最初はイン谷口から登るつもりだったのだが、
「西南稜からの武奈ヶ岳が見たい!」ということで、
葛川坊村町から登ることにする。
御殿山コースは最初からいきなりの急登。
それも、周囲は樹木に囲まれ展望なく、ただただしんどいだけの登りだ。
でもそれも稜線まで。御殿山が見え始めると、周囲は笹原となり、
背後に蓬莱山が大きく見えてきた。
また、西隣の高竜山が色づいた山肌を見せている。
そして御殿山に到着。ついに武奈ヶ岳が姿を見せるかと思いきや、
西南稜から武奈ヶ岳、コヤマノ岳あたりはすっかりガスの中。
天気の良い午前中に登ろうと、せっかく早起きしたのに、台無し。
もう、折り返して帰ろうかとも思ったが、とりあえず山頂には立っとこうか、
ということで、しぶしぶ西南稜に向けて歩き始めた。
ワサビ峠を通過し(なぜワサビなんだろう?)、西南稜最初のピークに到着。
御殿山から見たときはこの辺りもガスの中だったのだが、今はガスが晴れている。
もしかして、武奈ヶ岳のガスも晴れるかも知れないと思い、
しばらくここでカメラ片手に粘ることにする。
そして、待つこと10分。
徐々に晴れ間も差し始め、真っ暗だった空も、ところどころ青空が見え始めた。
そして、さらに待つこと5分で、武奈ヶ岳が完全に姿を現した。
太陽のスポットライトが西南稜を照らし、なんとも幻想的である。
喜び勇んで、雪の残る西南稜を武奈ヶ岳に向けて最後の歩きを開始した。

霧が晴れ、姿を現した武奈ヶ岳(92K)
山頂に到着。ガスは無し。
展望はまずまず。山頂で初めて琵琶湖を見ることができた。
また、比良ロープウェイの駅が意外な近さで見える。
そして、なんと自分以外誰もいない。
休日なら考えられないことである。
「人気の山は平日に行こう」大成功(^^)v
ただ、『寒い!』
登山口で車の外気温計が2℃を差していたので、900m高い山頂は、
間違いなく氷点下だろう。その上時折吹く強風の冷たいこと。
ラーメンを作ったが、なかなか湯が沸かず、
沸いても風が吹くとすぐ冷めてしまう始末。
もう一つうまく作れなかったラーメンをすすって、
早々に下山にかかることにする。
この段階では、「寒いよ〜」「早く帰りたいよ〜」という気持ちで一杯。
来た道をピストンして帰ろうと、再び西南稜の方へ歩き始めた。
しかし、歩き始めると身体も暖まり、「このまま帰るのはつまらんなぁ」
という気持ちがムクムクとわき上がってきた。
で、ワサビ峠に着いたとき、自然と中峠の方に足が向いてしまった。(^^ゞ
ワサビ峠から谷を渡って中峠へ、そこからシャクシコバの頭を通過し、
小川新道に入る。
この道は、しばらくはちょっとヤブっぽいにしてもよく整備された道なのだが、
途中から崖崩れの跡を下りていくようになり、下りなのに登り以上にくたびれる。
で、小川新道出合に辿り着いたときは、「ふつう」の道がとてもありがたかった。
ここからは、牛コバを経て駐車地に向かう。
疲れていたせいか、この道は地図で見るより異常に長く感じる。
特に牛コバへの急斜面のつづら折りは地の底まで続いているようだ。
で、牛コバから駐車地までの林道も結構な距離があり、
登りでここは使わないようにしようと、心に誓う。
結局、スタートから7時間。下山時の西南稜で、単独の男性とすれ違っただけで、
下界を離れ、唯一人で山を満喫するという私のスタンス(?)にピッタリの
山行となったが、さすがにちょっと寂しかったかな。(^^ゞ
【コースタイム】
地主神社 7:36…御殿山 9:10…西南稜ピーク 9:27-9:47…
武奈ヶ岳山頂 10:05-10:55…ワサビ峠 11:20…中峠 11:43…
月見岩 12:35…小川新道出合 12:58…牛コバ 13:59…地主神社 14:38