愛についてのキンゼイ・レポート
- Aloysius' Rating:  7/10
2004年 アメリカ・ドイツ 118分
監督:ビル・コンドン
出演:リーアム・ニーソン、ローラ・リニー、クリス・オドネル、ピーター・サースガード、ティモシー・ハットン、ジョン・リスゴー、ティム・カリー、オリヴァー・プラット


いわゆる「キンゼイ・レポート」のキンゼイ博士の生い立ちと研究活動について。真面目に作られた映画だが、迷信に縛られた異様な性モラルのてんこもりは今見ると爆笑ものである。父親ががちがちのメソジストで、性格的によく似た息子はその反動でモラルと戦う非情な科学者となってしまった模様で、リーアム・ニーソンはその複雑な役を存在感をもって演じることに成功している。監督は 『ゴッド・アンド・モンスター』 のビル・コンドンで、だから、ということなのか、性的な主張がかなり強烈であるものの、語り口は滑らかで、おおむねにおいて心地がよい。特に導入部のインタビューと回想をたくみに組み合わせたシーン構成には感心した。ただ、いわゆる性行動の研究が始まってから十年以上のタイムスパンがあるはずなのに、どのあたりの時間経過がいまひとつよくわからないのは難点であろう。ついでにあげればティム・カリー、オリヴァー・プラットといったくせ者を起用しているにもかかわらず、あまりキャラクターが生かされていなかった。一方、父親を演じたジョン・リスゴーがすばらしくいい感じで、久々に見ただけにあって、これはうれしい驚きであった。

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