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今はパソコンの講師です。このコラムを最初から順番に読んで頂いている読者(毒者)の皆様の中には、執筆者の私が「現在どんな職業に就いているのか?」を疑問に思っている方も多いのではないか?と思っています。
なので、ここで確認させて頂くと、当サイトを開設した当初から、当コラムの執筆時(1999年3月)である現在に至るまで、私はパソコンの講師として活躍(?)しています。
決して、いまだに警備員や熱血インチキ営業マンをしているワケではありましぇん。また、パソコンの講師として、教育の対象としているのは一般の方々ではなくて、CE(カスタマー・エンジニア)さん、みなさんのパソコンが壊れた時に、その修理を等行う方々っていますよね?そういう人達なのです。言ってみればプロに対して教育を行っているワケなのです。えっへん。
(とは言っても、私のレベルなんて全然ですが。)相手がプロだと教える側としても とっても楽ちんなのです。何せそこそこパソコンやOSの事を知っている方々ですから、いちいちマウスの操作方法等を説明する必要なんてありませんし。
瞬間湯沸かし器みたいに気の短い一面を持つ私には、「クリックとは」から始める一般のパソコンセミナーの講師業務など、到底出来るとは思えなません…。
だから、それを平気だと言うアナタはインストラクターの鏡です♪適正もあると思います。
だからメールくださいね。あ、女性の方だけ。
ハケカンとの再会。
52歳になる典型的パソコン音痴管理職の向島さんから電話があった。
「仕事で早急に電子メールを使うので教えて欲しい。部下にも聞きづらい。1万でどうだ?」
クロスワードパズルを解いて、その答えを葉書に書いて編集部に送っちゃうくらい時間に余裕があったので早速行ってみると…予想通り、とてもメール云々のレベルではなかった。
「おお、うえ!久しぶりだな!まぁ遠慮せずに座れや!」
ハゲカンはいつも豪快だ。
ちなみに、彼のあだ名の由来は、彼が禿げているコトと、勤務する土建会社が「関東なんとか株式会社」だから略して「ハゲカン」なのである。けれどね、ハケた人の事を馬鹿にするのは良くないよ。今は髪の毛ふさふさだったとしても、将来にわたって自分がハゲない保証なんてドコにもない。私なんて、ハゲ予備軍だ。また、"ハゲ"っていうネーミングも、差別用語じゃないかなぁ?何か別の呼び方を考えてあげれば良いのに・・・
は、話しを戻そう。
「で、向島さん、メールの何がわからないのです?」
「お、おう。それがな、会社では自分宛のメールは見れるんだけどよぉ、ここでは全然見れねぇ〜んだよ。設定は会社と同じなんだけどよぅ。」
こんな事だろうと思った。会社のネットワーク環境の設定をそのまま自宅に持ち込んで「動かない!ウチのパソコンは壊れているのかぁ〜〜!?買ったばっかりだぞ!」なんて自分の娘が誘拐されたかのように大騒ぎして、サポートセンターをも巻き込んじゃう迷惑ジジイはどこにだっているのである。
「あのう・・・向島さん、会社と自宅とでは環境も違うでしょ?まずは設定を確認しましょうよ。プロバはどこ?」
「あん?ウチは都市ガスだ!」
凄いボケだけれど、初心者の方を馬鹿にする言動は絶対に良くない。ここはガマンだ。
「あの・・・プロパンじゃなくて『プロバ』です、『プ・ロ・バ』。『プロバイダ』の事っす。誰もガスの話しなんてしませんよ。インターネットに繋いだ時に契約したじゃないですか?」
「ああ・・・アレのことか〜〜!いやいや、参ったな〜。」
参ったのはこっちだ。
「で、契約したときに設定値が書かれた表をもらったでしょ?アレ貸してくれます?」
「い、いやぁ・・・・契約してない。」
やはり設定以前の問題だったのだ。
「いや〜〜。わりぃわりぃ。じゃあついでにもう一つ教えてくれや。」
会社ではさんざん、えばりくさっている迷惑おやじも、苦手なコトの前ではすっかり弱気になる。私と一緒だ。
「で、あとは何がわからないんです?」
「おう、それがな、画面に出てくる矢印を端から端まで動かしたいんだけどよぅ、机の面積が足りね〜んだよ。だからってその都度キーボードを動かすのもめんどくせぇだろ?何とかなんねぇのか?」
彼はマウスを一度 持ち上げるという事は一切せずに、マウスが机の隅に来る度に机上のスペースを確保し直していたらしい。
「あ、な〜んだ、そんなコトか。それなら机の側面を使えば良いですよ〜。いやだなぁ、」
「あははぁ。そうかそうか!いや、そうは思ってたんだけどよ〜。」
いやだなぁ…ホントに。
スキルアップのために・・・
ハゲカンとの一件で、とても重要なことに気付いた。どうやら私には、初心者の方の「わからないこと」が、いまひとつ理解できていない。
これはパソコンの講師という業務に携わる者としては大きな欠点だ。たとえ相手はCEでも、中には全くのパソコン初心者の受講者の方だっているのだから。そうだ!パソコンの家庭教師をやってみよう。これなら初心者の方の「わからないコト」も理解できるし、報酬も期待できる。まさに一石二鳥じゃないか♪
インターネット全盛のこの時代。パソコンの家庭教師を募集している企業を探すのに、そう多くの時間はかからない。サーチエンジンで「転職」というキーワードで検索すれば良いだけなのだから。
そこで見つけた「印地木家庭教師センター(もちろん仮名)」は、都内全域に優秀なスタッフ(家庭教師)を派遣しているという。ここに決〜めたっと。
早速、住所・氏名・職歴・得意分野等、必要事項を記載したメールを送信して、面接日の段取りが記載されたメールの返信を待っていたのだけれど、2日後に返信されたメールを要約すると以下のような内容だった。
「うえさんへ。登録が完了しました。家庭教師をお願いする時には連絡しますね♪」
「♪(おんぷ)」は余計なのだけれど、こんなに簡単で良いのだろうか?面接がないから、顔やスキルもわからない、ドコの馬の骨かも分からない人間を「優秀な家庭教師」として派遣してしまうとは、恐るべし家庭教師センターである。
こういういいかげんな会社は、そう長くは続かないに決まっている。
出会いの予感♪
「もしもし。私、印地木家庭教師センターの植木と申しますが。うえさんはいらっしゃいますでしょうか?」
「あ、はい。私ですが。」
「先日はご登録ありがとうございました。早速ですが家庭教師をお願いしたいのですが。」
「はい。どういった案件でしょうか?」
「ええ。実はですね、『かわいいホームページを作りたい』たいというお客様がいるのですが、この方の家庭教師をうえさんにお願いしたいと思いまして。」
おお〜〜〜っ!一発目の仕事からめちゃめちゃツイてるっ!『かわいいホームページを作りたい』なんて、なかなかキュートな事を言うじゃない♪どんな女のコだろう?OL?それとも学生さん?もう何だって良いや♪
教えます、教えますとも。手取り足取り。この家庭教師をきっかけに仲良くなれるかも?必要以上に仲良くなったりして。うへへへへ。「はい!是非、行かせて頂きます!で、どんな方でしょう?」
「行って頂けますか!ありがとうございます。お客様は50代の男性です。」
「げ!」
「は?何かおっしゃいましたか?」
人間、受けたショックがあまりにも大きいと、つい思った事が口に出てしまうのである。
「いえいえ、何でもありません・・・行かせて頂きます。。。」
なんてこった!
神様の悪戯?
「件名:家庭教師の詳細について」
印地木家庭教師センターの植木氏からの早速のメールが届く。
やはり、ちょっぴり憂鬱。
今回のお客様の個人情報をお知らせします。
教えて欲しい事:ホームページ作成
住所:神奈川県川崎市宮前区○○
最寄駅:東急東横線宮前平駅
名前:向島 広一
年齢:52歳
TEL:044−○○○−○○○○尚、当日は時間厳守で・・・・・・・・・
何とびっくり。この個人情報が示したのは、まぎれもなく、あの「ハゲカン」の個人情報そのもの!なんという偶然、これだから世の中って広いんだか狭いんだか分からない。
そういえば、このように神様の悪戯としか思えない偶然は、今までの人生において度々あったのだけど、いずれも私としては関わりたくない偶然ばかりなのは何故だろう?
それにしても、このハゲカン。マウスの操作もおぼつかないくせしやがって、ホームページを作りたいとは・・・それも『かわいいホームページを作りたい』だとぅ!?ふざけやがって!しかもさんざん期待させやがって・・・勘違いしちゃったじゃないか!ふてぇ野郎だ!叩き斬ってやる!!
勝手に期待して、その期待が裏切られて自爆している点については100%私が悪いのだけど、そんな事はどうだって良いのだ。
人間とは、実に都合の良い生き物なのだから。
結局、この家庭教師の話は、お客様がホームページ作成ソフトを持っていなかったという理由で丁重にお断り申し上げました。
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