。
さてこの遊歩道をどっちへ進むか。やや西へ向かって下っているようだが、
東へ行くと姥子へ戻ることになる。地図的にももう少し西に登山口がありそうだったので、
引き返すことを覚悟した上で、西の方へと遊歩道を下っていった。
ちらちらと駒ヶ岳のある南を気にしながら歩いていくと、その南へと向かう道との分岐が現れた。
ここにも道標はなくただ分岐があるだけだったのでかなり不安だったが、
ま、方向は合ってるからなんとかなるだろうと、南側つまり山側へと続く山道へと入っていった。

登山道に入ると、いきなり木製の看板が現れた。
お、道標かと喜んで近づくと、そこには「駒ヶ岳」という文字はひと言も書かれておらず、
ただ、平塚営林署が立てたことと、ボランティアによって整備されたことが記されていた。
なんだ、道標じゃないのかとガッカリしたが、この道以外には考えられないので、
とりあえず要所要所で地図を確認することにして、このままこの道を登っていくことにした。

姥子からの道はちょっと荒れ気味

やや薄暗い山道ではあるが、ツルカノコソウやクルマバソウなどの白くて小さい花が多い。
またツクバネソウもそこここで花をつけており、見つけるたびにカメラのレンズを向けた。
木段が崩れた箇所では前日の雨でぬかるんでとても滑りやすくなっており、
ちょっと難儀した箇所はあるものの、概ね歩きやすい道である。
ただ道のど真ん中にバイケイソウが顔を出している所を見ると、人通りはまれなのかもしれない。
(踏まれたバイケイソウも何株か見たので、まったく人が通らないわけではないのだろう。)

ちょっとした急登をつづら折れに登っていくと、全体に明るくなり花の種類も変化する。
樹林が途切れて見晴らしの良いところはやはり日当たりが良いためかスミレが多く、
それ以上にハコベが道端を埋めつくしている。(ちょっと大げさ)
やっぱり箱根にはハコベが多いなぁなんてアホなことを考えながら先へと進むと、
清水平と書かれた看板が現れた。これには駒ヶ岳の記述もあり、
ここでようやくこの道が駒ヶ岳へと続いていることに確信が持てた。
清水平はその名の通り沢が流れており、奥の岩場にはかなり古そうな石の祠がある。
これを見ると、このルートはかつては参道として利用されていたものなのだろうか。

清水平を過ぎると、ササの斜面のトラバース道となる。
たぶん見晴らしのいいところなのだろうが、この日はガスで真っ白け。
ただこのガスのお陰(?)でこの後の林では奇妙に曲がりくねったアセビがいかにも妖しく、
まるで魔法使いの館へと続いているかのような独特の雰囲気を醸し出していた。
やがて分岐に到着。防ヶ沢から登ってくるルートとの合流点である。
この分岐でも今通ってきたルートへの案内の記述はなく、エアリアマップでは赤実線であるものの、
一般ルートからは少し外れたルートと言えるかもしれない。
花も多く展望もあるいいルートなので廃道にならないでもらいたいものだ。

魔法使いの館へと続く小径(嘘)

分岐からはミツバツツジの残り花やモミジイチゴなどが増えるもののそう多くはない。
ただ今までとは異なり、ここはよく歩かれているためか、道は泥濘状態。
足下を気にしながら歩いていると、張り出した太い木の枝に頭をゴン!
痛って〜!とその場で頭を抱えると、樹雨のシャワーがドバーッ...(-_-メ)
なんで誰もおらへんのにお約束ギャグをかまさなあかんねん!と毒づいて気を紛らわした。

右手に駒ヶ岳がガス越しに見え始めると、十字路に到着。
ここを北へ行くと箱根最高峰の神山を経由して大涌谷へ至り、東へ進むとお中道を経て、
早雲山ロープウェイ駅へと下る。そして南が駒ヶ岳へと向かうルートである。
ここで初めて大涌谷の通行止めの案内書きを発見。
理由は火山ガスで大涌谷から大涌谷分岐までの間が通行止めとなっているようだ。
反対からならこっそり大涌谷へ下れないかと考えていただけにちょっとガッカリ。
ま、とりあえず、まずは駒ヶ岳へと向かうことにした。

分岐から駒ヶ岳方面に少し進んだところは、ちょっとした広場になっており駒ヶ岳がよく見える。
ここで駒ヶ岳の写真を撮っていると、駒ヶ岳から団体さんが続々と現れた。
先頭の人と話すと、この人たちも大涌谷から登ろうとして通行止めに跳ね返され、
仕方なくロープウェイ利用で駒ヶ岳に登り、そこから神山を目指しているとのことだった。
知らなかったのは私だけかと思っていただけに、この話はちょっと嬉しかったりして。
それにしても今まで誰一人として会わなかったのに、ここにきて様相は一変。
次から次へとすれ違うハイカーに半ば唖然。道を譲るのが嫌になりながらも我慢していると、
ふとハイカーの列が途切れた。なるほど彼らは同じロープウェイの便に乗ってきたというわけだ。

やっと人気の無くなった道を歩いていると、花の写真を撮りながらのんびり歩いている
老夫婦とすれ違った。挨拶だけ交わして通り過ぎると道脇にキクザキイチゲ発見!
嬉しくて先ほどの老夫婦にこの大発見(超大げさ)を知らせると、この先にもあったが、
どれも花びらを閉じてしまっているとのこと。そりゃ残念とお互い苦笑いして別れた。

濡れた岩場は滑りやすく、掘れてしまった山道はぬかるんでドロドロ状態。
スタート時にスパッツの装着をサボったせいで、ドロドロのズボンの裾はすでに真っ黒。
靴に付いた泥が付かないように細心の注意で歩いてきたのだが、
道端の草や低木に付いた汚れがかなりズボンを汚したようだ。
まぁこんな日だから仕方がないと気を取り直して山頂へ向けて最後の登りにかかった。

こんな天気でも山頂はなかなかの賑わい

駒ヶ岳山頂はなだらかでだだっ広いササの平原。まず山頂を目指すことにしてササの小径を進む。
相変わらず団体とのすれ違い待ちに時間を食いながらも、大勢のハイカーが昼食中の岩場を通過し、
山頂にある神社に到着した。以前来た時は大雪原だったなぁと1年ちょっと前を懐かしみながら、
展望を楽しんでいると、どこからともなくガスが現れ展望を真っ白に変えてしまった。
どうやらガスに悩まされるのは前回も今回も一緒らしい。
結局、ガスは発生しては晴れるの繰り返し。ただし晴れても芦ノ湖を含め遠望は望めなかった。

ここでお腹が空いたので1個だけおにぎりを食べる。
お手軽コースで午前中には下山する予定だったので、たいした食料を持っていなかったのだ。
山頂にはケーブルカーとロープウェイの駅があり、どこかで食事ができないかと、
グルッと回ってみたが、レストランなどは無し。仕方がないので非常食のチョコレートで誤魔化して、
下山してから、麓で食事をすることにした。

そうとなるとどうせ展望もないことだからさっさと下山しよう。
まずは来た道を十字路分岐まで引き返す。
たぶん神山をピストンした帰りと思われる団体さんに引っかかりながらも、
今回はいちいち待たずに脇をすり抜けながら先へと進む。
それにしても団体と単独がすれ違う時は団体の方が待つのがルールだと思うのだが違うかなぁ。
(団体が待つのなら待つ時間は一瞬だが、単独が待つと延々と待ち続けなきゃいけない)

十字路分岐に到着すると、今度はお中道を通って早雲山を目指す。
大涌谷には戻れないし同じ道のピストンなんてまっぴらごめんなので、早雲山ロープウェイ駅まで
いったん下山し、そこから台ヶ岳バス停までバスで移動しようというわけだ。
問題はバスが都合良くあるかだが、待ち時間が多い時は早雲山で食事しながら待ってればいいや
という趣向である。

お中道はモミジイチゴやスミレは咲いているものの基本的に花は少ない。
それでもしばらくは雑木林の明るいコースでそれなりに楽しいが、神山のトラバースに入った途端、
暗い植林帯となってしまい、なんともあじけのないコースとなってしまう。
また倒木や崩壊のせいで、ところどころ道が寸断しており、下草のない植林のせいもあって、
うっかりすると道を外しそうになる。ま、道を外してもトラバースしてればそれほど問題ではないが。

お中道の大部分は薄暗い林のトラバース道

代わり映えのしない景色をうんざりしながら歩いていると、ようやく分岐に到着。
ここを左(西)へ進むと大涌谷方面。右(東)へ進むと早雲山ロープウェイ駅へと下る。
エアリアマップではこの分岐が早雲山と書いているように読めるが、ここは山頂ではない。
じゃあ早雲山はどこだろうと周囲を気にしながら歩いたが、
小ピークは幾つかあるものの山名表示は見つからず、祠があったところが早雲山なのだろうかと、
釈然としないまま尾根道は徐々に標高を下げていった。

と、前から単独の中年女性が現れ、「分岐までまだありますか?」と話しかけてきた。
「もう少しだと思うんですよ」と答えてすれ違うと、その後ろから先ほどの女性の連れと思われる
中年男性がかなり疲労した様子で現れたのだが、その格好を見て唖然。
ネクタイはしていないものの背広と革靴。しかも革靴はドロドロになってしまっている。
呆然と2人を見送ったが、結構遅い時間でもありどこまで行くのかちょっと心配になった。
もしかして大涌谷へ降りられないことを知らないんだろうか。
でも駒ヶ岳まで行ってロープウェイで下りればなんとかなるか。とか...
気にはなったものの、時間がないと判断すれば引き返すだろうと思い、余計な心配はやめた。

このコースは基本的によく整備されているものの、崩れて急斜面になっているところがあり、
この日の水を含んだ状態では滑りやすくてなかなかの難所となっている。
そこでは家族連れと思われるグループが苦労しており女の子の悲鳴がこだましていた。
やがて車の音が聞こえてくるので、やっと到着かと思いながらジグザグ道を下るが、
車の排気音はおろかドアの開け閉めの音まで聞こえるのに全然早雲山駅にたどり着かない。
ま、それだけ急斜面だということなのだが、もうすぐもうすぐと思っているだけに精神的に疲れた。

そしてやっとのことで、ロープウェイ早雲山駅に到着。
駅の前ではバスが待っており、運転手と思われる男性にどこ行きか聞くと、大涌谷まで行くという。
なら途中の台ヶ岳にも行きますよねと聞くと、このバスは直通だから途中では止まらないとのこと。
どうやらロープウェイが工事中で代替バスがピストン運行しているということだった。
ここで台ヶ岳に止まる早雲山駅前正規のバス停の位置を教えて貰って移動。
定刻より10分近く遅れたバスに乗って台ヶ岳バス停までしばしのバス旅行を楽しんだ。

早く着きすぎ駐車場は開いておらず、わざわざ歩いていくと通行止めで引き返すはめになったりと、
なかなか散々な山行になってしまって、お手軽ハイクの予定がかなりしっかり歩いてしまったが、
それなりの花や前回の積雪時の駒ヶ岳との違いなどを楽しめたので、まずまずといったところか。
それにしても前回といい箱根駒ヶ岳とは相性が悪いなぁとしみじみと感じた。
この日出会った花たち
クリックでこの日出会った花たちの写真がご覧になれます。

【コースタイム】
台ヶ岳BS近くの駐車場 7:10…大涌谷 7:45-7:55…姥子 8:20…十字路分岐 10:05…
駒ヶ岳 10:30-11:05…大涌谷分岐 12:15…早雲山ロープウェイ駅 13:05
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