Trekking Reports 〜山歩きの記録

2001.03.03(土) 展望絶好の岩峰から巨大瀑布へ縦走【久慈男体山 茨城県大子町】

久慈男体山山頂からの展望(82K)
ご近所であることを活用し、幕張西ショッピングセンター前に朝5時半に集合。
(ちょっと遅刻しました。m(__)m)泥助さんと落ち合い、
湾岸自動車道〜常磐自動車道と高速を一路北へ向かう。
那珂ICで高速を下り、一般道を走ること1時間。
今回の登山口となる、大円地に到着した。

大円地には狭いがわりとしっかりした駐車場があり、8台程度は駐車できる。
先客は1台。その隣に車を止め、身支度にかかる。
準備が完了し、山の方を見ると、大迫力の岩峰がそびえている。
これはすごいと歓声を上げ、これからの山登りにたいする期待が膨らんできた。

登山口前に壁のようにそびえる大迫力の久慈男体山
駐車場から一旦下って、大円地集落と茶畑の中を歩いていくと、
健脚コースと一般コースの分岐点が現れた。
ガイドブックによると、健脚コースは全体の4割が鎖場ということで、
雪が付いている今日は無理だろうと判断し、一般コースに向かう。

分岐からすぐに杉林に入り、つづら折りの斜面を登っていく内に、
雑木林へと変わっていく。崖崩れ跡を越えると、大円地越はすぐそこ。

大円地越はやや開けており、積雪10cmの雪原の真ん中には東屋がひとつ。
ここからはこれから向かう男体山へのルートはもちろん、
反対のピークへのルートもある。すると、その反対側のピークから
2人組が下りてきて、大円地の方に下りていった。
話を聞きたいところだったが、黙々と通り過ぎられちゃったので、
ちょっと残念。

さて、男体山に向けてひと登りすると、いきなり視界が開け、
男体山の岩峰が目の前に現れた。下から見えていたピークに立ったらしい。
ここからは快適な稜線歩きか、と思いきやいきなりの急坂下り。
雪で滑りやすくなった路面に、左右は切れ落ちた崖。
ま、道端には冬枯れの木々があるので、言うほど恐怖感を感じるわけではないが、
それでも、恐る恐る下りていく。
鞍部に辿り着くと、今度は急登。ただ、登りはスリップの心配が薄れる分気は楽。
持方へと下りる、地図にはない分岐を過ぎ、パラボラアンテナを過ぎると、
NHKの施設がある山頂に到着した。奥には男体神社奥の院の祠。
この祠の裏からの展望がすばらしく、大円地越から南へ続く稜線の岸壁が、
城塞のように、大円地集落を囲んでいる。
さすがに遠くが霞む今日の状況では、富士山を見ることはできなかったが、
西には那須の山々、南には筑波山がその姿をうっすらと見せている。

しばらく展望を楽しんでいると、だんだんと山頂が賑やかになってきた。
大半は男体神社から登ってこられていたが、
そのうちの一組の中年夫婦が大円地からの健脚コースから登ってきたとのこと。
南面なので、雪はほとんどなく、それほど問題なかったとのこと。
惜しいことをしたかなと考えていると、泥助さんも同じ考えのようだ。

さて、今日は先が長い。思わず長居してしまったが、先を急ぐことにした。
まずは、男体神社方面への下山路をたどり、途中の分岐で稜線上を進む。
分岐までは多くの踏み跡があったのが、分岐以降は先行者は一人。
やはり距離が長いため、あまり人が歩くコースではないようだ。

右手に真っ白な雪原と化した牧場を望みながら、アップダウンを繰り返し、
後ろに男体山を望みながら稜線上を進んでいくと、
道は尾根を外れ、いきなり左斜面へと向かっている。
道標がそちらを指しており、鎖が設置されているので、間違いはないのだろうが、
地形図で確認しても、点線のルート上にそのような場所は見あたらない。
とりあえず進むしかないと、鎖を頼りに凍り付いた露岩の急斜面(というか崖?)
を慎重に下っていく。ようやく下におり、道標とテープを頼りに進んでいくが、
道は稜線を巻くように進み、稜線上を進んでいる地図上の点線とは全く異なる。

とりあえず、現在地の把握を諦め、コースに従って進んでいく。
このコースはことごとくピークを巻いていくので、楽と言えば楽なのだが、
展望はなし。周囲が植林ではなく雑木林なのが救いなのだが、
冬枯れの雑木林ではもうひとつ趣に欠ける。
と、いきなりルートは谷を駆け上がっていく。
嘘だろうといいながら、急登を進むと、途中から右手の尾根へとルートは進み、
やがて、久しぶりの尾根上に上がった。
しばらく進んだ小ピークでは周囲の男体山、長福山、白木山が見えたので、
シルバーコンパスを使って、やっと現在地が把握できた。
かなり進んだように思っていたが、まだ男体山〜袋田の滝の半分も進んでいない。
まぁ、こういう時はいつもの事であるが。

ここからはコースと地形図の点線は一致するようになり、
現在地の把握は容易になったものの、今度は忠実にピークを踏んでいくため、
アップダウンが激しくなり、疲労は増す。
ただ、現在地が分かれば、あとどれだけ歩けばよいかというのが分かるので、
精神的にはかなり楽になる。息を切らせながらの急登と、積雪の急斜面の
恐々下りを繰り返す内に、第2展望台に到着した。
第2展望台があるのは泥助さん所有のガイドブックで分かっていたのだが、
実際に来てみると、ただの露岩と、「第二展望台」の文字が掘られた石版。
人工の展望台かと思っていたので、自然の展望台に唖然としたが、
景観の保護という観点からは、こちらのほうがいいかもしれない。

第二展望台の石版と奥久慈の山々
この次は第一展望台の三等三角点ピーク。
ただ、展望は周囲の雑木でもう一つ。展望台の名にはあまり相応しくないようだ。
ガイドブックには後山と書かれていたが、山頂には鍋転山の山名表示板があった。
また、バス停のベンチのような東屋があったので、ここで遅い昼食とする。
私はラーメンを作って大がかりな一方、泥助さんは菓子パンの簡単な食事。
随分待たせてしまい、すみませんでした。>泥助さん

さて、ここからは最後のピーク「月居山」に向かう。
一旦下って登り返し、鎖場の急な岩斜面を登ると、展望絶好のピーク。
ここが月居山山頂かと思いつつ先に進むと、ちょっと下った後さらに登る。
そして、城跡の山頂に到着した。どうやらここが月居山の山頂らしい。
実は先ほどの岩峰ピークには巻き道があったので、あの鎖場の登りは
無駄だったのかぁと思ったが、素晴らしい展望だったので良しとする。
あそここそ第一展望台の名に相応しいのになぁ。

月居山を下りると、妙に小綺麗な社のある鞍部に到着。
道標は国道方面と袋田の滝方面を示している。

当然のように袋田の滝方面を選択すると、なぜか急な階段が延々続いている。
月居山が最後のピークと思っていた我々には、この階段の一段一段がけっこう
応える。こんなに高いところに滝があるとは思えないが、
ここまでくると、ピークを踏まずにはおれないのは、山好きの宿命だろうか。
やがて、ベンチのある山頂に到着したが、やはり山頂に滝があるわけはない。
ここからは山の向こう側に階段が下りている。
釈然としないものを感じながらも、その階段を下りていくと、
滝の落ちる音が聞こえはじめ、ハイカーとは思えないカジュアルな服装の
人が増えてきた。どうやらこの階段は滝を上から眺めるためのもので、
分岐の道標は間違ってはいなかったようだ。

轟音と水しぶきの袋田の滝
そして、今までに見たこともない大きな滝が現れた。しかもこれは一段目で、
さらに二段目が下に続いているようだ。
階段は石から鉄に変わり、やがて大勢の観光客がいる滝への遊歩道に降り立った。
吊り橋を渡って滝の下へ行くと、轟々と落ちる水音がその大きな姿と相まって
大迫力。その上、あたりを漂う水しぶきが、火照った身体に心地よい。
ここから、有料で滝見台に入れるのだが、実は電車の時間が迫っており、
仕方なく、滝に別れを告げ駅の方向へと歩き始めた。

ここで、アクシデント発生。
最初、ガイドブックには滝から駅までは20分と書かれていたと思っていたが、
じつは50分あることが、歩いている最中に判明し、あと40分を切っている現状
では、まず間に合わないことが判明。次の電車は一時間後、そうなると、
駐車地に着く頃には完全に日が暮れてしまう。
お互いに口では間に合わないなぁとか言いながら、歩くスピードはどんどん
上がっていき、線路が見えたところであと5分あったので、
ここから500mダッシュ。重いリュックと今までの疲労。
その上走りにくい登山靴に難儀しながらも袋田駅に到着。
切符を買い終えたところで、電車がホームに入ってきた。

なんとか飛び乗った電車の中で10分の休憩。2駅後の西金で下車し、
ここから1時間ちょっとの舗装路を駐車場へ登り、あたりが暗くなる前に到着。
今日はよく歩いたなぁとお互いを称えて、帰路に就いた。

【コースタイム】
大円地駐車場 8:40…大円地越 9:25…男体山山頂 10:10-10:30…
鍋転山(第一展望台) 13:30-13:50…月居山 14:20…袋田の滝 14:50-15:00…
袋田駅 15:40…(電車移動)…西金駅 15:50…大円地駐車場 17:00
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