ゴジラ Final Wars
- Aloysius' Rating:  3/10
2004年 日本 125分
監督:北村龍平
出演:松岡昌宏、菊川怜、宝田明、ケイン・コスギ、水野真紀、北村一輝、ドン・フライ、佐原健二、伊武雅刀、泉谷しげる


世界各地に出現した怪獣をX星人の宇宙船が吸い上げ、X星人は友好的な態度で人類を支配しようとたくらむが、あっという間に正体を暴かれてしまうので、今度は吸い上げた怪獣を地上に放って人類文明の抹殺をたくらみ、地球防衛軍は怪獣やX星人との戦いで壊滅し、わずかに生き残った轟天号が南極へ飛んで凍結状態のゴジラを解放すると、解放されたゴジラは怪獣と戦い、次々と倒される怪獣を見てX星人の統制官がくやしがり、そこへ轟天号がドリルの舳先をX星人の宇宙船に突き立てる。まず、わたしはそもそも着ぐるみ系(その方面の人々はあれはぬいぐるみと呼ぶらしいが、ぬいぐるみというのはわたしにとっては完全な別物である)が好きではないし、60年代から東宝が製作してきた怪獣バトルロワイヤルものにも格別の関心がない。だったらなぜ見たのか、という話になるのだが、それはつまり、関心のない領域であってもたまにつついてみたくなるからである。さしあたり現時点におけるゴジラシリーズ最終作ということで、過去の作品を俯瞰するオープニングはそれほど悪くないのではないか、と思ったが、ミニチュアの水準の低さ、というよりも撮り方のまずさがその時点で目についていて、そこへおそろしく不格好で枢軸国の悪夢のようなぺらぺらの制服を着た地球防衛軍がしゃちほこばって登場すると、そこから先は造形面での目をおおうような惨状しか目に入らなくなってくる。だから怪獣がどたばたと暴れている場面は、それ自体の仕上がりとは無関係に救いであった。怪獣がどたばたしているこちらでは人間が延々とどたばたする集中力のない構成、頭の悪いダイアログ、学芸会以前の演技、脳味噌の存在を疑いたくなる想像力、それにもかかわらず作っているほうは自信満々、とほかにもいろいろと際立ったところの多い作品だが、もしかしたら、これはつまり北村龍平の個性全開ということになるのではあるまいか。

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