|
いろんな商売があるものです。
カルカッタの路上、ビニールゴザの上に積まれていたのは「使用済みの手術用手袋」。私はそのラテックスの山にしばし呆然としました。売っていたのはおそらく十代の少年です。きっと病院のゴミから拾ってきたのでしょう。無気味といえば無気味ですが、なにしろここはカルカッタ。なんでもありの街なのです。一体誰が何のために使うのか、私が見ている間にはひとつも売れていませんでした。
カトマンドゥの町角では「体重量り」を見かけました。歩道の上におじいさんがひとり、家庭用の体重計を前にぽつんと座っているだけです。こんな簡単な商売もちょっとないでしょうね。ところで私は、体重計を目にすると、もう、乗ってみたくて自制が効かなくなる性分なのです。
ところが、量るだけではサービスが足りないというプライドなのでしょうか、そのおじいさんは目盛りを大声で読み上げてくれるのです。たとえば(たとえばですよ)45kgだとする。するとやおら大声で「フォーティーファーイブ!!」と、叫んでくれるのです。ああ、びっくりした。ネパールの澄んだ空に響きわたる私の体重。いくらなんでもこれって過剰サービスですよねえ。ちなみに値段は1ルピー。(2円)
|