裂けた鉤十字/ローマの虐殺
- Aloysius' Rating:  6/10
1973年 イタリア/フランス 107分
監督:ジョルジ・パン・コスマトス
出演:リチャード・バートン、マルチェロ・マストロヤンニ、レオ・マッカーン、ジョン・スタイナー、ロバート・ハリス


1944年のローマ。連合軍がすでにアンツィオに上陸し、ローマ解放が間近に迫っていたころ、パルチザンがローマ市内で爆弾を使って親衛隊兵士三十人ほどを殺害する。この惨状を見たドイツ側の将軍は犠牲者一人に対して五十人のイタリア人を報復として処刑すべきだと主張するが、親衛隊のカプラー大佐はこれに反対し、ベルリンも大佐の意見を入れて処刑に反対する。しかしこれに釈然としない将軍はベルリンを口説いて犠牲者一人に対して十人を処刑する線で話をまとめ、時間制限付きの命令を受けたカプラー大佐は死刑囚などから対象者を選抜しようと試みるが、三百人を超えるリストを作るのはなかなかに容易なことではない。しかもそこへドイツ側の計画を知ったアントネリ神父が現われてカプラー大佐の良心に訴え、カプラー大佐の同僚も問題を回避するために法王を動かそうと画策し、銃殺を実行するはずの部隊は命令を拒絶し、国防軍も兵士の派遣を断り、関係者のほぼ全員がまったく気乗りしないという状況で時間切れとなって虐殺が起こる。カプラー大佐がリチャード・バートン、アントネリ神父がマルチェロ・マストロヤンニ。ダイアログの量を惜しまずに正直に作られており、ディスカッションドラマとして成功している。状況にうんざりしている生真面目な官僚をリチャード・バートンが好演していた。

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