Trekking Reports 〜山歩きの記録

2001.05.05(土) 新緑にお花畑に雪山に【能郷白山 奥美濃】

前山から残雪輝く能郷白山を望む(79K)
ゴールデンウィークの連日山行も今回がラスト。翌日は関東への移動日なので、
この日は東の方の山に行って、浜松あたりで一泊して、移動の疲労を軽減させようと
目論んでいたら、もともと燕岳で予定されていたオフ会が、天候不良のため中止と聞き、
では、大峰あたりで残念オフをやろうということで話がまとまり、大普賢岳を予定していた。
しかし前日の夜、大普賢岳付近が雨予報になっているとメンバーのひとりのもぐもぐさんから
連絡があり、大騒ぎの末、奥美濃の雄「能郷白山」に行こうと言うことで話がまとまった。

集合は白山神社に8時半。決まったのが前日の夜10時と、泥縄にも程があるってなものだが、
300kmの道程を経て集合地に到着すると、集合時間より1時間半も早い7時。
そのときすでにもぐもぐさんも到着済みで、その30分後には大加茂さんがバイクで到着。
予定自体がかなり無茶な設定にも関わらず、そのさらに1時間前に全員集合しちゃうなんて、
なかなかとんでもない方々である。(他人事モード(^-^;)

普段なら集合時間まで待つところだが、今回はさすがに飛び入りはないだろうと勝手に判断し、
1時間早く出発することにした。
まずはそれぞれの車で能郷谷沿いの狭い道を登っていく。基本的に舗装されているが、
沢からの水が溢れていたり、段差があったりと意外と気が抜けない道を進み、
舗装が途切れてしばらく進んだところが駐車場。すでに、5、6台の先客があり、
連休中とはいえ、さすがに人気の山だけのことはあるようだ。

身支度を整え、「能郷白山登山道入口」と書かれた白い木柱の脇を通って、川沿いに登っていくが、
なんかヤブっぽくておかしい。と、川を渡ったところに山道が続いているのが見え、
川を渡らなきゃ行けないと分かって、あわてて木柱まで引き返す。
川は雪解けでけっこう増水しており、小さな飛び石はすっかり水面の下になってしまっている。
しょうがないので、一気にジャンプして向こう岸に渡った。

ここからは尾根を進むが、沢に落ち込んでいる尾根をつたうので、急なことこの上ない。
まだ身体が暖まる前のため、心肺が抗議の悲鳴を上げる中、高度をどんどん上げていき、
ようやくなだらかになってきたころ、1合目と書かれた道標が現れた。
ここまででかなり息を切らしていたので、まだ1合目か!と文句を言いながら通り過ぎた。
やがて雑木の間から立派な雪渓が現れ、タムシバやイワウチワなどの花も見られるようになると、
突然、林道に飛び出した。
地図には書かれていないが、登山口への林道がここまで延びてきているようだ。
ここまでの急登が、車で来られるところだったのかと思うと、かなりガッカリしたが、
林道のおかげで木々が刈られ、雪渓が朝日に輝く前山南面の美しさに息をのんだ。
しかも最初は山頂付近がガスに覆われていたのだが、それも見る見るうちに晴れていった。

休憩がてら絶景の眺めを楽しんだ後、再度急登に立ち向かう。
斜度は先ほどより少しはましになっているが、疲労分を秤に掛けるとさらにしんどい。
ただこのあたりはイワウチワが群生していたので、一同撮影モードに入りながらの登りとなり、
すこしは気が紛れたのが幸いだった。

山道は急登となだらかな尾根道をなんどか繰り返し、前山南面を間近に見るようになると、
前山の西側を巻くように進み、右手に現れた雪の斜面をひと登りすると、前山山頂である。
正確には山頂より西へ少し下りたところなのだが、ここにきて始めて能郷白山が現れる。
能郷白山から磯倉にかけてのパノラマは、まだたっぷりと雪が残っており、
名前の通りの白い山肌は、いつまでも見飽きることがない。

せっかくだから、しばらくこのパノラマを楽しもうかということになり、
用意していたビニールシートを雪面に広げた。
もぐもぐさんは腹ごしらえ。大加茂さんはヤッケを着込んで雪山モードに変身。
私は寝ころんで大自然を満喫。と、思い思いに時間を過ごし、
そろそろ行こかということで、能郷白山へ向けて歩きを再開した。

前山からはほとんどが雪面上を歩く。
雪はしっかりと締まっていて、足が埋もれることもなく非常に快適である。
こうなると、今までの急登続きのことなんてすっかり忘れ、誰もがニコニコで歩いていく。
そして、目立った上り下りもなく、どんどん距離を稼いでいくと、
能郷白山の真っ白な雪面が壁のように迫ってきた。
雪面をよく見ると、登っている最中のハイカーが黒い点のように見えた。

山頂へ向かう雪の急斜面(写真ではなだらかに見えますが、本当に急なんです)
げっ、あんなところを登るのか?嘘だろうとか思いながら、斜面直下に到着すると、
やはりルートはこの斜面を進まなきゃいけないようだ。
かなりの急斜面は完全に雪に覆われているので、足を滑らせたら斜面直下まで止まらないだろう。
ま、雪のおかげで怪我はしないだろうが、いいかげん疲れているところで、
急斜面を登り直しは絶対に嫌だったので、キックステップを駆使して、慎重に登っていく。
一度、雪が溶けて島のようになっているヤブの岩場を巻いて、さらに雪斜面を登ると、
ようやく山頂の祠が見えた。
そして、ややくたびれたザゼンソウに歓声を上げながら歩き、白山権現の祠に到着した。
この祠の周囲は雪が溶けており、ところどころでカタクリが花をつけていた。

カタクリを踏まないように気を付けながら、祠の南側に陣取ってランチタイムにすることになった。
山頂にはすでに多くのハイカーで賑わっており、その中のひとりが山頂はあっちだよと
教えてくれたので、食後そちらのほうへ向かうことにした。

山頂には一等三角点とちょっと貧弱な山名表示があり、温見峠へ向かう山道の入口からは、
荒島岳をはじめ、冠山、姥ヶ岳などが霞みながらもシルエットを見せていた。
もぐもぐさん、大加茂さん、共に次の目標ができたようで、目を輝かせていた。
山頂に戻ったあと集合写真を撮り、下山を開始することにした。

山頂で記念にチーズ!
まずは急な雪斜面をどう下りるか。
ヤッケを着込んで準備万端の大加茂さんは尻セードで一気に下まで滑り降り、
私ともぐもぐさんは地道に一歩一歩下りていくと思いきや、後ろでもぐもぐさんが尻セードを始めた。
ヤッケも着ずに無茶するなぁと思ったら、転けたための強制尻セードだった。(^^;

そして、来た道を辿って再度前山に到着。誰ともなく前山の三角点を見に行こうかということになり、
前山山頂に向けて歩いたが、間違って前山方面へ進んでしまったハイカーと一緒になり、
山頂付近では雪が深かったので、三角点は無理かなぁと地図を確認したところ、
前山山頂より20mほど下ったところにあることが判明したので、あっさりと断念。
道を外したハイカーと一緒に戻っていった。
そして、左手の下に山道が見えたので、雪面を駆け下りようとしたところ、
踏み込みが足りなかったようで、ズルッと滑ったかと思うと、一気に山道まで滑り降りてしまい、
私も強制尻セードとなってしまった。(^^ゞ

ここからは急な下りの連続。林道との合流までは悲鳴を上げながら下り、
林道合流点から下は、悲鳴を上げる元気もなく、黙々と下り続けるとようやく、
沢音が聞こえはじめ、やがて登山口に降り立つことができた。

基本的に急登の連続で、かなりしんどいコースですが、その甲斐は十二分にある山です。
残雪のこの季節もすばらしかったですが、雪が溶けると山頂はお花畑になりますし、
大半が自然林なので、紅葉の季節もすばらしいしで、四季を通じて楽しめる山です。
ただし、真冬は完全な雪山ですから、それなりの技術と装備が必要でしょう。


【コースタイム】
駐車場 8:00…前山 10:00-10:20…能郷白山山頂 11:30-12:20…前山 13:20…駐車場 15:20
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