ヒューマン・トラフィック
- Aloysius' Rating:  6/10
2005年  カナダ・アメリカ 179分 TV
監督:クリスチャン・デュゲイ
出演:ミラ・ソルヴィノ、ドナルド・サザーランド、ロバート・カーライル、ローレンス・レボーフ、イザベル・ブレイス


ロシア人セルゲイ・カルポヴィッチはモデル・プロダクションを表看板に巨大な人身売買の組織を持ち、無数の売春宿を経営している。売春を強要された娘は窓から身を投げ、惨状を見るに見かねたニューヨーク市警の警官ケイト・モロゾフは国土安全保障省の捜査部門ICEに志願するが、そのあいだにもプラハからは若いシングルマザーが、キエフからは16歳の少女が巧みにだまされて誘拐され、マニラでは現場の暴走があって14歳のアメリカ人少女が誘拐され、さらに貧農から買い取られた12歳の少女が売春宿に送り込まれ、娘の失踪に気づいたアメリカ人の母親やウクライナ人の父親がそれぞれに活動を開始する。
ロシア系移民の捜査官がミラ・ソルヴィノ、その上司がドナルド・サザーランド、モスクワ出身のエリートで売春組織の冷酷非情な元締めがロバート・カーライルである。題材が題材なだけに見ていてかなりこたえる内容になっているが、それだけに作りもまじめでテンションが高く、前後編あわせて3時間近い長尺であるにもかかわらず、だれ場もない。あたりはずれの大きいクリスチャン・デュゲイの仕事としては、間違いなく上質の部類ということになるだろう。ロバート・カーライルは熱演していたが、いまひとつロシア人に見えないという難点があり、この奇妙なキャスティングは同じくクリスチャン・デュゲイの怪作 『ヒットラー』 つながりか、などと想像してみたりする。

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