No.57

いやあ、もう、参っちまいましたよ。駅前に山野楽器ができちゃった。

渋谷に出ないとCDの大量買いができない、というのが、今まで幾らかの歯止めになっていたんですけどね、ついに地元にも好みのジャンルのCDを取りあえず揃えた店が発生した訳です。すぐに行って、あるったけのギドン・クレーメルを買っちゃいました(あの音が好きで)。輸入版を扱っていないのだけが救いだ。気張って働かんと。

では参りませう、ひと月ぶりの『文句』でございます


Date: Tue, 19 Sep 2000 04:57:38 +0900
From: FUNADA IKUTO
Subject: 食事はお上品にしませう

船田でございます

20万円のCDプレイヤーはDENONの物でしたが、重りを載せるのは多分SONYのプレイヤーだと思います。そういう方式はあの会社しかやっていないのです。

今日、電話がかかってきました。親友です。「精神病院に入院してしまった」
そう言っていました。それは一体と私は尋ねました。「病院に行って担当医に「殺してくれ!」と何度も叫んだら、横にされて点滴と注射を打たれ、気付いたら精神病院だった・・・」でも任意入院だそうです。
彼は勤務していた会社の仕事が無くなり、何か悩んでいる様子で私は無難な医師を紹介してあげていました。これは突然のことだったそうです。
一種の発狂というものですね。
「退院したら旅行しましょう」
と電話を切りました。

それはそうと、私、文学賞応募経験があります。いまはなき「海燕」でした。吉本ばななを大層好きだった時期があり、OASYS100Fで適当に50枚書いて送りました。懐かしい数年前の話です。数年経って読んだら修正したくなり、少し直してしまいました。ミスが多かった。
フリーライターとしては実務経験もあります。正直に思った感想は、「フリーライターなんて、ちょろいぜ」でした。
純文学こそが本流という考えになっていた私は、私には雑文書きは許せないという思いがあり、フリーライターはやめました。裏側をみて、いかに本が粗雑につくられているかをみてしまって、私はとても傷つきました。それ以来また純文学回帰しました。昨今、推理小説がとても流行りましたが、それでも食欲がありませんでした。
もちろん、上手い方もフリーライターでいらっしゃいますがそれは少ないです。
雑誌は雑誌でしかないんですね。ムックも一部は品質が悪い。

偏頭痛がしてきましたので、この辺で。
日本はどうして本物が少ないのでしょう・・・・・。

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☆船田生人(FUNADA Ikuto)
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日本で本物なのはサブカルチャーだけなのでは?
それも最近は怪しい気がするけど。


From: "matori"
Subject: 初めまして。文句ではございません(_ _)。
Date: Tue, 19 Sep 2000 23:51:05 +0900

 こんばんは、大蟻食さま。
 わたしは雑誌に載った『バルタザールの遍歴』を読んだ瞬間から、大蟻食さまの僕として読者人生を送って来ました。
 (ちなみにエッセイも好きですが短編のアンソロジーがもっと出ないかな、と思っております。いつぞやの、アスパラガスのエッチくさい話などはどうなっちゃったんですか?)

 ところで今回メール差し上げたのは、実に心からの御礼を申し上げたかったからです。わたし、思うところありまして、もう4,5年前よりヴァイオリンをかじっておりました。小学生の時からの夢でした。(いくつで始めたのかは言うますまい)。 どこで、どうやって、誰に習い始めたかのいきさつはどうあれ、その後筆舌に尽くしがたい、もう本人以外にはどう言ったって「いろいろあってね」という人間関係に苦しんで、ここ3年ほど楽器を触ると喘息の発作が出るほどだったのです。

 最近は神経科にも通い始め、そろそろ楽器ケースを…、でももうこんなにブランク開いちゃったし、初心者なのにブランク開いちゃったし…と逡巡しております時に、久しぶりに除いた大蟻食さまのサイトで「f字孔の迷宮」を目にしたのです。 「そっか、大丈夫だよね。わたしだって、習いはじめのころは「1000本ボウイング」を実践して仲間を恐れ入らせた練習中毒なんだし。まだまだこれから。」

 何といいますか、久しぶりにこのような気持ちになれました。本筋とは全然関係ないかも知れませんが、どうしても御礼申し上げたくてメールしたためました。お馬鹿な中年ちゃんがここにも一人、とお笑いくださいませ。

 ちなみにわたしの夢は、サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」やらグラズノフのヴァイオリンコンツェルトやら、ヴィニャエフスキーの2番コンツェルトやら、例に漏れずバッハの「シャコンヌ」やら、言うだけならロハ、状態です。

 それでは、また次のf字孔と、次の小説をお待ち申し上げております。

 かしこ。

 
 ええと、名前を名乗らねばならないのですね。本名は中塚美佐子と申しますが、もしも載っちゃうようなことがありましたら、「まとり」というハンドルを使ってくださいませ。もしかしたら「あ、あいつ気ぃ狂った挙句ここにいたわ」という友人と連絡がとれるやも知れませんので。


それは松脂アレルギーというやつですね。私もものによっては出ます。ラーセンの真っ赤な松脂、綺麗で好きなのですが、これを使うとてきめんに目がしくしくして耳が痒くなります。アレルギーの人むけの松脂の筈なんですけど。取りあえず今はベルナデルにしています。ちょっと先行きが怖いです。

しかし千本ボウイングはすごい。私はセヴシックのボウイング本、一日に二十コマしかやらないです。地獄のようにつまらない代物ですが(でもスケールよりはまし)、ほんとに毎日二十コマづつ(しかもリピートなし。カール・フレッシュ大先生が、音楽性が破壊されるからスケール込みで一日一時間以上やるなとおっしゃるからですが)こなしていたら、あら、いつの間にかひと弓八連続スタッカートが楽々できちゃうわ。結構安直に効くもんですねえ。

シャコンヌはお約束だし、ヴィニャエフスキーの二番という人も結構いますが、サン=サーンスという方はあまりいないかもしれません。確かに、いいよねえ。バルトークの無伴奏ソナタってのも悪くないかなと思うのですが、これはそれこそ、言う人いないですね。


Date: Fri, 22 Sep 2000 23:13:09 +0900
Subject: はじめまして。
From: zanzjbar

佐藤亜紀様

「バルタザールの遍歴」を文庫で読んであまりの面白さに三日間のあいだ暇さえ在れば、仕事中も更衣室で読みふけるなどといった羽目になり、今やハードカバーも買うようになりました。貧乏人の私には珍しい事です。

いきなり新潮文庫の棚から本が消えたのでどうして?と思っていたら「噂の真相」でいきなりの絶版になったその訳を読み、ショックだったんでした。そんなわけで、四谷ラウンドの三冊を読みつつ、「鏡の影」もさらに買って読んだところ、やっぱり面白い。「1809」も面白い。なにしろ、かっこよくて面白いんだもの。
他の人はどうなのか分からないんですが、頭の中にいきなりスクリーンがどーんと出てきて自分のためだけに映画上映されたみたいにダイレクトに映像がでてくれば、この作品、文句無しというのが自分の面白い本の基準だったんですが、まさにそのとおりだったんです。

博覧強記なんだもんなー。私事ですが乗馬を高校生の頃からやっているのですが、馬場馬術のレッスンを受けている私が、ちゃんと納得して読めるのですからねー。おまけにヨーロッパと来ると、そりゃーもうたまりませんてば。

二年前からチェロを習い始めてからは、ついつい他のストリングスも気になるし、ヴァイオリンの練習が一日4時間などときいては、ますます凄いお方だと感心することしきり。
やっぱり音を覚えるのが第一ですわ。ボウイングもしんどいですけれど。チェロって練習していると背中が痛くなってくるんですけれど、これはいいことらしいんです。(と先生はおっしゃってたんですが。)ヴァイオリンはどうなんてしょうね。肩凝りの心配ないですかね。私はチェロの練習はそれこそ1時間が限度です。小学校一年の時に強制的に受けたピアノのレッスンでは5年もやってバイエルどまりだったくせに、チェロは自分から練習するんだから、人間変われば変わるもんです。

それでは、すっかり朝晩しのぎやすくなって秋雨も降る今日この頃、お体大切に。「バルタザールの遍歴」復刊愉しみにしていますね。

September 22, 2000 吉田早苗


お褒めいただいてありがとうございます。この間、久々に馬に乗りに行ったら、そもそも、鐙に足をかけてひょいと乗る、というのができなくなっていて往生いたしました。いかんな、もう一揉みしないと。

ヴァイオリンはまず、二の腕が凝ります。背中も凝ります。これは別にいいらしいのですが、肩が痛い、手首が痛い、指が痛い(左手の第二指骨)、顎が痛いというのは、いかにも故障が怖くて拙い気がします。不安に思って、音楽家を専門に治療している整形外科医の本を取り寄せたのですが、ページを一目見るなり震え上がり、以来、読んでおりません。指の背を切り裂いて靭帯の代わりに針金入れるとか、骨に螺子で止めつけるとか言う手術系の処置ばっか。あれを見た日は手首と指がまじに痛い気がして練習できませんでした。ああ、恐ろしい。

ちなみに、筋肉の凝りには水泳が効きます。ただ、四時間弾いて、それから水泳に行ったら一日潰れちゃうのが難です。さらに晩にチェス打ってたら、こりゃもうまるで仕事になりません。


Date: Sat, 23 Sep 2000 13:01:56 +0900
Subject: 鏡の影、買いました。
From: nab

前々々回投稿させていただいた渡部です。
鏡の影、ネット通販でやっと手に入れました。ぬらぬら赤い表紙、かっこいいですね。でも、オビの文句が少し気になりました。「見えない力で絶版にされた文壇・出版業界騒然の問題作を完全復刊」。うーん、目を引くかもしれないけど、こういうあおりはこの本には合わない・必要ないんじゃないかと思いました。少しでも佐藤さんの本に出会う人が増えるのは嬉しいですが、本の内容とこの世俗的なあおりはミスマッチな感じで。いつも本を買うと帯も付けたまま保管してますが、これは外してしまいました。
読んでいる間中、ヨハネスはショーン・コネリー、シュピーゲルグランツはクリスチャン・スレーターのキャストで頭の中をぐるぐる回っておりました。フィヒテンガウアーはなぜか内藤剛。最後まで息もつかずに読み終えました。読み終えるのがもったいなかった。

最近、ポール・オースターにはまりました。これまでアメリカの現代作家はカート・ヴォネガット・Jrかオーソン・スコット・カードのSF位しか読んでなかったのですが、乾いた雰囲気と救いのない感じがしっくりきて買いあさっています。あと、今さらバスフィッシングにはまってしまい、ついにヘンリー・D・ソローまで読み出してしまいました。何事も形から。ああ、アブガルシアのリール欲しい。

とりとめのないことをうだうだと失礼しました。次のご本もぬらぬらした表紙にして下さい。では。

ーー 渡部昇


ああいう形でなければ出なかったのは、正直なところ、ちょっと悲しいのですが、それで何だか人生の方が面白くなってきたのはお得だったなと思う今日この頃です。世間って結構愉快だと思う今日この頃。帯は、嫌いなら外しちゃって下さい。

個人的な感触からすれば、現役で面白い作家はアメリカとイギリスに集中しているのではないかと。実はスティーヴン・ミルハウザーが好きです。リチャード・パワーズの続刊にも期待しています。単純に面白い小説を期待するむきは失望するみたいではありますが、通を自任する読者にはたまらない逸品ではあります。

日本の作家も、みんな、もっと頑張んなきゃ駄目よ。もっとも、朝/読の夕刊小説対決高橋源一郎対奥泉光は結構楽しいですけど。奥泉氏スタートで得点を稼ぐものの(或いはあれは、高橋氏がもたついただけか)、最近はやや高橋氏ややリードか。頑張れ奥泉。


Date: Mon, 25 Sep 2000 10:56:44 +0900
Subject: 秋ですな
From: "sait"

こんにちは。sait斉藤です。
人生を温泉場で浪費しております。世の中を湯気を透かして見る毎日。久しぶりにページを拝見いたしました。お元気そうでうれしゅうございます。保坂和志さんとの対談(かな?)はいかがでしたか。私かなり好きなんです、保坂さんの小説。大蟻食さんと保坂さんが話す光景って、想像つかないですね。とてもおもしろく、且つどっと疲れそう。楽しみです。

sait


保坂氏、訥々と話すいい人でございました。もっとも、懸念した通り、言葉はやや通じにくかったです。まあしょうがないか。私、早口だしな。


From: 藤岡栄司
Subject: 1809 の感想文
Date: Fri, 29 Sep 2000 15:58:59 +0900

佐藤先生、始めまして。 私は、広島県の藤岡栄司といいます。 職業は、来年公務員になります。 昨夜、「1809」を徹夜で読みました。 感想・・・・ 中学生の時読んだ Alexandre Dumas 1802−1870 作 >生島遼一 訳    岩波文庫 の「三銃士」と同じ興奮を覚えました。 主人公と、フロリーの決闘が印象に残っています。 再読して、また感想文書きます。  


徹夜というのは、書き手にとっては至上の褒め言葉ではないかと思います。

感想、お待ちしております。


Date: Wed, 04 Oct 2000 14:11:48 +0900
Subject: ちょっとお知らせ
From: Hisayo OGUSHI

大蟻食さま、こんにちは。ご無沙汰しております。大串尚代と申します。

お元気でいらっしゃいますでしょうか。今遅ればせながら『鏡の影』に取り組んでいる最中です。

文句ではなくてお知らせなんですがよろしいでしょうか。こーいう宣伝はだめじゃ! という場合は私信扱いにしてください。

さて、私こと二ヶ月ほど前からネットで書評のサイトCafe Panic Americana Book Review (CPABR)を開設いたしました。一応編集長っつーことなんですが。

で、そのサイトも先日なんとか第二回更新をはたしました。今回の目玉はなんといってもあのSF作家野阿梓氏による、大蟻食さまの『1809』の書評です。機会があればぜひご高覧ください。

URLは http://www.flet.keio.ac.jp/~pcres/です。

ええっと、今のところこちらのサイトからから大蟻食さまのサイトへはリンクは張っていないのですが、もしよろしければリンクを張らせてもらってもよろしいでしょうか。よろしくお願いします。

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大串尚代
慶應義塾大学文学部


これがまた、作者感涙ものの大書評でございましてね。付記の方もご覧下さい。
こういうのも、人生が面白くなっちゃった理由のひとつ。

という訳でした。続きはまた明日。


2000.10.23
大蟻食