Trekking Reports 〜山歩きの記録

2001.07.08(日) 待てど暮らせどガス晴れず【乾徳山 奥秩父】

露岩の展望台から乾徳山山頂の岩峰を望む
天気予報によると、どうやら晴れそう。
ならばと展望が良いとされる山の中でもとっておきの乾徳山を選択、中央道を西へと車を走らせた。
バス停のある乾徳山登山口の手前で車が一台通るのがやっとの狭い車道に入り、
そこからかなり荒れて車高の低い車ではあまり通りたくないような林道へと入る。
そして、ある程度高度を稼いだところで、大平牧場に到着。
大平荘の有料駐車場(500円也)に車を停めた。先客は1台のみ。
もしかしたら多いかもと思って早起きしてきただけに、なんだか拍子抜けしてしまった。

早速支度をして、今は運営されていないのだろうか人も動物も全く見かけない
閑散とした牧場内の舗装路を歩き、道標にしたがって登山道に入る。
やや藪っぽいところもあるが、わだちがあるところを見ると、以前は車も入っていたようだ。

道はつづら折りに斜面を登り、やがて稜線上で乾徳山登山口からのルートと合流する。
このあたりにも車道がついており、つづら折りに登る車道が直登の登山道と何度も交差する。
そして、最後の交差点が稜線を扇平へ向かうルートと稜線を巻いて国師ヶ原へ向かうルートの分岐点。
扇平経由で登り、下山に国師ヶ原へと周回する予定なので、まずは堂満尾根を扇平へ向かって進む。

道は徐々に斜度を増してくるが、それより気になるのは周囲の状況。
晴れ予報のはずなのにすっかりガスに囲まれ展望がまるでなし。
朝が早いので霧が出ているのかとも思ったが、希望的観測が当たった試しは無い。
嫌な予感につきまとわれながら登って行くと、とたんに周囲の雑木が途切れて一面の草原に到着する。
どうやらここが扇平らしい。アヤメやシモツケが咲き、
南斜面に向けてはなだらかな草原が広がり、なかなか開放感のある気持ちの良いところだ。
国師ヶ原からのルートとの合流点まで登って、近くにあった大岩の上でリュックをおろした。
ちょっと高みになっているので、草原のパノラマを楽しみながらしばしの休憩を取った。

アヤメやシモツケが咲く扇平のお花畑
歩き始めてしばらくすると、登山道の様子は一変。岩場が多くなり何度となくクサリ場が現れた。
鎖場があることはエアリアマップにも記述されていることなので、
ついにきたかと思いながら慎重にクリアしていく。
それにしても単純に岩を登るだけではなく、巻いたり隙間を下ったりと変化に富んでおり、
ちょっと赤ペンキの目印を見逃すと、とたんに進退きわまってしまう。

そして、何度となくクサリ場をクリアして進んで行くと、露岩の展望台に到着した。
しばらくはガスの中だったので、周囲のミヤマキンバイを見たりして休憩しているうちに、
乾徳山の山頂と思われるピークが姿を表した。山頂へは岸壁が立ちふさがっており、
ここからクサリは見えないが、あれが有名な山頂直下の長いクサリ場なのだろう。
山頂が見えてくると、こんなところでノンビリと落ち着いていられなくなり、
さっそくザックを背負いなおして、目の前に立ちはだかる山頂へ向けて歩き始めた。

山頂直下のクサリ場はガイドブックの記述では25mとあるが、それほどあるようには見えない。
それでもほぼ垂直に見える岸壁は大迫力。
最初の4、5mほどは足をかけるところもないので、ちょっと難しそうだ。
とりあえず基本の三点支持を守ってクサリに体重を預け、なんとか足がかりのあるところまで登る。
ここまでくると、あとはクサリを補助に使って、岩にしがみつきながら登っていくと、
割とあっけなく山頂に到着した。

乾徳山名物 山頂直下のクサリ場
先客は中年夫婦1組と単独男性がお一人。
岩がゴツゴツしていて、ゆっくりと腰掛けられる場所がなかなか見つからない。
しばらくうろうろした後、単独男性の隣で自然のリクライニングシートといった感じの岩を見つけ、
そこに寄りかかるように座って、人心地ついた。
山頂が濃いガスに覆われているわけではないが、周囲の展望は白一色。
ときおり岩場の下にある緑が現れたり、うっすらと晴れ間が見えたりするのだが、
それ以上はなかなか晴れそうで晴れない。
コンビニ弁当を食べたり、隣の男性と話したりして時間を過ごすも、状況は変わらない。
そのうち、先着の3人が下山してしまい。山頂は私ひとりになってしまった。
真っ白の中で過ごすのは結構ヒマで、腰掛けている岩もリクライニングシートとはいえ所詮は岩。
お尻は痛いし冷たくなってきたしで、もういいかげんあきらめようかと何度も思ったが、
その時よぎるのは燧ヶ岳の悪夢。もうちょっともうちょっとと思っているうちに時間が過ぎ、
結局2時間粘って忍耐力が枯渇した。
来たときは静かな山頂も下山時には大勢の人でにぎわい、
特に子供を背負子で背負ってあがってきたお父さんには一同拍手喝采。
場所を譲るという意味でももう粘るのは無理と観念し、下山することにした。

下山は岩稜を北へとすすむ。
アルミの階段やクサリのある歩きにくい岩場を赤ペンキの印を頼りに歩いていくと、
黒金山へ向かう稜線と迂回新道との分岐に到着。
ここで、稜線から離れて迂回新道を国師ヶ原へと降りる。
この迂回新道は急坂の上、道もあまりしっかりとしておらず、かなり険しい。
エアリアマップでは下山道と書かれているが、なるほどこれを登るのはかなり骨が折れそうだ。
そして急坂を下りきると、道は山腹を巻くように進み、やがて周囲の雑木に白樺が混じるようになり、
徐々に斜面が平らになってくると、高原ヒュッテのある国師ヶ原に到着した。

高原ヒュッテは白い壁に赤い屋根の小屋だが、かなり荒廃しているようだ。
また、周囲はテントサイトになっているらしいが、なんとなく寂れていて、
忘れ去られた地といった表現がピッタリきそうだ。
ここからは駐車地の大平牧場に戻るだけなのだが、
山頂で「錦晶水っていうおいしい水があるよ」と聞いていたので、
ちょっと寄ってみることにして、徳和方面へ向かうルートを下っていった。
行き過ぎるとシャレにならないので、周囲をキョロキョロと見渡しながら慎重に進んでいくと、
夫婦2人連れのハイカーが登ってきたので尋ねると、
「銀晶水は見たけど、錦晶水は知らない。でも、あれじゃないかなぁ」
と言って目の前の沢を指し示した。
礼を言って沢に近づくと、うっすら錦晶水と書かれた板が設置されたこぢんまりした水場があった。
湧き水と思っていてまさか沢の水とは思わなかったので、ちょっと唖然としたが、
まぁ物は試しと空いたペットボトルに水を汲んで、口に含んでみた。
う〜ん。まぁおいしいかな〜。(^^;
とりあえず、水を汲んだペットボトルをリュックに引っかけて、国師ヶ原へと引き返した。

錦晶水
国師ヶ原に戻るとガスが晴れた扇平の草原がまるで天国のように見えていた。
錦晶水の前で出会ったご夫婦とここで再会し、もう引き返そうとしていたお二人に、
扇平は見晴らしもいいしアヤメとかが咲いてて綺麗でしたよ、とお勧めし、
ではと扇平へ向かうお二人を見送ってから、堂満尾根の縦走路との分岐を目指して、
なだらかな道を登り始めた。

そして分岐からは来た道を下るのみ。
途中で一緒になった若いカップルと前後しながら牧場の広々とした草原へと下りていった。

とっておきの展望期待の山がガスなんて、もったいないことをしたなぁという気分でいっぱい。
やっぱりちゃんと徳和から登らずに、大平牧場からのお手軽いいとこ取りコースだったので、
バチが当たっちゃったんでしょうかね〜。(;_;)
こりゃ、晩秋にリベンジだな。


【コースタイム】
大平荘駐車場 7:10…扇平 8:20-8:30…乾徳山 9:20-11:20…国師ヶ原 12:20…
錦晶水水場 12:30…国師ヶ原 12:40…大平荘駐車場 13:25
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