シン・シティ
- Aloysius' Rating:  6/10
2005年 アメリカ 124分
監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
出演:ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェン、ベニチオ・デル・トロ、イライジャ・ウッド、ジェシカ・アルバ


真面目ひとすじのハーティガン刑事は町の有力者ロアークの残虐な息子の手から少女を救い出すが自らは凶弾に倒れ、屈強の肉体を誇るマーヴは殺された娼婦ゴールディの仇を討つために町の有力者ロアークの農場に迫り、何やら過去を背負った男ドワイトは娼婦たちを助けて危険に立ち向かう。
おおむね三つのエピソードがおおむね順番に登場し、ハーティガン刑事がブルース・ウィリス、マーヴがミッキー・ローク、ドワイトがクライヴ・オーウェンで、最初と最後にジョッシュ・ハートネットがなんだか悪い奴で顔を出し、悪い警官がベニチオ・デル・トロ、不気味な殺し屋がイライジャ・ウッド、町の有力者ロアークがパワーズ・ブースで、その兄の悪い枢機卿がルトガー・ハウアーなのである。映像はそれなりに造形的で、過激な描写にもそれなりのスタイルがあるが、全体としての構築力は感じられない。まったく無反省なまま単細胞かつ悪趣味にデザインされた「ハードボイルド」なキャラクターはどちらかと言えば凄みよりもおかしさを感じさせ、つまるところ、これもまたロバート・ロドリゲスの仕事なのだと考えれば、つまり笑わなければいけないのではないか、という気持ちになってくる(スペシャルゲスト監督クエンティン・タランティーノ、というあたりで真面目さを疑っておくべきである)。実際、笑わずには見ていられなかったが、それでいいのだと思う。なお、あの世にも退屈なクライヴ・オーウェンはこれまでに見たなかではいちばんましに見えた。これは察するに演じるキャラクターがそもそも戯画化されているので人間的な魅力をまったく必要としなかったからであろう。

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