NINE
- Aloysius' Rating:  5/10
2009年 アメリカ/イタリア 118分
監督:ロブ・マーシャル
出演:ダニエル・デイ=ルイス、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ニコール・キッドマン、ケイト・ハドソン、ソフィア・ローレン、ファーギー


映画監督グイド・コンティーニは新作の撮影開始を間近に控えてスランプに陥り、脚本に着手することができないまま湯治場に逃げ込むが、そこへ愛人を呼び出し、プロデューサーが現われ、撮影隊もグイドを追ってそこに現われ、呼んでもいないのに妻も現われ、妻はグイドの欲望を非難し、グイドのために自分がキャリアを捨てたことを歌い、愛人は自殺未遂を起こし、グイドが女神と崇める女優はいきなり人間宣言をしてグイドに背を向け、妻がグイドを置いて去り、グイドは映画という言わば欲望の象徴から離れることで妻が永遠の恋人であったことをようやく悟る。登場人物の名前や内容などがフェリーニの 『8½』 にどことなく似ているという変わったミュージカルである。しかし、もし『8½』が念頭にあったとするならば、背景が1963年ではなくて1965年になっているというあたりに素材を少しでも手元に引き寄せようというこざかしい態度が見えなくもない。監督は 『シカゴ』 と同じロブ・マーシャルだが、ミュージカル作品としての迫力はない。仮にセックス・アディクションがテーマであったとすれば、『サウスパーク』第14シーズン第1話「Sexual Healing」のほうが上であろう。ルイザはゴルフクラブを握ってグイドを追いまわすべきだったのである。ジュディ・デンチは健闘していた。

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