スターダスト
- Aloysius' Rating:  7/10
2007年  イギリス・アメリカ 128分
監督・脚本:マシュー・ヴォーン
出演:クレア・デインズ、チャーリー・コックス、ピーター・オトゥール、ミシェル・ファイファー、ロバート・デ・ニーロ、ルパート・エヴェレット、リッキー・ジャーヴェイス、イアン・マッケラン


ヴィクトリア朝時代の真ん中頃、ウォールという名の村に番人によって守られている壁があり、誰でも越えられそうなその壁の向こう側には人命がかなり軽い魔法の国が広がっている。村の若者ダンスタンは番人の傍らを駆け抜けて魔法の国の市場を訪れ、そこで魔女の奴隷に身を落としている魔法の国の王女と一夜を過ごし、満足して村に戻ると9か月後にバスケットに入った赤ん坊が届けられる。それから18年後、成長したトリスタンは村の娘ヴィクトリアの気を惹くために壁を越え、流れ星を取りに出かけていくが、ちょうどその頃、魔法の国では王位継承問題が持ち上がり、次の王位を得るために王子たちが流れ星を探しにかかり、暗黒の女王もまた若返りの秘法を得るために流れ星を探し始める。
ニール・ゲイマンの原作は未読。空から降ってきたお星様がクレア・デインズで、これが少々ふてぶてしい。チャーリー・コックス扮する主人公トリスタンは妙な具合に要領がよく、魔法の国の王様ピーター・オトゥールはあられもないほどに悪辣で、ルパート・エヴェレットほかの王子たちは悪い、というよりもどこか間抜けで、ミシェル・ファイファー扮するラミアはとにかくもう暗黒の女王なのである。そしてロバート・デ・ニーロが物分りのよい手下どもに支えられた空中海賊に扮して悪乗りし、その空中海賊が商売に出かけていく先ではリッキー・ジャーヴェイスがわかったような顔で待ち受けている。俳優の演技を見ているだけでも非常に楽しい映画である。マシュー・ヴォーンの演出は軽快で、ほどよくユーモアが織り込まれ、最盛期のリチャード・レスターがファンタジーをやったらこんな感じになるのではないか、というあたりの少し上をいっている。 『レイヤー・ケーキ』 も悪い映画ではなかったが、出来はこちらが断然いい。

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