Trekking Reports 〜山歩きの記録

2001.04.21(土) 花と霞と新緑で春を満喫【川苔山 奥多摩】

霧の中の川苔山山頂
今週は土日とも天気が悪いという予報で、月曜日の夕方から用事もあったので、
どんより曇る空の下、奥多摩方面へ車を走らせた。
目的地は川苔山。エアリアマップを眺めていて歩いてみたいと思っていた、
鳩ノ巣駅から登り始めて、杉ノ殿尾根から山頂。下山は赤杭尾根を辿って古里駅へ
というルートに決めた。

駐車場は鳩ノ巣駅裏の奥多摩町営駐車場を利用。
到着したときはまだ3分の1ほどしか埋まっていなかったが、
時間と天気を考えると意外なほど車が多い。
天気が良いときなら、相当早くこないと駐車するのは難しいかもしれない。

身支度を整えて、まずは大根ノ山ノ神へ向かって舗装路を歩き始める。
川沿いの道を工場やホタル生息地を横目に上っていくと、すぐに山に入るはずが、
舗装路が延々と続いていく。
なんとなく嫌な予感がして、地図を取り出すと見事に間違っている。
しかも、地図には駐車場まで戻らないと正しい道に復帰することはできないようだ。
仕方なく来た道をしばらく戻ると、東へ山を巻いていく道が、住宅街の中を通っている。
行き止まりになる可能性もあったが、行ってしまえ!ということで、
正規の道が通っている正法院というお寺を探して住宅街の中に突入した。
エアリアマップでは鳩ノ巣駅の裏はそれほどわかりにくいようには見えないが、
実際は住宅街となっていて、路地が縦横に走っていてけっこう分かり辛い。
そのうち山の方に墓地が見えたので、これだろうとあたりをつけて近づいていくと、
ようやく川苔山の方向を指す道標を見つけることができた。

まず登山道は先ほど間違えた西川沿いの道を見下ろすように斜面を巻いていく。
この辺りは日当たりが良いためか、スミレやヤマブキが多く咲いており、
数は少ないがシャガやイバラなども花をつけていた。

やがて道は暗い植林の中に入っていく。
今日の天気では植林の中はいっそう薄暗く、やがて霧も出てきたため、
日の出前の早朝登山をやっているようだ。

大根ノ山ノ神は大きな神社の社でもあるのかと思っていたが、
実際は小さな祠。道標がないと気づかずに通り抜けてしまうかもしれない。
ただ、祠は凝った作りでとても綺麗なので、良く詣られているようだ。
西川沿いにある熊野神社の奥社にあたるのだろうか。
そして、ここは大ダワ経由で川苔山へ向かう道と直接川苔山へ向かう道の分岐である。
今回は杉ノ殿尾根を辿る予定なので大ダワ方面へ進む。

相変わらず植林の中の暗い道を登っていくと、コブタカ山経由とその巻き道との分岐。
30分余分に時間がかかることと、この霧の中ではまったく展望が利かないことを考えて、
巻き道の方を選択。一部、気持ちの良い雑木林もあるものの大半は薄暗い植林の中を
歩いていくと、大ダワに到着した。

大ダワは名前に反してかなり狭い。ここで休憩するつもりで歩いてきたのだが、
東屋やベンチがあるわけでもないので、仕方なく先に進むことにする。
エアリアでは舟井戸へ向かう2本の道もこの大ダワから出ているように書かれているが、
実際はすこし進んだところで分岐になっている。
一方は道標では鋸尾根と書かれた尾根上を進むルートで、もう一方はその尾根を巻く道。
男は黙って直登ルートということで、<さっき巻き道を通ったくせに
鋸尾根上へ進むと、いきなりの急登。落ち葉や土は付いているが、基本的に岩稜で、
ルートは岸壁を上っていくようについている。
霧で濡れた路面は滑りやすそうに見え(実際はそうでもなかったが)、
踏み外したら崖下へ真っ逆さまと考えるとけっこう怖い。
ただ、今日は周囲は霧に包まれているので、崖下が見えないおかげで、
それほど高度感を感じることはなかったので、その分は救いだった。

必死に岩にしがみつきながら登っていき、ふと周囲を見渡すと
所々にピンク色の花が咲いている。
どうやらこれが以前HMLで話題になっていたアカヤシオらしい。
霧と岩と冬枯れの雑木という完全なモノトーンの世界では非常に目立っており、
疲労した身体には一服の清涼剤となったが、近づいて花を見ると、
霧でびしょ濡れになっており、みんな下を向いてしまって、お疲れのようだった。

すっかり下を向いてしんどそうなアカヤシオ
名前の通り急坂の上り下りをなんどか繰り返すと、ようやくなだらかになり、
やがて、巻き道が合流し、舟井戸を通過した。
そして、大した登りもなく山小屋に到着。この山小屋はかなり荒れており、
中を覗いてみたが、屋根が抜けていたりして、中で休憩する雰囲気ではない。
そして、最後のひと登りを経て川苔山の山頂に到着した。

周囲はけっこう雑木に囲まれていて、
西側を除いてはそれほど展望が利くわけではなさそう。
ただ、近づかないと山名表示さえよく見えない今日の状態では
展望を云々言える状態ではないのだが。
先客は単独の男性と、外国人の2人組(夫婦かな?)。
外国の方とは知らずにこんにちはと声をかけると、
日本語でこんにちはと返事してくれた。

山頂はかなり寒かったが、早起きのせいでかなりお腹が空いていたので、
ラーメンを作ることにして、ストーブに火をいれた。
いつもなら、汗に濡れた服はすぐに乾くのだが、霧に包まれた状態ではそれも不可能。
どんどん寒くなっていく中、ストーブに手をかざして僅かな暖をとったりしながら、
ラーメンを作り、鍋を直接手でもって(すぐに冷めてしまい、あまり熱くなかった)
手を暖めながらラーメンをすすっていると、あとから中年夫婦2人組と、男性単独が3人。
それに中年女性の3人組が到着し、霧に包まれた山頂には不似合いなほど賑やかになった。
私はとなりに座られた単独男性から、この間は天気が良かったとか、
三頭山のほうが展望はいいとか、話を伺ったりして時間を過ごしていたが、
さすがに寒さが応えてきたので、一足早く下山することにした。

まずは、山小屋まで戻ってから、道標に従って赤杭山方面へ進む。
この辺りは登山道が交錯しているので、道標を見落とさないように注意をはらいつつ
数カ所の分岐を経て赤杭尾根に入る。

しばらくは快適な広い尾根道に入るが、斜度はかなり急なところが多く、
濡れた路面に足を取られないように注意しながら進むと、やがて植林の中に入る。
このコースは尾根道ではあるのだが、ほとんどのピークは巻いてしまう。
楽ではあるのだが、植林の中の道となるのであまり面白みはない。

ただ、時折尾根上に上がるときもあり、そのときは快適な雑木林の中の尾根道を
楽しむことができる。木々が途切れて展望が楽しめるところもあり、
晴れているときなら、また違った印象を受けるルートなのかもしれない。

1時間近く歩いたところで、赤杭山へ向かう道と、その巻き道との分岐に到着。
最初、気づかずに巻き道の方へ進みかけたが、あわてて引き返して赤杭山へと進む。
踏み跡はしっかりしているが、巻き道よりは藪っぽく、わりと広々としているので、
踏み跡がないと山頂を見つけるのは難しかったかもしれない。

山頂にはちょっと文字が薄れかけた(というか、文字が黒で板が黒ずんできて
見にくくなっている)山名表示と三等三角点。
広々とした雑木林の中の山頂はあまり山頂と言った雰囲気はない。
地図で見ても、山頂と言うより尾根の先端といったところなので、こんなものだろう。
ただ、ここからの下山路が非常に分かりづらい。

雑木林の中の赤杭山山頂
山頂には下山路を示す道標があるが、踏み跡はほとんど落ち葉に埋もれ、判別不能。
さらに尾根は広く急斜面なので、どこを進んでいいかはっきりしない。
それでもあたりをつけて下りていくと、やがてしっかりした踏み跡に辿り着き、
やがて、巻き道と合流して、しっかりした道にたどり着くことができた。

このあたりから脇には新緑の萌葱色が現れ始め、それまでのモノトーンの世界から
やや華やいだ雰囲気に変わってきた。
相変わらず、雑木と植林の繰り返しを進んでいくと、「この先崩落地」と書かれた
注意書きが現れた。通行止めというわけではないので、(通行止めと言われると困るが)
先に進むと確かに、ところどころで登山道が土砂に覆われている。
ほとんどは土砂の上に踏み跡が付いていたので、それほど難儀するところはないが、
一カ所だけ土砂が緩く、足を乗せるとズルッと土砂ごと崖下に足を持って行かれそうになる
ところがあった。ここだけは最近崩れたのだろうか。
ギュッギュッと土砂を踏み固めて、体重をかけても足が沈まないようにしてから、
一気に土砂を乗り越えた。

崩落地を過ぎると、またもや植林の中を進む。
この辺りになると、霧もかなり薄れてきて、周囲の景色がものすごくはっきり見えるのに
驚くと共に、今までけっこう霧が濃かったことが実感できた。
やがて電車や車の音が聞こえてくると、木々の間から町並みが見え始め、
最後に白い手すりの付いたコンクリートの階段を下りると、住宅街の中に出た。

この住宅街の中にも要所要所に道標が設置され、それに従って歩いていくと、古里駅に到着。
鳩ノ巣駅まで歩けないことはないが、20分ほどで電車が来るということだったので、
ちょうどいい休憩時間と思い、駅舎のベンチでのんびりと電車を待った。

一部で花を楽しめたものの、ほとんどは霧の中。
それも視界は15m程で、展望のての字もない山行となったが、
霧の立ちこめた雑木林はなんとも言えない雰囲気があり、
森と一体になる心地よさを感じられて、なかなか趣のある山行になったのではないかと思う。


【コースタイム】
鳩ノ巣駅裏町営駐車場 7:15…大根ノ山ノ神 8:05…大ダワ 9:00…
川苔山山頂 10:15-10:55…赤杭山 12:15…古里駅 13:30
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