読書と豊かな人間性

<設題>
学校図書館における子どもの「読書と豊かな人間性」という視点に基づき、現状と今後の運営についてあなたの考えを述べて下さい。(学校図書館法の改正、「子どもの読書推進法」、「子ども読書の日」などの法律の背景についてもふれて下さい。)

 現代の日本では、子供たちの読書離れ、文字離れによる思考力の低下が叫ばれており、少年犯罪も後を絶たない。心豊かに人生を生きる力が今求められている。それには読書が有効である。読書は、人生をよりいきいきと生きるための心の糧となり、その人間性を豊かに育てるものである。読書によって情報は収集され、知識として蓄積され、表現され、伝達される。それは人間にとって必要なすべての基礎能力の発達を促す。また、物語を読むことによって、人間の感情的な人格形成も行われる。特に子どもたちの成長にとっては、感情豊かな感受性を持つ人間形成が大切である。子どもたちの読書離れは、個人的、家庭的、社会的、学校教育的な要因が複合して起こっていると考えられる。今の子どもたちは体を使うことが少なく、頭の思考に活動が偏りがちである。子どもたちを感情豊かな心に育てるには、身体全体の感覚をバランスよく育て、思考に変えることである。発展途上の子どもたちの心には、読書とともに、経験や体験も必要である。また、現代の氾濫した情報の中では、自分で必要な情報を選択し、利用する能力が求められる。子どもたちが自分で考え、判断し、選択し、しっかりと自己を築きあげる力を育てるように手助けするのが、適切な読書指導である。
 学校図書館は、毎日学校に通う学齢期の子どもにとって、身近な存在である。学校図書館からのアプローチは非常に有効といえる。しかし、現段階で学校図書館はその機能を果たしているとはいえない。
1953年に制定された学校教育法は、第5条で「学校に司書教諭を置かなければならない」としたものの、第5条付則の2で「当分の間置かないことができる」としたために、学校図書館には学校図書館司書教諭が配置されず、現在までその状態が続いている。1997年の改正で、専門職としての学校図書館司書教諭が、平成15年4月1日から学校図書館に置かれることになった。しかし、学校の規模によっては、まだ置かれない学校もある。専門の学校図書館司書教諭がいて
も、その教諭が専任として学校図書館に配置されるのか、別に選任の図書館担当者が置かれるかどうか。学校図書館の専任担当者の待遇はどうなるのか。といった課題も残されている。
最近の動きとしては、1992年に文部省の学校方針として「課題学習」、「調べ学習」といった「考える学習」の必要性が出された。それを受けて、子ども自身が考え、まとめ、発表するために、学校図書館の充実が必要とされた。1993年からは「学校図書館整備5カ年計画」で、図書資料整備のための予算が講じられ、2002年度からも5年間で総額650億円が措置されることとなった。2001年12月には、子どもの読書活動を国を挙げて支援するため、「子どもの読書活動推進に関する法律」が公布、施行された。この法律は、子どもの読書活動についての施策を国や地方公共団体に義務付けることや、事業者や保護者も関心を持って環境整備に努めることなどを成
文化したもので、「子ども読書の日」を4月23日と定めている。このように、現在では子どもの読書活動は、学校教育的、社会的にも注目されてきている。
今後の運営については、専門の学校図書館担当者が配置されたならば、運営方針を立て、長期・短期の目標を設定し、年間の活動計画を立て、適切な予算が執行されなければならない。設備面では、カウンターや書架を子どもたちが使いやすく工夫する(主題別の配架、見出し、ふりがな、新刊紹介コーナー、別置、ストックルーム等)。貸し出し・返却の方法も簡便なものにする。資料の選定も、幅広い視野を持ち、子どもたちが興味を持っている分野(マンガやYA等)にも関心を持って、子どもたちと一緒に選ぶ。予約・リクエスト、レファレンスなどのサービスも行う。
また、子どもたちが読書へ関心を持つような働きかけも必要である。フロアワークはひとりひとりの子どもと接することができ、意思の疎通に役立つ。読み聞かせやブックトーク、ストーリーテリング等は、読書の楽しさを知らせ、導入するのに最適である。紙芝居や影絵、人形劇、科学遊び等の企画も効果的である。サイン活動(チラシの手渡し、リストアップを作って貼り出す、ブックリストの作成・展示等)は学校図書館の本に関する情報を知らせ、本への興味を引くこともできる。子どもの図書係は、子どもの感覚を生かした図書館作りができ、「自分たちの図書館」という意識を作ることができる。
それから、学校の管理職や校長や他の先生達、PTA、学校外の地域の図書館等との交流や連携を深め、サービスを進めることも重要である。特に地域の図書館は子どもたちが生涯使用する施設となるようつなげていきたい。読書はとても楽しい作業であること、図書館はゆったりと本を楽し
む場所であることを忘れずに運営していくことを心がけたい。

<成績>
合格
<概評>

概評 評価
設題の理解 A
教材の理解 A
考察力  
文章表現力 C
論文の構成  
基礎の理解  
要約力  
論旨の明確性  
条文の明示  
用語使用方法  
誤字・脱字  
訳語・訳文の研究  
公式の理解  
資料・参考書研究 A


<先生からの講評>
内容はよくまとめられています。「まとめられている」と表現するのは、あなたの言葉や考え方が「述べられていない」のです。テキストや参考書をきちんとまとめられているレポートです。
 本来の設題は、「まとめる」ことではありませんが、内容的にまちがっていませんので合格にしました。もう少し、自分の考え、具体的な事柄が述べられるとよかったと思います。

<私の感想>
設題は「あなたの考えを述べてください」だったんですね〜。
よく把握していなかったんです。一生懸命まとめていました。(^_^;)
子どもの通ってる小学校の活動例とか、こんな活動も出来るといったことも書くとよかったなあ。