タイタンの戦い
- Aloysius' Rating:  6/10
2010年 イギリス/アメリカ 106分
監督:ルイ・レテリエ
出演:サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、ジェマ・アータートン、マッツ・ミケルセン、アレクサ・ダヴァロス、ジェイソン・フレミング、ピート・ポスルスウェイト


アクリシオスが神々にあらがうのでゼウスはアクリシオスの姿を取ってダナエを犯し、そこからペルセウスが生まれるが、怒れるアクリシオスはダナエと幼いペルセウスを海に流し、ペルセウスは漁師に拾われて成長し、神々にあらがうアルゴスにハデスが罰を与えたとき、ペルセウスは巻き添えを食って家族を失い、それを理由に神々に怒りを抱くようになり、アルゴスがクラーケンの脅威にさらされると兵士とともに荒れ野を渡って三人の老婆に助言を求め、冥界を訪れてメドゥーサの首を取り、ペガサスにまたがってアルゴスに戻ると町を破壊しつつあるクラーケンを石に変え、狂信者の手からアンドロメダを救い出すが、ペルセウスの心はイオ(牛っぽい目をしているが牛ではない)にあるのでアンドロメダは拒絶され、ペルセウスは父親ゼウスと和解する。 『タイタンの戦い』(1981) のリメイク。オリジナルはどちらかと言えば凡庸な作品で終わっていたが、こちらはダイナミックな演出で楽しい映画に仕上がっている。たっぷりとウェザリングをほどこされた神話時代のギリシア世界は見ごたえがあり、巨大なサソリ、メドゥーサ、クラーケンとの戦いは迫力に満ちている。ペガサスは感動ものであった。ただ、いまどきの映画だから、ということになるのかもしれないが、話はいきなり神々と人間の対立から始まり、そして例によって、と言うべきか、ハデスのゼウスに対する策謀が現われ、その結果、神々と人間との対立はうやむやになり、ハデスが一人で悪かったことになる。不信心を切り口にしたせいでペルセウスの行動は単純化され、神々は小粒になってレイフ・ファインズ扮するハデスは冥府の神というよりは単なるヴォルデモートのようになり、オリンポスは評判の悪い多国籍企業の総本山のように見えてくるのである。解釈は自由だが、この余計な解釈のせいであきらかに収まりが悪くなっている。

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