アリス・イン・ワンダーランド
- Aloysius' Rating:  6/10
2010年 アメリカ 108分
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ、ミア・ワシコウスカ、クリスピン・グローヴァー、マット・ルーカス、アラン・リックマン


19歳になったアリスが見栄えのしない求婚者の前から逃げ出して穴に落ち、戦士となってジャバーウォッキーと戦い、赤の女王の圧制を倒す。テニエルの絵にきわめて近いキャラクターの造形はなかなかに好ましいものの、もともとそこにあったナンセンスはどこかへ消えて想像力に乏しい社会性に支配されている。原典との関係を問いただすつもりはあまりないが、気違い帽子屋がまったく気違いではなかったり、ヤマネが寝ていなかったりするのは一種のルール違反であろう。そしてヒロインが最後になって成長し、それでもまだ足りないと考えたのか、ごていねいに船出もする。なんでもかんでもいちいち成長させなくてもできることはいろいろあるはずだと考えるのはおそらくわたしだけではないだろう。イモムシの声をアラン・リックマンがしているが、あまり効果は上げていない。なぜかジャバーウォッキーにも台詞があって、それをクリストファー・リーが担当しているが、これにも意味があったとは思えない。ジャブジャブ鳥は悪くないが、バンダースナッチってあれでいいのか? アン・ハサウェイがなかなか不気味であった。

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