インモータルズ -神々の戦い-
- Aloysius' Rating:  6/10
2011年 アメリカ 111分
監督:ターセム・シン・ダンドワール
出演:ヘンリー・カヴィル、ミッキー・ローク、スティーヴン・ドーフ、フリーダ・ピント、ルーク・エヴァンス、ジョン・ハート


紀元前1228年、いわゆるヒュペリオンとはまったく関係のない、察するに蛮族の王であるところのハイペリオンが強大な軍勢を率いてギリシアに現われ、タルタロス山の地下深くに閉じ込められたティタン族を解放するためにエピロスの弓を探すが、その所在を知るはずの巫女パイドラの所在がわからず、たまたま襲った村では武芸に抜きん出た農夫テセウスの怒りを買い、そのテセウスはハイペリオンによって塩鉱に送られ、ハイペリオンに捕えられたパイドラは奴隷労働に疲れたテセウスと出会って未来を知り、テセウスとともにハイペリオンの手から逃れ、テセウスはハイペリオンが送った追手を倒すとエピロスの弓を見つけてタルタロス山にこもるギリシア勢の陣屋へ急ぎ、そこへハイペリオンの軍勢が襲いかかり、テセウスからエピロスの弓を奪ったハイペリオンはティタン族を解放し、地上ではギリシア勢はハイペリオンの軍勢とぶつかり、地下では神々がティタン族を戦う。テセウスを導くゼウスの仮の姿がジョン・ハート、ヘンリー・カヴィルのテセウスは見栄えがよく、ミッキー・ロークは蛮族ぶりがよく似合っている。紀元前1228年というこまかい割には意味不明の年代設定と神殿のシャンデリアに並ぶ無数のロウソクには首をひねった(なかったわけではないだろうけど)。監督は 『ザ・セル』『落下の王国』 のターセム・シンなので、独特のイメージが優先し、画面もまたそのようにデザインされていて、そのデザインがときどき目を引き寄せるものの、仕上がりは例によって、きわめて洗練されたCMに近い。石岡瑛子の衣装デザインも同様に洗練されているが、よく見ると甲冑が革だったり、という具合で、リアリティには基本的に背を向けている。というわけで神々が妙にストイックに描かれていることも含めて神話時代のギリシアにはあまり見えないが(登場人物の名前もいいかげん)、これまでに見たターセム・シンの作品のなかでは構造的にいちおうの強度があり、戦闘シーンの殺陣などはしっかりとしていて、それなりの見ごたえはある。

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