9.アムウェイ潜入レポート

アムウェイ=マルチ商法・インチキ商法、またはそれに準ずる言葉で誹謗すれば、
「名誉毀損」で有罪になります。(東京地裁が1997年2月28日に出した判決です。)

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アムウェイとは。

ここで言うアムウェイとは「日本Amway」のことで、長野五輪のスポンサーを勤め、株式公開もしている、いわゆるちゃんとした企業です。(本当)

アムウェイAmway)についてご存じなく、なおかつ興味があるという方は、日本AmwayのHPを参照してください。

またアムウェイに関しては肯定的なモノから、マルチ商法扱いした否定的な書籍まで発行されていますので、そちらを参考にするのも面白いでしょう。

アムウェイとの再会。

「ねぇ、うえちゃん。今度の週末空いてるぅ?久々に会いたいのだけど・・・」

専門学校時代に同じクラスだった、田中君からの突然の電話。
さほど仲が良かったワケでもなく、単なる顔見知りの関係であったハズの彼が、なぜか今になって私を「ちゃん」付けで呼ぶのだろう。

経験上、しばらく音沙汰のない友人・知人からの連絡にロク事はないのだ。

「うん、とりあえずは空いていけど・・・何の用?」

「いや、とりあえず久しぶりだし、まずは会いたいんだけど。会ってから話すよ。」

序盤からメチャメチャ怪しいぞぅ。

「そんなんで『はい、そうですね♪』なんて、ホイホイ行けるかっつーの。で、用件は?」

怪しい奴に対する返答は冷たくても良いのだ。

「いやぁ・・・実はさぁ・・・アムウェイって知ってる?」

ほうら、来た。

「ううん。何?アメイ??そんなアフリカの砂漠で ポコチンサックつけて踊ってる部族みたいな名前の奴なんて知らないよ。」

この年でアムウェイを知らないワケないけれどもさ。

「いやいや、アメイじゃなくてアムウェイだよ。AMWAY。それはね・・・・あれこれ・・・あ〜で、こ〜で・・・」

冗談が通じないらしい。

「・・・と、まぁそんあワケで、とにかくアムウェイって凄いんだよ!僕には、仕組みまでは説明できないけど、絶対に損はさせないから!だから一緒に説明を聞きに行こうよ!」

この『損はさせない』という台詞も怪しいもので、今までにこの言葉を信じて、本当に損をしなかった試しは一度だってない。

「うん、わかった。行くよ。」

田中君も、きっと「自分の熱意が通じたんだ!やっぱり良いシステムを誠意をもって相手に伝えれば、きっと相手も分かってくれるんだ!などと、勝手に勘違いしていたかもしれないけれど、これは私にとって、冷やかし以外の何者でもない。

実はこの私も、まだ二十代の頃に、先輩の『損はさせない』という台詞にまんまと引っかかって、いつの間にかアムウェイのディストリビューターになっていた事があるのだ。

もっとも、その商品を使っていただけで、勧誘等は一切行わず、定期的に行われていた会合へのお誘いも丁寧に断り続けていたら、知らないうちにディストリビューターの資格は失効していたけれど。

私の興味は、説明会で行われるで行われるであろう、「デモ」に注がれている。今も昔ながらの「かなり強引」なデモが行われているのだろうか?だ。

興味津々なのである。

デモ=デモンストレーションの略


何の集会ですか?

田中君が運転する車にのって、到着したのは川崎の とある一軒家。説明会はここ「堺さんの家」で開催されるらしい。

何でもこの堺さん、アムウェイの世界でいうダイヤモンド・ディストリビューターという、 名前から察する通りにアムウェイの『成功者』と呼べる人らしい。
けれど、このテの話を聞くと「宗教団体では幹部ってカンジ」という具合に、宗教団体のランクに換算してしまうから不思議だ。

で、アムウェイによる収入で得たであろう、貧乏くさい民家の玄関先停められたフェラーリは回り風景にとけ込めず、何かの間違いで肥溜めに咲いてしまった一輪の薔薇のように浮いていた。

「{ピンポ〜ン}こんばんは〜、田中です。連れてきました〜。」

ん?「連れてきた」だとぅ?失礼な。最初から私をここに連れてくるという打ち合わせでもしてたのだろうか?

「まぁまぁ、いらっしゃい♪」

エジプトのピラミッドの横にある、スフィンクスを思わせる面構えの境夫人。
髪型も後ろからみれば三角形の彼女に案内された居間には、既に20人余りの信者予備軍、じゃあなくて、ゲストが勢揃いしていた。

みんな見た目にも20歳そこそこと若く、田舎から出てきたばかりのような垢抜けない表情で、今にも「東京は怖かとこばい」なんて言い出しかねない人たちばかりだ。

経験上、インチキ英会話の教材セット等を、法外な価格で売りつけられるのは、決まってこういう人たちだ。
営業の業界用語で言う「べろべろ」なのである。

「さぁさぁ、みなさん。ジュースでもどうぞ。」

スフィンクスが運んできたそのジュースは、思った通り何とかいうアムウェイ製品で、飲んだ後に喉が渇く。何故、飲み物を飲んでいるのに喉が渇くのか?理不尽極まりないメビウスの輪みたいなジュースである。

「うえちゃん。説明まで10分くらいあるから、カタログでも見ようか?」

田中君はそう言い放つと、アムウェイ製品の説明をはじめた。それは、これからデモ担当の人が行うべきことであり、2度手間になるので止めた方が良い。
現役バリバリのアムウェニストの彼よりも、何故か私の方がこの後の流れについては詳しい。

しかし、田中君が見せてくれたこのカタログ、これが凄い。

「なになに・・最高級オーデコロン、ん?『ネルシャ』?・・・って、おい!こりゃ詐欺じゃないの?センスない名前だなぁ!ぎゃははは!」

「・・・・・・・・・・」

思ったことを大声で言うのは良くない。

刺すような視線でこちらを睨むオタ風の男。

集会に参加している約半数は信者の方だからである。ギャラリーの支持を得られない発言ほど悲しいものはない。


今も昔も同じデモ「ディッシュドロップ」編。

そんなこんなでデモが始まるのだけれど、この家の家主である境さんは、まだその姿を見せない。そう、デモ= 商品の説明は下っ端の担当する仕事なのである。

「どうも〜。みなさんこんばんわ〜。商品の説明を担当させていただきます、倉田と申します。どうぞ宜しく〜!」

田舎の温泉場のストリップ小屋で、ショーの合間に登場する無名漫才師のような小気味良さで登場したこの男、さっき私を睨んだオタなのである。

「まず、この『ディッシュドロップ』について説明させて頂きます。」

ディッシュドロップとは、アムウェイが誇る台所用合成洗剤。
要するにディッシュドロップと市販の合成洗剤を比べ、アムウェイ製品がいかに優れているかを証明しようという、実に怪しげな実験なのである。

彼は鏡を用意し、そこにサラダ油を数滴、2カ所に分けて垂らす。
そこに水で薄めたディッシュドロップと市販の合成洗剤を垂らす。
指で混ぜて、水で流す。
すると、ディッシュドロップだけはすぐに流れることから、

「この残った洗剤が我々の体内に蓄積されるので〜す。今回は市販の洗剤に花王の・・・あ、花王って言っちゃいけないのかぁ?いっけねぇ〜〜〜。」

全くしらじらしいったらありゃしない。全てがシナリオ通りといった感じ。

「じゃあ、この市販の洗剤を、仮に、花玉(かだま)としましょう。」

さっき、思い切り「花王」って言ってたじゃないか。私は花王の関係者でも何でもないのだけれど、こういった言われ方をされるとカチンときてしまう。

「更にディッシュドロップは、環境にも優しいばかりか、手にとても優しいので〜す。」

「私なんて、石鹸の代わりにディッシュドロップで洗顔する時もあるのよ。それくらいお肌にも優しいの。」

デモに割り込む境夫人。だからあんたはスフィンクスみたいになっちゃうんだ。

ちなみに、ディッシュドロップが「環境に優しい」等というのは嘘じゃあないだろうか?
界面活性剤が混入された合成洗剤である以上、環境への生分解性が良いワケがない。なにしろ「普通の洗剤」と同じなのだから。
本気で環境問題に取り組むのなら、脂肪酸ナトリウム系の「せっけん」を使うべきである。その点ではシャボン玉石鹸さまは偉い。

こんなインチキくさいデモなのだけれど、回りのゲストはというと、口を半開きにして「す、すごい!」だって。やっぱり「べろべろ」なのである。

「何か質問はありませんか?何でも良いですよ!」

玄関先のフェラーリのように自信満々の倉田くん。こういうバカを見ていると、何とかヘコましてやりたくなるのが私の性分である。

「はい、は〜い。」

「はい、質問ですか?え〜と・・・」

「うえです。」

「はい、ではうえくん。」

「気安く呼ばないでください。」

「す、すみません。それではうえさん。何でしょう?」

「では質問します。今のデモの意味は、ディッシュドロップの優秀性を示す実験ではなくて『市販の洗剤は水で薄めて使え』という教訓なのですよね?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

市販の台所用洗剤を水で薄めて使用しても、上記の実験でディッシュドロップが示した効果と、全く同様の結果が得られるのである。


今も昔も同じデモ 「鍋」編。

更に、オタによるデモは続くのだけれど、彼はどうやら、私を要注意人物と位置づけたらしく、私と目を合わそうとしてくれない。

「え〜この鍋は〜、熱伝導に優れたアルミ鍋で〜」

「あ、その鍋より良い製品が、イトーヨーカ堂で売ってたなぁ。半額以下で」

「し、しかし、この鍋は電磁調理器に対応してまして・・・」

「そんなの、どこの家庭に行ってもありゃしないって。」

「し、しかし、この鍋セットがあれば、炊飯器もオーブンも必要ありませんよ!」

「そんな生活メンドくさいだけです。」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

もはやペースはこちらのもの。
ギャラリーの皆様も私のキャラクターを理解して頂けたご様子で、

「そうだ、そうだ!うえさんの言うとおりだ!」

などと加勢してくれたりして。

あ、念の為に言っておきますが、この鍋、モノとしては良いと思います。問題は売り方。


おやつの代わり?「健康食品」編。

オタッキーの倉田くんによるデモが終わると、ゲストに対してサプリメントが振る舞われるのだけれど、これまた「迷惑」以外の何ものでもない。とにかく、まずいのだから。

例えば、このプロテインの粉末は混じりっ気なしの「畑のステーキ=大豆」100%で出来ているらしい。

そう言えば、ここの人達はこの「混じりっ気なし(不純物ゼロ)」という言葉が大好きで、シャンプーも洗顔フォームも洗剤も「混じりっ気なし」だそうである。思い切り「合成」って書いてあるのに。

また、その生産工程は凝りに凝っており、植物の成長に不可欠な「水」ひとつとっても、何とミネラルウォーターを散布しているらしい。
このように本当か嘘か、確かめようのない事を堂々とと言い放つのも、この教団…じゃなくて、団体の大きな特徴のひとつだろう。

しかし、食品である以上、その「味」は気になるところ。
以下は「私なり」の感想である。

・プロテイン(蛋白質)
とにかく粉っぽい。いつまでも口に残る。口に残った規定量のプロテインを胃に流しこむには、相当な量の牛乳が必要になる。
この牛乳だけで、成人男子の1日に必要な蛋白質は、充分に補えると思う。

・食物繊維
柔らかくて、不思議な甘みをもつ「軽石」を食べているようだった。

・カルシウム
なぜか強烈なミント味。歯磨き粉の固まりといった感じ。賞味期限切れの酸味が増したヨーグルトは平気な私も、これは食えなかった。

こんなモノを平気な顔して食べちゃうアムウェイの人たちは、やっぱり健康なんだろうなぁ。


真打ち登場!

商品の優秀性を示した後には、アムウェイビジネスの収入のしくみについて解説し、クロージング(当時は\8000円の金銭提示)を行い、顧客をメンバーにする。

営業の世界でも当たり前の流れだ。
そして、このクロージングを行うのが、真打ち「境さん」である。

口髭を生やし、元プロレスラーの馳 浩似の彼は、ワイルドさの中にも聡明さがあり、話し方も丁寧かつ明確で、さっきのオタとは大違いなのである。
ユーモアもあり、誰からも好かれそうなタイプのお人。出会った場所がこんなところじゃなければ、きっと良い仲間になれたに違いない。

説明用のホワイトボードと水性ペンを持って現れた彼が、ゲストに対して、最初に発した言葉が、

「みなさん!男ならフェラーリに乗ってみたくないですか?」

普段、彼らが行っている、シナリオ通りのデモの後だったら、

「の、乗ってみたいっす!」

といった、肯定的な意見が多かったはずなのだろうけど、さすがに今回はいつもと勝手が違う。

「私ぃ、女ですけどぉ。」

「免許持ってませ〜〜ん。」

「別に乗りたかないで〜す。」

既に会場の雰囲気は変わってしまっていたのである。
あんな怪しげなデモの後では当然だと思うのだけれど、私は悪くないよね?

きっと境氏にとっては、拷問のような時間だったに違いない。
ゲストは全く聞く耳を持っていないのだから。

しかし、それでも彼はクロージングを続ける。見上げた根性である。このまま左官屋にしておくのはもったいないくらい。

「まず、アムウェイがネズミ講と異なるのは〜、ディストリビューターを何人勧誘しても、それだけは全く収入にはならないという点で〜」

「アムウェイの流通は、工場と消費者の間に商社などを通しません。これを中間流通マージンが・・・・なんたら、かんたら・・・・」

確かにその通り!といった内容が続く。

しかし、なぜフェラーリが買えてしまうような収入が得られるのだろう?誰もが疑問に感じる「ボーナス」の仕組みについての解説の時、悲劇は起こった。

境氏は、アムウェイの商品を100として、その何%が原価で、ディストリビューターの仕入れ価格がいくらで・・・
という内訳を、円グラフにして解説するのだけれど、そこで、今まで一言も発言しなかったゲストの1人が、円グラフの約1/4の部分を見つめて、

「あ〜〜〜!それが例の『上納金』なのですね。う〜ん、納得、納得。」

何とも的を射て、貫通させちゃった級の破壊力のある発言。続けて、

「と、いう事は、単純に商品の販売だけでは、まったく儲からないワケですね?子供をドブネズミのように、増やしまくることで収入が増えるのですね。あ、でも確かに合法と言えば合法!これ、ドブネズミ講ではないようですね。う〜ん、納得、納得。」

「ドブ」は余計なのだけど、さっきまで黙っていたのがウソのように喋りだす彼。

こうなっちゃうと、この後に境氏が何を言っても駄目駄目。後の祭りなのである。

彼にとって、この日の説明会はしばらくの間、脳裏から離れない出来事であったに違いない。

結局、その日は誰も、ディストリビューターにはならなかった。

「さて、帰るか。田中君、帰りも車で送ってくれるんでしょ?」

「ごめん・・・このあと反省会なんだ・・・・」

あらら。反省会とは、こりゃまたキビしい。

デモを担当したオタッキーは、今頃、境氏にボッコボコにされているのだろうか。

更にはプロレス技であるジャンアントスイングをかけられて、その回転数をまわりのディストリビューターに「い〜ち・に〜い」と数えられているのだろうか?

川崎駅までの道のりは遠いけれど、このようにくだらない事を想像し、一人でくすくす笑いながら歩いていると、思ったより早く目的地に到着してしまうから不思議だ。
他人様から見れば、不気味だとは思うけど。


編集後記

2011年11月某日

仕事の都合でアムウェイ本社前を通りかかったのですが、綺麗で立派な建物でした。
ただ…ランクの高いディストリビューターを社員さんと思われる多くの方々が見送る光景を見て…凄いなと思いました。^^;

あと、ヤフオクでアムウェイ製品を売る人達が多いのは理解できますが、一部の楽天ショップでも売られているのにはビックリですね。これって今では普通の事なのですね。

この「アムウェイ潜入レポート」はフィクションだと思って頂いて結構です。アムウェイもインチキ会社ではありません。
でも、このページが10年以上経過した今でも、掲示板等で直接紹介されているのはビックリでした。
ご紹介下さった皆様、本当に有難うございます。
管理人は現在、通販日記くらいしか頻繁に更新している読み物はありませんが、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

読みもの系、面白いテキストがお好きな皆様に



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