ジェシー・ジェームズの暗殺
- Aloysius' Rating:  6/10
2007年 アメリカ 160分
監督:アンドリュー・ドミニク
出演:ブラッド・ピット、ケイシー・アフレック、メアリー=ルイーズ・パーカー、ジェレミー・レナー、サム・ロックウェル、サム・シェパード


生きながら伝説と化しているジェシー・ジェームズが兄フランク・ジェームズとともに最後の仕事ということで列車強盗の準備をしていると、そこへジェシー・ジェームズをあがめる19歳の若者ロバート・フォードが現われ、仲間に入りたいと申し出る。ロバート・フォードの兄チャーリー・フォードはすでにジェームズ兄弟の仲間であったため、ロバート・フォードはジェシー・ジェームズによって「採用」されて引越しの手伝いなどをしていたが、感情的なすれ違いや現実のトラブルを経験するうちにロバート・フォードの内部で何かが変わり、警察に駆け込んで官憲の手先となる。 『ナポレオンの愛人』 が若気の至りで言っているだけの話なら、こちらは若気の至りでやってしまう話である。ロジャー・ディーキンスの撮影が非常に美しく、美術などの水準も高い。ブラッド・ピットはいつもと同じような演技で十分なだけの存在感を示しているし、暗殺者ロバート・フォードに扮したケイシー・アフレックの演技がすばらしいと思う。2時間40分の長尺は事件に至るまでの数ヶ月の状況を要所で拾い上げながら、淡々とつないでいるだけで、映画的な作為と呼べるような作為はほとんど見当たらない。無用な場面はないものの、これはかなり思い切った演出であろう。最終的にはロバート・フォードの「暗殺」にまでたどり着かなければならないので、最後まで見るとバランスを考えた結果であることがわかる仕組みになっているが、やはり作為の乏しさは少々つらい。

IMDb IMDb で  を検索します。
* Search provided by The Internet Movie Database.