Features 〜特集

ふるさと兵庫50山 完登の道程


1999.12.19 明神山 急登続きも山頂は絶好の展望台


岩屋池ごしに紅葉に色づく明神山

駐車場のある夢さき夢のさと農業公園に到着するとかなり大勢の人で賑わっている。
どうやら地元の中学校のマラソン大会が行われるらしい。
公園の案内図に従って、まずは岩屋池を目指して舗装路を歩く。
途中でマラソンの折り返し地点と思われるところに寒そうに立っている先生の脇を通り、
岩屋池を過ぎると、道は暗い杉林の中へ入り、すぐに観音滝への分岐。
滝から明神山へ通じる道はないので、また戻ってこなければならないが、
時間もあるしせっかくだからとまずは滝へ向かうことにする。

分岐から5分ほどで滝へ到着。
薄暗い中、滝見台の設置され、落差のある立派な滝は水量ゼロ。
それに僅かな滴を滝壺でなぜかポリバケツが受けていて、ムードも何もあった物じゃない。
2体のお地蔵さんが、在りし日の修行場の雰囲気をわずかに留めていたのが救いである。

分岐へ戻り、気を取り直して明神山へ向け出発。
ルートは長滑りを通るコースで、公園の案内板ではBコースとなっている。
長滑りは一枚岩の天然ウォータースライダーということだが、
落ち葉に埋もれて、もう一つ良く分からないが、落ち葉の陰に僅かな水が流れていた。
ただ、ここの案内板が「長滑ら」と表示されていたのが、疑問に残った。

長滑りから急登。尾根に上がりAコース(公園から西の尾根を伝うコース)と合流した後、
さらに急登。展望岩で休憩する男性二人組とちょっと話し、莇野との分岐を過ぎると
もうひと頑張りで山頂へ到着した。

20名ほどで大にぎわいの狭い山頂は絶好の展望台。
360度の大パノラマを楽しむことができ、登りの疲れも吹き飛んでしまった。

コンビニおむすびの食事をすませ、思う存分展望を楽しんだあと、下山にかかる。
まずは来た道を戻り、Aコースとの分岐で色気をだし、Aコース側を辿ることにした。

途中まではアップダウンの緩やかな尾根歩き。眼下に登山口の公園が望めたり、
岩の剥き出したところで周囲の林が途切れ、展望が楽しめたりと、なかなか快適。
こっちを選んだのは正解だったなぁと、満足げに歩いていくと、
なんの前触れもなくいきなり4mほどの崖が出現。
そして、コースを示すテープはこの崖下へと続いている。
さらに、鎖やロープなども全くなし。
登山口の案内板の「コースA(整備中)」の文字が頭をよぎったがあとのまつり。
仕方なく、木の根や草をつかんでかろうじて崖下に降り立つことができた。

そして、ここからは今までの快適さが嘘のような急坂の連続。
崖とまではいかないまでも、何かにつかまらないと降りられないような所ばかり。
やっとのことで難所続きのコースを突破し、岩屋池の裏に降り立つことができた。

水のない滝や絶好の展望、難所のAコースといろんなことがあり印象深い山行となった。

◆ ◆ ◆


1999.12.23 白山 快適な稜線歩きに好展望の山頂


秋谷ルートの岩尾根上から秋谷池を望む

登山口がわからず、黒田庄を車でさまようこと1時間。
ようやく見つけた白山登山口の案内板に従って車を走らせると、
秋谷登山口の駐車場に到着した。

ヤブっぽい道を登っていくと、途中から岩肌の広い尾根道となった。
周囲は松などの低木がまばらにあるだけで、展望は非常によい。
足元に駐車場や秋谷池を望みながら、足がかりの良い岩尾根を登っていくと、
周囲の景色から自分の高度がどんどん上がっていくのが実感できて、なかなか楽しい。

最初のピークを越えると、低木の林の中の稜線歩きとなる。
やや周囲の藪が出てきているが、りっぱな標識がいたる所に設置されていて、
迷う心配は全くない。ただ、100m毎にある山頂までの残りの距離表示は、
ちょっとありがた迷惑。おかげで距離以上に長く感じる。

アップダウンの緩やかな稜線を歩き、前坂への分岐、門柳への分岐を過ぎて、
最後に妙見山への分岐を白山方面へ進むと山頂はすぐそこである。

山頂には先客が2組4名。
兵庫県の山々の話題で盛り上がっているようだ。
私も仲間に加えてもらったり、見晴らしの良い景色を楽しんだりして、
山頂での時間を過ごし、やや時間が遅くなっていたこともあり、
妙見山は諦め下山することにした。

下山は、最初は来た道を戻り、門柳との分岐で門柳方向へ下る。
このコースはずっと薄暗い雑木林で、その上足元は濡れた落ち葉のために滑りやすく、
あまり楽しいコースではない。
ただ、距離は往路よりかなり短く、すぐに人里近くまで辿り着いた。
すると、獣除けのフェンスで周囲が囲まれている。
そのままフェンスを越えれば良かったのだが、フェンスにそって踏み跡が続いていたので、
つい、その跡につられて歩いて行ってしまった。

山沿いを歩き続け、こりゃあかんと思ったところでフェンスを越え、
車道のある南側に向けてしばらく歩くと、川に行く手を遮られた。
周りを見渡しても、橋らしき物はまったく見えない。
仕方なく、浅いところを探して渡渉する事に。
防水の靴ではなかったので、恐る恐る靴を水に浸して、そろそろと渡る。
なんとか、水が靴の中に入ることなく川を渡ることができた。

ここからは長い車道歩き。
こんな事なら往路の稜線をそのまま戻るんだったと後悔しながら、駐車地まで歩いた。

登山口探しに時間がかかって、妙見山まで行けなかったのは心残りだが、
なかなかお手軽なハイキングコースで、今度は妙見山込みで歩きたいものである。

◆ ◆ ◆


1999.12.29 西光寺山 歴史を感じさせる静かな山


山頂から望む篠山市の町並み

林間ファミリー園に車を止め、案内板に従ってすっかり葉を落とした木々の中、
遊歩道を進む。途中から、丸太の階段が斜面を駆け上がっており、
標識はここを登るように示している。階段は嫌だなぁと思いながら登るも、
その階段はすぐに終わり。斜度もそれほどなく、落ち葉の絨毯の中、
良く整備された登山道を歩いていくと、尾根上に出た。
西側から道が合流しているが、どこに通じているのだろうか。
この出合から左側、つまり東へ向かう。

しばらくなだらかな道が続くも、祠の奥から急にヤブになっている。
どうやら、順調に進みすぎたので、分岐を見逃したらしい。
少し戻ると、山側の少し上に登山道が見えたので、斜面を駆け上がって、
正規ルートに合流する。

ここからはつづら折りのやや急な登りとなるが、
しばらくで妙法会と書かれたこもり堂、しめ縄の石門の奥にはこぐり岩がある。

そして、雑木の静かな山道を登っていくと、山頂に到着。
山頂には石組みと西光寺神社と書かれた板、それに賽銭箱が置かれている。
展望は東側に優れ、篠山市の町並みとゴルフ場の向こうに中口山や西寺山を
望むことができる。

帰路は往路を辿る。ときおり木々の間から覗く笠形山が印象的である。
2時間半ほどのお手軽な山歩きだが、時間が遅かったせいか、
ほとんど人に会うことなく、静かな山行を楽しむことができた。

◆ ◆ ◆


2000.01.03 白髪岳 雑木林の松尾山から岩肌の白髪岳へ


白髪岳山頂から今歩いてきた松尾山への稜線を望む

広い駐車場には先客がぽつりぽつり。
やはり正月早々から山登りをやろうっていう物好きは少ないようだ。
白髪岳の鋭角的な山姿を左手に見ながら歩き、
白髪岳と松尾山の分岐をまずは松尾山方面へ向かう。
疎らの人家と茶畑の中を歩いていくと、周囲は暗い杉林の中へ。
しばらくは沢沿いをすすみ、ほとんど水が涸れた不動の滝からは斜面を上がっていく。
ちょっと開けて、案内板とぽつんと石仏がある愛宕堂跡を過ぎ、
数々の石仏や卵塔群を過ぎると、せまい急な尾根を登る。
さらに、仙の岩や千年杉を過ぎると、広くて平らな松尾山山頂に到着した。
雑木林の山頂には、案内板があり、酒井城址の歴史が書かれている。
強者共が夢のあとといった趣のある山頂を後にし、
今日の目的地である白髪岳への縦走コースに入る。

稜線上の道はなだらかで、よく整備されている。
また、白髪岳側からは多くのハイカーがすれ違う。やはり、人気の山なのだ。
ただ、木々の間から覗く白髪岳の高さが、なかなか変わらない。
そして、白髪岳のすぐ近くから急登開始。
脇には真新しい白いロープが木々の間を渡してあり、
そのロープにつかまりながらの登りをクリアすると、
岩肌で360度の展望がすばらしい白髪岳山頂に到着した。
松尾山と白髪岳、隣接した二つの山頂が、まるで正反対というのがとてもおもしろい。

ひととおり展望を楽しんだ後、下山に移る。
いきなりのクサリ場をロープを頼りに下りていくと、やがてなだらかな尾根上に到着。
そこから振り返ると、鋭角的な白髪岳の姿が際だち、そこから松尾山への稜線も楽しめる。
その後、またもや登山道は急坂の下りとなり、やがて工事中の谷道へ下り立ち、
工事場所を避けるために仮設された登山道を辿って、林道と合流。
松尾山への分岐に着くと、やや車の数が増えた駐車場に到着した。

松尾山の歴史と雑木林のコースと、白髪岳のクサリ場の登り降りと頂上の展望という、
一度で二度おいしい、とてもお得な山行であった。
今更だが、丹波の山々で一番のお薦めコースである。

◆ ◆ ◆


2000.01.10 白旗山 城跡の山で快適な稜線歩き


展望はないが歴史を感じさせる白旗山山頂、本丸跡

車の駐車地が見つからず、周囲を右往左往していると、登山口を示す道標の脇に
一台の車が止まっていたので、その隣に止めさせてもらうことにした。
登山口はこの駐車地から林道が林の中へ入っており、入口には車進入禁止の看板。
林道を奥まで進むと、車のUターン用かやや広くなっている。
車数台ならここに止められそうだが、地元の人の進入禁止の表示は守るべきだろう。
ま、そのへんは自己責任で判断してもらうとして、登山道は斜度を増しながら、
さらに杉林の中を進む。
この道は以前は石段等で整備されていたようだが、土砂崩れに流されたのか、
岩がゴロゴロしている上、それに付いた苔で滑りやすく歩きづらい。
先日からの風邪の影響もあって、かなりしんどい。
鞍居へと続く峠に到着したときは、かなりへとへとになっていた。

この峠からは尾根上を進む。この尾根は先ほどの谷道とは違い歩きやすい。
斜度もなだらかで、いきなり元気を取り戻し、山頂目指して歩いていく。
すると、櫛橋丸跡への分岐が現れた。櫛橋丸への道はかなりの急登である。
このまま巻き道を進むこともできるが、せっかくだからと櫛橋丸方面へ向かう。

櫛橋丸跡は周囲の雑木も少なく、展望が良い。
山頂は雑木に囲まれ展望がほとんど楽しめないので、
この山行中随一(唯一?)の展望ポイントである。
上郡の町並みや、周囲の山並みを楽しんだ後、ちょっと下って、巻き道と合流する。
さらに進むと、突然広々とした二の丸跡に到着し、そこからひと登りで、
ここも広い本丸跡、白旗山山頂に到着した。
山頂には一等三角点と多くのベンチ、山名表示や石碑、
白旗城の歴史や在りし日の白旗城の位置を記した航空写真が掲載された
ガイド板があり、さながら公園のようである。
また、桜の木も何本かあるようで、桜の季節に訪れるのが良さそうだ。
ガイド板によると、白旗城は赤松氏によって1336年に築かれ、
1441年に嘉吉の乱で赤松氏が滅びるまでの100年以上にわたり、赤松氏の本城であった。

下山は、往路を下る。
展望はないが、歴史を感じさせる城跡巡りの山歩きであった。

◆ ◆ ◆

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