王子と踊り子
- Aloysius' Rating:  6/10
1957年 アメリカ 117分
監督:ローレンス・オリヴィエ
出演:マリリン・モンロー、ローレンス・オリヴィエ、ジェレミー・スペンサー、シビル・ソーンダイク、リチャード・ワティス


ジョージ五世の戴冠式に出席するために英国を訪れたカルパチアの摂政公チャールズ殿下は劇場でアメリカ人の踊り子エルシー・マリーナに目をとめ、よこしまな意図を抱いて大使館での夕食に招くが、この種の状況に関して豊富な経験を持つエルシー・マリーナによってすげなくされ、さらには侮辱まで加えられる。チャールズ殿下は怒りを抱くがエルシー・マリーナはチャールズ殿下に対していきなり愛を抱き、泥酔して昏倒するとそのまま大使館で朝を迎える。
あくまでもマイペースを守りながら、それなりに頭も切れるアメリカ娘のマリリン・モンローが文句なしにかわいらしい。そしてカルパチアは絵に描いたようなバルカンの小国で皇太后はあけすけな様子でアナキストに脅え、若い王は父親の摂政殿下に内緒でドイツと通じ、摂政殿下は摂政殿下でなにやらパワーポリティクスのようなことをしている、という背景の作り込みがよく出来ている。摂政殿下を演じるローレンス・オリヴィエがそういうバルカン的ないかがわしさを背負っていい感じを出しているのである。映画としての格別の冴えはないものの、それぞれのキャラクターも脚本もよく出来ていて、素朴に楽しめる作品である。

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