Trekking Reports 〜山歩きの記録

2001.06.24(日) 梅雨の尾瀬 〜花と小雨の尾瀬沼を歩く【尾瀬沼 尾瀬】

尾瀬沼とガスを纏った燧ヶ岳(145K)
月曜日に代休が取れたので、急遽思い立ち尾瀬に向かうことにした。
尾瀬御池ロッジに日曜日に宿泊し、月曜日に燧ヶ岳に登ることにしたのだが、
どうせなら、日曜日も尾瀬を楽しもうと考え、早朝出発。
小雨ぱらつく御池ロッジの駐車場に到着したのは、ちょうど10時だった。
まず、御池ロッジのフロントに駐車の許可を貰い、御池バス停でバスの時間を確認すると、
10時30分頃、沼山峠行きのバスが出るという。
最初は初日の今日三条の滝に向かい、2日目に尾瀬沼〜燧ヶ岳〜御池と辿るつもりだったが、
この時点で急遽予定変更。
今日、尾瀬沼を周回し、明日、御池〜燧ヶ岳〜見晴〜三条の滝〜御池のコースを歩くことにした。
で、あわてて駐車場まで戻って山行の準備を整え、折りたたみではない大きい方の傘を持って、
バスに乗り込んだ。バスの中ではすでに少人数のグループが賑やかに歓談していた。

この日、尾瀬に行こうと思い立ったのは、このところの雨の傾向が南の方に偏っており、
北へ行くと雨から逃れられるんじゃないかとの思惑もあったのだが、その後、予報は2転3転。
なんと東北南部以外は梅雨の中休みというとんでもない予報に落ち着いてしまった。
そんなわけで、土砂降りじゃなきゃ御の字という覚悟はしていたので、
この時の小雨は残念というより幸運だったと言えるかもしれない。ま、気は持ちようかな。

沼山峠休憩所に着くと、かなり大勢の人で賑わっていた。
特に屋根のあるところは、おしくらまんじゅう状態。
雨にも関わらずこの賑わいは、さすがは尾瀬といったところか。
とても休憩できる雰囲気ではないので、(ま、バスで来ただけなので休憩の必要はないが)
さっそく、尾瀬沼目指して森の中へと入った。
ここからは峠越えの遊歩道。つまり沼山峠を越えるわけだが、さっそく尾瀬名物の木道が現れた。
それも、ここは人通りが多いためか、余裕ですれ違えるほどの広さ。
長い板の回廊を見ていると、古い小学校校舎の廊下を彷彿させた。

大勢のハイカー(というか観光客?)を追い越したり、すれ違ったりしながら、
木道をズンズン歩いていくと、やがてピークに到着。
沼山峠と書かれた立派な案内板と多くのベンチ。しかし雨のせいか休んでいる人は見かけない。
遠くを見ると雨に煙る尾瀬沼がうっすらと見ることができた。

ここからも変わらず雑木林の中の木道をなだらかに下っていくと、
急に林が途切れ、いきなり広々とした湿原に飛び出した。地図によると大江湿原とのこと。
草原のような湿原には残念ながらミズバショウを見かけることができなかったが、
それでもイワカガミやリュウキンカ、ワタスゲなどの花々を見ることができた。

ミズバショウとリュウキンカ
足元の花々や広々とした湿地の緑を楽しみながら木道を歩いていくと、
遠くで尾瀬沼が見えてきた。あいかわらず小雨に煙っているが、
目的地の登場に自然と早足になった。
途中で交通量調査のゲートを通過すると、沼の北岸を沼尻平へ向かう木道との分岐に到着。
ここには「尾瀬」と書かれた大きなプレートと休憩用のベンチが備えられていた。

やがて、多くの小屋が見えてきた。
ビジターセンターや尾瀬沼ヒュッテ、それにキャンプ場がある尾瀬の繁華街である。
時間も12時近かったので、弁当を広げる場所を探して屋根付きの休憩所を探すが、
どこも満員。しょうがないので、長蔵小屋の食堂で山菜そばを注文し、一緒に弁当を食べた。
小さめの弁当にしてはいたのだが、それでもちょっと食べ過ぎかな。(笑)
食後、長蔵小屋の裏手に廻ると、尾瀬沼と燧ヶ岳の絶好のビューポイントとなっていた。
近くにいた人の話では、つい先日まで一面のミズバショウが楽しめたらしい。

長蔵小屋からはやはり木道を沼沿いに進むが、ところどころでは沼から離れ森に入っていくので、
変化に富んでいて飽きない。それに、森の中は気温が低いためか多くのミズバショウが残っていた。
この尾瀬沼ヒュッテから三平下までは沼沿いでは最も人通りが多いルートなので、
閑散としたこの日にしては多くの人とすれ違ったが、天気のせいか皆一様に憮然とした表情だった。

そして、三平下に到着。ここにも山小屋や売店などが多く、
休憩&雨宿り中の人で賑わっていた。(といってもしれているが)
しばらくトイレを探してうろついたり、危うく三平峠に行きかけ、慌てて引き返したりした後、
気を取り直して、沼尻へ向けて出発した。

三平下から沼尻へと向かう尾瀬沼南岸道は今までの非常に良く整備された木道とは一変、
木道はあるものの、人とすれ違うのが難しい単線で、一部では崩壊したり、
岩や木の根に邪魔されたりして、木道がないところもあった。
小沼に到着するまでは、特に湿原があるわけでもなく、
うっそうと茂る木々の間を進むありふれた道なので、あまり人気のないのがわかるような気がする。
しかし、小沼ではチングルマやイワカガミが多く咲いており、ミズバショウもかなり残っていた。

そして、今まで沼の向こう側に見えていた燧ヶ岳が沼の左手に見えるようになったころ、
沼尻休憩所の建物が見えてきた。
ここではすでに団体さんが休憩中。おいしいコーヒーを出してくれるらしいが、
この天気ではのども渇かず、あまり水分を取る気にならない。
端っこの空いた席に陣取って雨の尾瀬沼をぼんやりと眺めていた。

雨に煙る尾瀬沼
沼尻から大江湿原までは燧ヶ岳の麓を通る。
沼尻付近はかなり広い湿原が広がり、そのうちアップダウンもある山道の様相となる。
ただ、よほどの急斜面でもない限りどんな場所でも木道が通っているのはさすが。
何度かのちょっとしたアップダウンを繰り返しながら、雑木林の中を歩いていくと、
目の前に大湿原が広がってきた。どうやら大江湿原に到着したらしい。

大江湿原からは来た道を辿って、沼山峠を越えてバス停まで。
バス停のある沼山峠休憩所は来たとき同様多くの観光客やハイカーで賑わっていた。

ずっと小雨が降る中、傘をさしての散歩となったが、風が無かったのと木道のおかげで、
意外と快適に歩くことができた。ただ、雨に濡れた木道はやや滑りやすいので、
歩き方を間違えるとズルッといきそうになる。(足先から地面に付けるように歩きましょう)
また、ちゃんと調べていかなかった自分が悪いのだが、
ミズバショウの時期を見誤っていたのは残念。
でも静かな尾瀬っていうのも、なんとなく贅沢でいいかな。


【コースタイム】
沼山峠バス停 10:50…長蔵小屋 11:40-12:05…三平下 12:25-12:30…
沼尻 13:20…大江湿原分岐 14:10…沼山峠バス停 14:50
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