桃の花見物こみで釈迦堂PA近くの蜂城山に行くために、中央高速を西進、
朝早い割には混んでいるなぁと思いながら、釈迦堂PAに到着すると車で溢れかえっており、
当然車を置く余地はまったくない。
仕方なく、時間が余れば後で行こうと思っていた夜叉神峠のほうへ先に向かうことにした。
甲府昭和ICから桃の木温泉方面へ車を走らせ、南アルプス林道をどんどん登っていくと、
売店やトイレがある駐車場に到着した。林道はまだ先へと続いているが、
駐車場の先のゲートは封鎖されていて、6月までは先に進むことはできない。
道路の路肩に白線を引いたような変わった駐車場は、
かなりの収容台数があるにも関わらず、今日はがらがら。
どうやら、みんな桃見物に行っちゃったようだ。
これだけ空いていると、逆にどこに停めようか迷いながら駐車し、
身支度を整えて本日最初のスタートを切った。
登山口には皇太子徳仁親王殿下御登山記念碑と東屋、
それに道標にバス運行時刻や注意書きと、とても賑やか。
足元は石がごろつくものの歩きにくいと言うほどのことはない。
周囲はしばらくは植林が主だが、やがて雑木林のなかをつづら折りの登りとなる。
高度を上げるにつれ、残雪が現れ始め少々驚くが、お手軽コースとはいえ
標高は1600mを越えているので、たしかに雪があっても不思議ではない。
周囲は相変わらずの冬枯れの雑木林で、やや飽きてきた頃、斜度は徐々になだらかになる。
そして、稜線上に到着したとき、南アルプスの大パノラマが目の前に現れた。
白く輝く南アルプスにしばらく見とれたが、ふと周囲を見回すと、
有名な夜叉神峠にしては妙に寂しいところで、夜叉神峠という表示もなく、
ただの出合といった感じ。夜叉神峠西口へ下りるルートも合流しているので、
ここが峠のはずだが、こんなものなのかなぁと思ったが、
とりあえず夜叉神峠小屋の方にいってみようかと思い、鳳凰三山方面へ向かった。
ちょっとした急登をひと登りすると、小屋の屋根が見え、人の話し声が聞こえてきた。
そして、ベンチやテーブルの置かれた広場に到着。
夜叉神峠とかかれたりっぱな表示板もあり、どうやらここが夜叉神峠らしい。
(というか、夜叉神峠展望台といったところだろうか)
ここからの南アルプスの展望はすばらしいのひとこと。
積雪した山肌が太陽に照らされ輝いており、あまりに近くに見えるので、
今から登っても、すぐに帰ってこれそう。
まるで、誘っているかのように見え、
日帰り派の私にとってかなり危険な場所のようだ。(^^ゞ

夜叉神峠の広場の様子
結局、20分ほど見とれただろうか。
さてどうしようかと考え、やっぱり山頂に立たないとなんとなく気持ちが悪いので、
峠の南側に位置する高谷山に登ることにした。
再度、文字どおりの峠に戻り、反対側に進む。
積雪の影響で周囲のササが登山道に覆い被さっており、藪道のようになっている。
ただ、踏み跡はしっかりしているので、道に迷うようなことはない。
また、シャーベット状の残雪がある急坂や雪原などもあり、
かなり標高が高いところなんだなぁと実感できる。
そして、ちょっとした稜線散歩を楽しんだのち、
大きな山名表示と三角点のある高谷山に到着した。
峠から見ると完全に樹木に覆われていたので、展望は全く期待していなかったのだが、
西側の一部が切り開かれており、北岳の眺望がすばらしい。
そのうえ、峠からは見えなかった甲斐駒ヶ岳が木々の間から覗き、
ここまできた甲斐があったというものである。(^^ゞ
下山は往路を下るが、この時間になると、下からハイカーがどんどん登ってくる。
単独や夫婦、家族連れはもちろん団体まであり、
峠の広場はかなり賑やかになっていることだろう。
まもなく、駐車場に到着。駐車車両もかなり増えており、
朝がらがらだった駐車場も6割ほど埋まっていた。
【コースタイム】
夜叉神峠登山口駐車場 8:35…夜叉神峠 9:20-9:40…高谷山 10:05…駐車場 11:05