或る夜の出来事
- Aloysius' Rating:  8/10
1934年  アメリカ 105分
監督:フランク・キャプラ
出演:クラーク・ゲイブル、クローデット・コルベール、ウォルター・コノリー、ロスコー・カーンズ、アラン・ヘイル、ウォード・ボンド


大富豪の娘エリー・アンドリュースは飛行家キング・ウェストリーとの結婚を父親に差し止められて家出する。そしてウェストリーに会うためにパームビーチからニューヨーク行きの夜行バスに乗り込むが、同じバスには新聞社をくびになったばかりの記者ピーター・ウォーンが乗っていた。ピーター・ウォーンはエリー・アンドリュースの高慢ちきな態度に反発するが、その正体を知ると特ダネになると考えて接近する。一方、大富豪のアンドリュース氏は失踪した娘のために賞金をかけ、さらに探偵社を雇ってニューヨークまでの経路を捜索させるので、ピーター・ウォーンとエリー・アンドリュースはいずれも事実上の一文無しの状態でバスを降り、夫婦と偽り、なんでも歌にする泥棒と戦い、ニンジンをかじりながらニューヨークを目指し、そうしているうちに愛が芽生える。
クラーク・ゲイブルがシャツを脱ぐとアンダーシャツを着ていない、ので、わたしもかれこれ四半世紀、アンダーシャツを着たことがない。そのクラーク・ゲイブルのいささか大雑把な雰囲気とクローデット・コルベールの敷居の高そうな様子がうまい具合にかみあって、微妙にサスペンスを含んだほほえましいコメディになっている。ウサギそっくりのクローデット・コルベールがむなしい顔でニンジンをかじる場面を含め、役者の演技に見どころが多く、ダイアログはきわめて洗練されている。父親役のウォルター・コノリーは設け役をほとんどひとりで独占していて、壁を倒してよろしいと告げる最後の台詞は最高である。


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