Trekking Reports 〜山歩きの記録

2002.5.5(日) GWの集大成に相応しい花の尾根【伊吹北尾根 伊吹山】

ドライブウェイから伊吹北尾根を望む

集合時間の7時よりかなり早く関ヶ原駅に到着したので、コンビニを探して買い物した後、
再度駅前に戻ってくると、水谷さんのデリカが待っていた。
とりあえずこのまま7時まで待って、ドタ参がいないことを確認した後、
水谷さんの先導で今回のコースの下山ポイントとなる国見峠へと向かった。

ショートカットの山越えルートは蛇行を重ねなかなか国見峠までたどり着かない。
結構飛ばしたはずなのに、結局1時間近く経ってようやく到着。
峠にはさすがに先客はいなかったが、比較的広くて10台程度は駐車可能だろう。
ここで水谷さんの車をデポし、私の車で伊吹山へと向かう。
山道が相当時間かかったので、今度は遠回りルートで山を越えたがこちらも結局1時間のドライブ。
途中でコンビニに寄ったとはいえ、結局伊吹山ドライブウェイ上の北尾根登山口に到着したのは、
関ヶ原駅を出発してから2時間半後のことだった。
コースタイムで4時間程度の距離に車を回すために2時間半とは、かなり唖然。
幸い北尾根登山口に車を停めることができたものの、ここが満車かもしれないとのことで、
7時という早朝集合としたのに、それでも全然遅かったということか。

すでに多くの人が歩き始めている中を我々も気を取り直して出発。
と、いきなり道端はお花畑でキジムシロやイチリンソウ、ショウジョウバカマ、カタクリ、
ヒトリシズカなどの多くの花々に歓迎されてしまい、
カメラを取り出しての撮影モードに全く前に進めない。
まだこれからいっぱいあるからと、まだ写し足りない気持ちを抑えつつ先へと進んだ。

快適な尾根道が続く

最初のピークを越えると、坂道はドロドロ状態でかなり滑りやすい難路となった。
たぶんいつもこうというわけではなく、前日の雨の影響だろうと思われる。
ただ道端にあいかわらず花が多く、特に白くて小さな花が非常に目立つ。
なんていう花だろうと話しながら歩いていると、これまた名前は判らないがとても綺麗な花を発見。
先に進んでいた水谷さんを呼び戻して名前を聞くが判らなかった。(後でサンカヨウと判明)

第1峰から200m近く標高を下げる。ネコノメソウが咲き乱れるつづら折りの急坂を下るのだが、
樹林帯の日陰のために泥濘が酷い。ひっくり返ると酷い目にあうので必要以上に慎重に下る。
そして下りきったところで水谷さんが歓声を上げた。何事かと近寄るとヤマシャクヤクだ!
ただ花弁が一枚落ちていてかなりくたびれたものだったが、とりあえず写真に収め、
この先の美人との出会いを大いに期待することにした。

この後も鮮やかな緑の葉に緑の花をつけた不思議な花(ルイヨウボタン)や、
道のど真ん中の岩陰に肩を寄せ合うように咲いているヒメレンゲなどを愛でながら歩いていく。
と、またもや先のほうで騒ぎが起こった。
近寄ると今度は木の根っこに小さなリンドウが咲いていた。
お、フデリンドウか!と思ったが、かなり小さいのでコケリンドウだろうと水谷さんの解説。
またこのあたりから2人組の女性と前後するようになり、ちょくちょく花をネタに歓談した。

やがて御座峰に到着。狭い山頂は人であふれていたので、ちょっと先でランチタイムとした。
コンロの設置場所に苦労しながら湯を沸かし、ラーメンをすすっていると、
先ほどの女性2人組が、「もう少し先まで行きます」とひと声かけて先へと進んでいった。
ドライブウェイからスタートした人は大半がこの御座峰で折り返すと思っていただけに、
どこまで行くんだろうと意外な気持ちで見送った。
(実際、我々が休憩している間御座峰より先へ進んだハイカーはこのお二人のみ)

道端はず〜っとお花畑

食後、再度お花畑の中を次のピークである大禿山に向けて出発した。
このあたりからはスミレが非常に多く、道の脇は紫に染まっているかのようだ。
そしてここで咲くショウジョウバカマは赤くて背が高く、
紫で背の低いショウジョウバカマを見慣れている私には別の種類にしか見えない。
また御座峰から大禿山までの稜線は非常に見晴らしが良くとても気持ちがいい。
振り返って伊吹山を見ると完全に雲の中。しかしスタート地点のドライブウェイはよく見えており、
結構歩いたなぁなんて話していると、足下にカタクリの群生が現れた。
残念ながら見頃は過ぎて枯れかかったものばかりだったが、
相当の数が咲いており、1、2週間前はさぞかし壮観だっただろう。

再度樹林帯に入り、相変わらずぬかるんだ大禿山への登り坂を歩いている時、
ふと道脇に目をやると、あーっ!!見つけた!!ヤマシャクヤクだ!!
ということで本日2度目のヤマシャクヤクと出会った。
美人とまではいかず、ちょっとくたびれ気味だったが前回より形は整っておりこれも写真に収めた。

大禿山山頂はゴツゴツした岩場で多少雑木はあるものの見晴らしは良い。
特にこの日最後のピークである国見岳はすごく近く、山頂のアンテナ施設がハッキリと見える。
しばし休憩し、残り少なくなった道程を名残惜しむように、さらにゆっくりと歩きはじめた。

国見岳へはこれまでと同じように見晴らしのいい尾根道が続くが国見岳に近づくと樹林帯へと入る。
樹林帯とは言ってもオオイタヤメイゲツなどのカエデ科の木々が多く、鮮やかな新緑は目に痛いほど。
と、前方で水谷さんが何か見つけた様子で林の中に入っていった。
雑木を掻き分けながら熱心に写真を撮っている水谷さんに近寄ると、
3度目のヤマシャクヤク。それも今度はなかなかの美人だ。
またよく見ると花の中には金色の羽根をしたカミキリムシが一生懸命蜜を吸っていた。

最後の最後にきての大収穫に気をよくして最後の登りを歩きはじめ、
ラショウモンカズラの斜面を過ぎるとついにこの日最後のピークである国見岳に到着した。
雑木に囲まれた山頂だが東に露岩がありそこからは伊吹山まで続く北尾根を見渡すことができた。
またこの露岩のところでは食事中にもう少し先に行くからと分かれた女性2人組と再会した。
この人たちにヤマシャクヤク見た?と尋ねると、しっかりチェックされており、
逆にキクザキイチゲがあったよと言われて、気づかなかった我々を残念がらせた。
そうしてしばらく山頂でのんびりしていると国見峠側からものすごい数の団体がやってきた。
団体は国見岳では立ち止まらずに通過していったが、ガイド役の人が花の名前を説明しており、
そのおかげでずっと気になっていた、白くて小さな花がイブキハタザオであると判明した。

国見岳からわずかに山頂が現れた伊吹山を振り返る

さぁ後は国見峠へ下るだけ。と、ちょっと出発しかけたところで、水谷さんが山頂へ引き返した。
国見岳で再会したお二人がドライブウェイへ引き返すと話されていたのを聞いていたので、
どうせなら車に乗っていかないかと誘いに戻ったのだ。
そして「お言葉に甘えます」との返事を得たが、片付けに時間がかかるとのことだったので、
こちらは先行することになった。

KDDIのでっかいアンテナの脇に咲くミヤマカタバミを写真に撮りつつ先へ進むと、
とたんにロープのついた急坂となった。水谷さんが持参された地図には階段となっていただけに、
不思議に思いながら下っていると、2人組の女性が追いついてきてその疑問に答えてくれた。
それによると昔は利用できていたのだが、
今はアンテナ施設の鍵のかかった柵の中からしか階段に入れないようになってしまったらしい。
ま、登山なんだからこういうルートもいいよねなんて強がりを言いながら急坂を下っていると、
水谷さんの奥さん大転倒。ロープに頼りすぎてバランスを崩したように見えたので、
ロープに頼り過ぎないようにとアドバイスをして、急坂下りを再開した。

急坂が終わると道端はイワカガミの葉で覆い尽くされるようになる。
花が少しでも残っていないかと、一同道脇をキョロキョロとよそ見しながら歩いていると、
あ!見つけた!と声が上がった。しかしよく見ると花弁が落ちており咲いているとは言えない状態。
でもそのおかげで、この葉っぱがイワカガミかイワウチワかの論争に決着を着けることができた。
やがて国見峠に到着。朝は誰もいない静かな峠だったのに、今では10台近い車が停まり、
大勢の人がたむろしていた。(なんとテレビの撮影隊まで)

本当はこの日は大台ケ原に行く予定だったのだが、予報では三重県全域に濃霧注意報が出ており、
こりゃただでさえ雨の多い大台ケ原は間違いなく雨だなぁと思って急遽予定変更。
水谷さんが呼びかけていたこの伊吹北尾根に便乗することにしたのだが、
噂に違わぬ..いや噂以上にすごいお花の楽園で本当に感動の連続だった。
人も多いし、縦走するとなると不便な交通手段のせいでなかなか困難だが、
この季節にはぜひ歩いてもらいたい、超おすすめのコースです。
この日出会った花たち
クリックでこの日出会った花たちの写真がご覧になれます。

【コースタイム】
北尾根登山口 9:25…御座峰 11:25-11:55…大禿山 12:20-12:30…国見岳 13:10-13:30…国見峠 14:15
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