Trekking Reports 〜山歩きの記録

2001.07.22(日) 関東最高峰と静かな沼に感激【白根山 日光】

前白根から奥白根と五色沼の展望(108K)
3連休の初日に沢登り、翌日全休として最終日にどこへ行こうかと思い、
地図をめくると日光白根山なら登山口の標高も高いし、山頂も2500mを越えているので、
涼しい山行ができるのじゃないかと目星をつけていたら、低山徘徊派メンバーの泥助さんが
日光白根か上州武尊を考えているとの投稿があったので、
これはラッキーとあわてて返信し日光白根にご一緒することにした。

お宅がご近所という利点をフルに生かして、集合時間を4時に設定。
どんよりと曇る空の下を心配しながら日光に入り、いろは坂を過ぎるととたんに天気は好転。
真っ正面にどっしりとそびえる日光男体山に感激しながら、奥日光へと車を走らせ、
この日の登山口となる丸沼高原に7時過ぎに到着した。

丸沼高原からは歩いてスキー場を登ることもできるらしいが、(所要時間2時間強..)
この日はお手軽いいとこ取りコースということで、ゴンドラを利用して標高2000mまで一気に上がる。
ゴンドラからは尾瀬の燧や至仏、上州武尊などのシルエットが浮かび、
山頂からのパノラマへの期待感が否が応でも高まってくる。

山頂駅に到着すると、涼しいと言うより肌寒いほど。朝早いとはいえさすがに標高2000mだ。
そして、奥白根山を見ると....なんかヘン。
山頂には同じようなまあるい3つのピークが等間隔で並び、
小さな子供が富士山を書いたらこんな感じになるんじゃないかといった形で、
なんとも珍妙なシルエットだ。

ゴンドラ山頂駅から奥白根を望む
さて、山頂駅周辺の公園からゲートを開けて登山道へと入る。
とはいっても、このあたりは道幅も広くよく整備された丸沼高原の遊歩道で、
どんどんと距離が稼げるが、標高はほとんど変わらない。
そして、大日如来の石仏あたりから白根山登山道に入り、途端に斜度が急になった。
そして、まもなく地図にはない分岐が現れた。
一方は急斜面を直登し、もう一方は尾根を巻いているようだ。
泥助さんと相談した結果、地図にある方の直登ルートをとることにした。

しばらくは暗い雑木林を急登する。巻き道をたどる人が多いのか、
路面は柔らかくてあまりしっかりと踏まれていないようだ。
やがて尾根上に出ると景色は一変。火山岩や火山礫の荒涼としたガレ場となり、
今までの植生豊かな森とのあまりの好対照に唖然とした。
そして、この赤茶けた岩と砂の急斜面は山頂まで続く。
ただ周囲にほとんど木々がないおかげで展望は抜群。
背後を振り返ると、スタート地点のゴンドラ山頂駅はもちろんのこと、
尾瀬や上州の山々が広がっている。

ザレ場の急斜面からゴンドラ山頂駅を振り返る
と、そのときどこからともなくガスが現れ、瞬く間にこの大展望を覆い隠してしまった。
おいおい。今日もガスかぁ?とガッカリしながらさらに足場の悪いザレの斜面を登ると、
ガスは濃くなったり薄くなったりといった状態。
なんとか山頂の大パノラマが復活してくれ〜と、祈るような気持ちで歩き続け、
ようやく頂上の一角に到着した。最高峰はもう少し先でいわゆる肩に着いたわけだが、
目の前には円形状の大きなくぼみがあり、火口の跡かなぁなんて泥助さんと話しながら、
妙に広々とした広場とゴツゴツした大きな岩峰の荒涼とした山頂の景観を眺めた。
山頂へはまず白根権現のピークに登り、いったん下って登り返す。
この山頂付近の景観は真ん中の火口(先ほどの円形の窪みとは異なる)をぐるりと回廊が取り囲み、
この回廊上に白根権現のピークと山頂が位置している。
回廊上にはほかにもいくつかのピークがあり、富士山のミニチュア版といったところか。
とりあえず、山頂で記念写真を撮った後、せまい山頂を後続に譲って山頂近くの大岩に移動した。
ちょうど足が伸ばせて、背中をもたれかけることができるソファーのような絶妙の大岩で、
のんびりとくつろぎながら、山頂の景観とときおり晴れ間から覗く展望を眺めてすごした。

真夏のこの日としてはかなり贅沢な事だが、しばらくじっとしているとかなり肌寒くなってきたので、
そろそろこの絶好の展望台を後にすることにした。
まっすぐ白根権現のピークに向かってもいいのだが、せっかくだからとお鉢巡りをすることにして、
岩の上を歩き始めた。するといきなり可憐なハクサンフウロに歓迎され、いきなり撮影モード突入。
そして、ちょっとした難所の岩場を乗り越えると白根権現の前に到着。
山頂が狭いからか、このあたりもけっこう人でにぎわっていた。
最後に山頂を振り返り、円形の窪地の広場へと下っていった。

円形窪地の広場から岩場の山頂を望む(118K)
さて山頂にも立ったことだし後は下るだけと思いきや、
なんのなんの今日のコースはそんなに甘くはない。
ここからゴンドラ駅とは反対側へ下り、五色沼を囲む稜線を周回するのである。
このコースを取るために登りが楽なゴンドラを利用したのだ。
(決して手抜きをしたわけではない!(笑))

ということで、まずは避難小屋のある鞍部へと下る。
ここも岩の多い急斜面だが、登りで通った所のように足を取られるような砂は少なく、
けっこうどんどんと下ることができる。
また、斜面には鮮やかな黄色い花をつけたマルバタケブキが群生しており、
なかなか見応えがある。(近くから見るとちょっと大味で、あまり好みではないが..)
またこの斜面は人出も多く、他のハイカーをどんどん追い抜きながら進んでいくと、
徐々に周囲に木々が増え始め、やがて鞍部の平原に到着した。
鞍部と書いたが、周囲は五色沼側を除いてぐるりと尾根に囲まれ、
広い谷の底と言ったほうが正しいのだろうか。
この谷に沿って五色沼の方向へ少し歩くと、赤いトタン屋根の一見物置のような避難小屋に到着する。
中を覗くと布団や針金のハンガーなど生活感あふれる様子に利用者が多いことがうかがえる。
小屋の前で休憩していると、先ほど急斜面で追い抜いたハイカーがどんどん目の前を通り過ぎていく。
ただ、そのすべてが五色沼へと向かい、前白根へ向かうハイカーは一組もなかった。

可憐なハクサンフウロと、色鮮やかなマルバタケブキ
ここから前白根へは避難小屋の裏から登山道が続いている。
木の根や岩の多くてやや荒れ気味のルートは、人の多い山域の割にあまり利用されていないことを
表しているのだろうか。確かにこの日も単独の中年女性とすれ違ったのみだった。
(この女性とは弥陀ヶ池付近でもう一度すれちがった。もし湯本温泉からなら相当な健脚だ。)
尾根上に出るとそこは鞍部ではなく前白根と白根隠山との中間の小ピーク。
どうせなら鞍部に出れば少しは楽ができるのになんて言いながらも、
ついでにということで、巻いている正規のルートから外れてその無名のピークに登ると、
雄々しい崖を身にまとった大迫力の奥白根と静かな五色沼の深い青色。
それに五色沼を取り囲む山々の緑が絶妙のコントラストを演出し、まさに絶景。
歓声を上げて、しばらく立ちつくしてしまった。

そして、いったん下って鞍部で五色沼へと続くルートが合流した後、
ガレ場の急登を登り切ると、前白根山にたどり着く。
ゴツゴツした岩と砂の山頂は奥白根の絶好の展望台。また、振り返ると男体山の雄志も眺められるが、
この日はガスに阻まれてちらっとシルエットが覗いたにとどまった。
時間もちょうど良かったので、ここでランチタイムにしてコンビニ弁当をパクついた。
食後、山名表示付近に山のように集められた石(ケルンと言うには雑然としすぎ)の裏に回ると、
小さな祠が忘れさられたかのようにひっそりと設置されていた。

さて次の目的地は五色山。五色沼を取り囲む稜線はなだらかなように見えるが、
意外にも多くの小さなピークが連続し、急斜面の上り下りがスタミナを消耗する。
どんどんと角度が変わる奥白根を横目にガレ場と草原が交互する稜線を歩き、
何度目かの登りをへたところで、ようやく五色山のなだらかな山頂に到着した。
と、そこでアクシデント。まるで近くで砂利道で軽トラが急ブレーキをかけたような音が聞こえたので、
何ごとかと泥助さんに聞くと、奥白根で崖崩れがあったとのこと。
奥白根をよく見ると、たしかに山肌でわずかに土煙が認められた。
登山道からは離れているところなので危険はなかっただろうが、それにしても雄々しい山である。

五色山からはあいかわらず細かいアップダウンが続く。
途中、五色沼から登ってくるルートとの分岐では五色沼から登ってきた中年夫婦と出会い情報交換。
どこへ行くかよくわからない尾根から谷へと下りる階段があったので尋ねるが、
尾根上を歩いてきたのでそのルートは知らないとのこと。
特に道標などもないので、作業用の道だろうと無理矢理納得して、弥陀ヶ池へと向かう。
さらに歩いていると、地図にはない分岐が現れた。
一方はまっすぐ弥陀ヶ池方面へと続いていて、もう一方は左手に進んで五色沼方面へと向かう。
正しい道は直進方向だろうが、泥助さんが左に何があるのかと歩いていくのでついていくと、
道はすぐに行き止まり。そこは崖の上の絶好の展望台で、右手には奥白根が大きく、
正面には前白根、そして五色沼を取り囲む稜線と素晴らしい大パノラマ。
私一人だったらたぶん通過していただろうだけに、泥助さんに大感謝だ。
とくに疲労を感じたわけではないが、すぐに立ち去りがたく感じたので、
腰を下ろしてゆっくりと自然が造形した驚異の大庭園の展望を楽しむことにした。

さて、展望台からしばらく進むと奥白根の方から大勢の子供の声が聞こえてきた。
目を凝らして奥白根のガレた急斜面を見ると、大勢の子供たちが登山道に列を作っている。
中学生かなぁなんていいながら歩いていると、まもなく弥陀ヶ池に到着。
本来なら山深い静かな池のはずが、大勢の子供たちの話し声や指導する先生?の声で非常に賑やか。
子供たちの列は池の畔を通る木道から奥白根の斜面にまで延々と続いており、ものすごい人数だ。
先生とおぼしき男性に話しかけると、菅沼峠からのピストンを歩いているとのこと。
かなりの標高差の上、かなりの急斜面なので子供たちも大変だろうと思うが、
どっちかというと、先生のほうがしんどそうに見える。
最近は学校行事で登山を行う学校が危険を理由に減っていると聞くが、
こんなガレ場で落石の危険がある山で集団登山をやる学校が今時あるんだなぁと感心した。

弥陀ヶ池を過ぎ、奥白根へ登るルートとの分岐がある座禅山との鞍部を越えると道は途端に荒れる。
路面が崩れて木の根が露出していたり苔むした岩がゴロゴロしている雑木の生い茂った暗い森で、
今まで明るい稜線を歩いてきただけにこのギャップにはちょっと驚かされた。
泥助さん曰く、最近できたルートだが大昔の廃道にロープ等を設置しただけなのだろうとのこと。
それにしてもこのルートは丸沼高原の遊歩道に含まれているだけに、意外なほどの荒れようだった。

そして歩きにくい道にいいかげんうんざりしてきたところで、ようやく丸沼高原の遊歩道と合流。
ここで道標を見ると七色平と呼ばれる湿原まで200mとある。
方向はゴンドラ駅とは反対だが、せっかくだから行ってみようかということになり、
七色平ピストンを決行することにした。(というのも大げさだが)

分岐からは5分かからずに七色平に到着。
湿原と言うにはえらく乾燥していたが、黄色い花が一面に咲いていてそれなりに綺麗。
ただ、ついこの間尾瀬に行ってきた身としては、落胆するのはしょうがないところだろう。
しばらくベンチで休憩した後、来た道を分岐まで戻った。

七色平
分岐からの道はとてもよく整備された道だが、雑木が生い茂って薄暗いのは相変わらず。
と、泥助さんが何かを見つけたので尋ねると、ギンリョウソウがあったとのこと。
その後もなんどか見つけては教えてもらったが、私にはいっこうに見つけることができない。
やはり花博士への道のりは遠く険しいようだ...

そして、ゴンドラ駅へ向かう道と六地蔵へ向かう道との分岐に到着。
まだ時間があるのでとりあえず六地蔵を見ておこうと分岐を直進した。
分岐からはそれほど歩くことなく六地蔵に到着。
かなり歴史を感じさせる六体のお地蔵さんはひとつひとつが別々の小さくて真新しい小屋に
安置されており、いかにも大事にされているんだなぁといった印象を受けた。

さぁ、あとはゴンドラに乗って帰るだけと思い、もう終わったような気持ちになっていると、
ここからゴンドラ駅の間には尾根が横たわっており、これを乗り越えなる必要があることが判明。
ということで、思いもかけず予定外の登りを強いられる羽目になった。
そういえば以前泥助さんとご一緒した奥久慈の男体山のときも、終わったと思ったところから、
えらい急登を登らされたなぁなんて思い出話をしたりしながら、最後の急登を登り切り、
見覚えのある道幅の広い遊歩道と合流すると、まもなく今朝通ったゲートが見えてきた。

そして、ゴンドラ山頂駅前の広場に到着。ソフトクリームを食べながら食堂でくつろいだのち、
最後に奥白根の雄志を拝もうと、しばらく山頂にかかるガスが晴れるのを待ったが、
もう少しのところで結局時間切れ。仕方なくゴンドラに乗って駐車場まで帰った。

丸沼高原ゴンドラ
はじめての日光は天気はもうひとつだったが、見所の多い充実したコースを楽しむことができ、
大満足の一日となった。それに日光男体山の雄姿が目に焼き付いてしまったようで、
どうやら近いうちに再度日光へと向かうことになりそうだ。


【コースタイム】
ゴンドラ山頂駅 7:30…大日如来 8:00…奥白根山 9:15-10:05…避難小屋 10:40-10:50…
前白根山 11:25-11:45…五色山 12:25…弥陀ヶ池 13:15…七色平 13:50-14:05…
六地蔵 14:35…ゴンドラ山頂駅 14:50



なお、この時ご一緒した泥助さんはご自身のホームページで
この時のレポートをアップされています。ぜひ併せてご覧下さい。

泥助さんのホームページ「Let's Go Hiking!!」

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