Trekking Reports 〜山歩きの記録

2001.07.28(土) 東京都最高峰へリベンジ【雲取山 奥多摩】

雲取山山頂から石尾根を望む(128K)
夏はまだまだ長いのに、最近の連続の遠出で早くも資金に不安が出てきた。
とはいえ近場の低山じゃああまりにも暑すぎる。ならばもっとも近い2000m峰に行こうということで、
東京都最高峰 雲取山に向かうことにした。
思えば3月に後山林道工事中のため延々の林道歩きを強いられ、
バテバテになりながらもようやく三条ダルミまでついたらその先の雪が深く、
結局時間切れで撤退を強いられたいわく付きの山。この日はそのリベンジなのだ!
(その時のレポートはこちらでどうぞ)

前回は三条の湯から登ったが、どうせなら今回は別コースがいいなと検討した結果、
タッスィーさんから比較的涼しいと教えていただいた、日原から富田新道を選択。
ただ、このルートは林道歩きが長いので、かなりハードな山行を覚悟して車を走らせた。
そして日原林道の入り口、八丁橋の手前に車を停めて歩き始めた。
すると橋を渡った先にある、閉まっていると思っていたゲートが大きく開け放たれていた。
さぁここは思案のしどころだ。引き返して車で入るか、このまま歩くか。
もし車で入って閉められると一大事だし、といって往復2時間の林道歩きがキャンセルできるのは
あまりにも魅力的...えぇいままよ!
ということで、急いで車まで引き返して日原林道に車を乗り入れた。

本当に1時間で歩けるのかと思えるほど長い非舗装の林道を進み、
富田新道への登山道を示す道標が左手に見えたとき、その先の方にすでに2台の車が停まっていた。
ま、これだけ入ってればゲートに鍵をかけられることもないだろうと一安心。
だが、駐車地の山側を見るといつ落石があってもおかしくないような急斜面。
現に道には非常に多くの石が落ちており、
じっと見ていると落石どころか土砂崩れでもおこりそうな嫌な気がしてくる。
とりあえず、できるだけ谷側に寄せて車を停め、かなり気になりながらも雲取山に向けて出発した。

駐車地からはいったん道標のあるところまで林道を引き返して、
そこから植林と雑木林の暗い斜面を谷に向かって下りていく。
うっそお、こんなに下りちゃうのかと思い始めたところで吊り橋に到着。
濡れているので滑らないように注意しながら渡ると、当然のように谷の対岸をつづら折りに登る。
途中、倒木が道を塞いでいた。まだ枝には青々とした葉がいっぱい付いているところを見ると、
最近倒れたもののようだ。枝を手で押しのけ幹に足をかけてなんとか乗り越え先へと進む。

朝日にブナ林の緑が輝く
このあたりはブナが非常に多く、朝日が葉を照らして緑に輝きとても綺麗だ。
やがて唐松谷林道と富田新道の分岐に到着。唐松谷林道は谷沿いを進み、富田新道は尾根に上がる。
ブナ林の谷を登っていく唐松谷林道も魅力的だが、そちらへ行くとかなり遠回りになってしまう。
今回は雲取山頂に立つのが目的なので予定通り尾根を直登する富田新道へと進んだ。

富田新道は密生したブナ林の急登から始まる。日が差せばさぞかし美しい森なのだろうが、
このあたりから雲の中に突入してしまい、ジメジメとした薄暗い森で印象はあまり良くない。
エアリアマップの参考タイムでは3時間半の難コースなので、あまり先のことは考えないようにして、
ただ歩くだけのマシンと化したかのように一歩一歩ゆっくりと登っていく。

そして1時間半ほど歩いたところで道は徐々になだらかになると、周囲の木々の密度が減少し、
それにともない薄暗かった周囲が明るくなり、そのためか芝と笹の下草が増えてきた。
そのうち周囲のガスも薄くなってきて、さらに明るくなってくると芝や緑が輝き始め、
木々の葉には霧によって付いた細かな水滴がキラキラと輝き、真夏の霧氷と化していた。

サワラの平
このあたりで分岐から2時間ほど。まだ3時間半の半ば過ぎだなと思いながら歩いていると、
すぐに分岐に到着。道標を見ると小雲取山へ向かう道とそれを巻いて奥多摩小屋へ向かうルート
との分岐らしい。ということは小雲取山までは目と鼻の先じゃないか。
あれ?もう終わりなの?3時間半の参考タイムって何?
と言った状態で、結局2時間ちょっとで小雲取山に着いてしまった。

小雲取山は山頂よりちょっと下を巻くように登山道が通っていて、
ざっと見渡したが山頂へ向かう明瞭な道は見あたらなかった。
といっても背の低い下草に覆われているだけなので、突っ切って山頂に向かうのは容易いだろうが、
ふと時計を見ると、登山口から山頂まで3時間を切れるんじゃないかという色気が出てきた。
こうなると、小雲取山に立ち寄ってる場合じゃない。休憩もそこそこに雲取山への稜線を歩き始めた。
小雲取山からは雲取山はガスに隠れて見えていなかったのだが、
近づくにつれ徐々にシルエットがガスの向こうに見え始め、
西側斜面に群生する鮮やかな黄色のマルバタケブキを眺めながら歩くと、
やがて山頂の避難小屋とそこへ向かう道が緑の斜面に傷のように錯綜する急斜面が見えてきた。

そして、雲取山山頂に到着。岩がゴツゴツした山頂は赤い屋根の綺麗な避難小屋と、
もう見慣れた山梨百名山の山名表示の木柱。周囲のガスは徐々に薄れてきており、
大展望はともかく運が良ければ雲海が見られるんじゃないかと期待が高まってきた。
そこで、岩の上に腰掛けてお弁当を食べながら晴れるのを待つことにした。
先客はたぶん小屋に泊まったと思われる小屋の入口のベンチでお昼寝中の男性一人のみ。
でも、さすがは日本百名山。しばらく山頂にいるあいだにどんどんハイカーが上がってきた。
登ってくるルートはほとんど鴨沢からだが、帰りはピストンで鴨沢に戻る人や
奥秩父縦走路へと向かう人。それに、雲取山荘へ向かう人など様々。
ただ、誰もが立ち止まらずにどんどん先に行くので、私一人がぬしのように天気待ちしていた。
(昼寝の男性は相変わらずお休みされてました。(^^ゞ)

雲取山山頂
その後、天気の方は山頂はすぐに雲の上に出て、頭上には青空が見えてきたものの、
雲の上面の高度が山頂とほとんど同じためか、雲の境目がぼやけてしまって、
雲海となってはいるものの、もうひとつ美しくない。
もう少し雲が下がれば綺麗な雲海が見れるんじゃないかと、かなり粘ってみるも、
そのあと状況が変わることは無かった。
ま、雲の上に覗く天祖山や飛竜山が見られたので、とりあえず良しとして下山にかかることにした。
で、雲取山荘に向けて歩き始めると、あれ?ここが山頂なのか?
ということで、今度は埼玉県が立てた山名表示と同定板。それに一等三角点がある山頂に到着した。
さきほどの避難小屋前の山頂とどっちが高いと言うわけでもなさそうなので、
どっちが本当の山頂かなんてあんまり無意味そうだが、やっぱり三角点ピークが山頂か?
となると、登り3時間は無効?え?ま、深く考えないことにしよう。(笑)

せっかくだからこの三角点ピークでも展望を楽しむことにしてザックを下ろした。
それにしても避難小屋ピークから三角点ピークまではほとんど離れてはいないのだが、
展望はまったく異なっている。
三角点ピークの周囲は木々がやや高いので避難小屋ピークのほうが視界は開けているが、
ガスが薄かったことも幸いして、奥秩父の縦走路と和名倉山へと向かう稜線が一望できた。

さて、下りは雲取山荘経由で大ダワ林道を通って駐車地に向かう。
地図では山頂から山荘までは近くに見えるが、実際はかなりの急坂で道が荒れていることもあり、
けっこうしんどい。おいおいどこまで下りるんだと思いながらもなお下りていくと、
やがて前の方から人の声が聞こえ始めると、赤い屋根でログハウス風の真新しい雲取山荘に着いた。
建物があまりに綺麗なので山小屋という趣は薄いが、入口に張られた手製の新聞「雲取山荘信聞」
(誤字ではありません)には暖かみがあって、いい山小屋なんだろうなと想像できる。

とってもきれいな雲取山荘
雲取山荘から大ダワまではルートが二つ。尾根上のルートとその巻き道である。
尾根ルートには男坂と書かれていたので、男は黙ってこっちだろうと、尾根ルートを選択。
なだらかなアップダウンの後に道は尾根を外れ、西側斜面を回り込むようにして大ダワに到着した。
大ダワには山頂にあったものと同じ形で大ダワと書かれた看板とベンチ、多くの道標と賑やかだ。
その道標のひとつ、「日原本谷にそって日原」に従って稜線から外れ、谷沿いの道へと入る。
しばらくはブナの多い雑木林と苔むした沢を楽しみながら歩いていたものの、
道はなだらかなままで標高はなかなか減らず、
道も右手に沢音を聞きながら尾根を巻いては沢を渡るパターンの延々の繰り返し。
あまりにも代わり映えしないので、同じところをグルグル回っているんじゃないかと錯覚するほどだ。
ガスって薄暗い谷沿いの道をうんざりしながら歩き、ふと足元を見ると靴ひもが解けかかっている。
そこでかがんで靴ひもを結びなおしていると、背後からいきなり「あの〜」という声。
どわあ〜でた〜!!とビックリして振り返ると単独行の男性が背後に立っていた。
薄暗い山道で気配を立てずに背後から声をかけるのはやめましょう。(笑)
この人は日原から登ってきたようで、彼もそうとううんざりしている様子で
あとどれくらいあるかと尋ねたので、まだまだありまっせと返答。<意地悪
私もこの先どのくらいあるのか聞きたいところだったが、彼の疲れ切った顔を見ると近くはないことが
十分想像できたので、あえて聞くのを止め、お互い頑張りましょうとエールを送って別れた。

大ダワ林道でのひとコマ
そして永遠に終わらないかと思える、なだらかで代わり映えのしないパターンについに変化が現れた。
尾根を乗り越えて向こう側の斜面へと下っていったのだ。
ワンパターンが続いていただけに喜び勇んで先へ進むと、はしゃぎすぎたのか
つい道を外し思わぬ藪こぎを強いられたが、ようやくのことで河原に降り立った。
そして、木橋で向こう岸へ渡り最後の急登を登り切ると日原林道の終点に合流した。
ここにも数台の車が入っており、ハイカーやモトクロスのライダーが思い思いにくつろいでいた。
これだけ車が入ってきていると言うことは、日原林道のゲートはずっと開放されているのかなぁ
とか思いながら林道を歩くこと30分弱。車は崖崩れや落石もなく無事元の場所に停まっていた。

そして、車を運転して日原林道を走っているときにちょっとしたアクシデント。
カーブひとつ先の崖がザーッという音とともに崩れ始めたのだ。
あわててブレーキを踏み、しばらく小石や砂が流れ落ちる斜面を眺めながら、
さらにひどくなって通行できなくなるとまずいなぁと考えていたら、
土砂崩れの勢いは弱まり、砂のみがサラサラと落ちる程度に落ち着いたので、
思い切ってアクセルを踏み、土砂崩れの場所を一気に通過した。
その後ここがどうなったかは不明だが、やはりこの林道は危険だ。
車で乗り入れるときは落石に注意し車を停めるところも慎重に選ぶべきだろう。
私的には歩いている最中もゲートの件や土砂崩れが気になっていたので、
もう2度と自分の車では乗り入れたくないと思った。

ということで半年越しのリベンジを成し遂げたわけですが、
エアリアマップの参考タイムでは9時間超のコースということで、
かなりハードな山行を覚悟していたのですが、林道歩きがキャンセルできたということもあって、
思ったよりらくちんな山行になってしまい、ちょっと拍子抜けでした。
でも、コース自体は変化があってなかなか楽しめました。
雑木林が多いだけに秋の紅葉のシーズンはもっと素晴らしい景観が期待できるでしょう。


【コースタイム】
富田新道登山口 7:15…唐松谷分岐 7:40…小雲取山 9:50…雲取山山頂 10:15-11:45…
雲取山荘 12:05…大ダワ 12:20…大ダワ林道登山口 14:20…富田新道登山口 14:45
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