サハラ 死の砂漠を脱出せよ
- Aloysius' Rating:  5/10
2005年 アメリカ 124分
監督:ブレック・アイズナー
出演:マシュー・マコノヒー、ペネロペ・クルス、スティーヴ・ザーン、ランベール・ウィルソン、ウィリアム・H・メイシー、グリン・ターマン


ナイジェリアで疫病による死者が発生し、WHOのエヴァ・ロハス医師は感染源がマリにあると考え、ダーク・ピットのボートに同乗する。そのダーク・ピットは南北戦争中に行方知れずになった南軍の装甲艦が大西洋を渡ってマリにあると考えており、その証拠を求めてニジェール川を遡航するが、途中、マリの警備艇の襲撃に遭い、というか、マリの官憲に対して暴力的に抵抗した結果、川を離れて内陸にさまようことになり、一方、ロハス医師は軍隊の襲撃に遭ってたまたまやってきたダーク・ピットとアル・ジョルディーノに救われる。どうやら一連の事件の背後にはマリの独裁者カジームの陰謀があり、その陰謀にはランベール・ウィルソン扮するビジネス・エリート、イヴ・マサードが関わっており、その陰謀というのは砂漠のなかに設けられた廃棄物処理工場にあるというようなことになった結果、ダーク・ピットとアル・ジョルディーノ、そしてロハス医師はそこへ脈絡もなく潜入していくのである。
見どころは冒頭、南北戦争中のリッチモンドの戦いの場面で、メリマックみたいな南軍の装甲艦が登場してドンパチやってくれるのである。装甲板の下の木造船体というようなところまできちっと描写されていて、とにかくここは涙物であったが、そこから先はあまりにもいいかげんで、見ているうちにほとんどどうでもよくなってくる。
クライブ・カッスラーの原作は一度は読んだはずだけど、かけらほども記憶していない。かなり違うのではないか、という気がしないでもないものの、いまさら読み直すつもりはまったくないし、くだらないという点ではどちらにしても同じだという確信がある。違うとすれば、マシュー・マコノヒーのダーク・ピットがいわゆるヒーローではなくてただのバカ兄であるという点であり、ダーク・ピット突っ込み、アル・ジョルディーノぼけ、という設定でただもう能天気に砂漠をうろうろするのである。だったらもう少し真面目に笑いを取る努力をすべきではなかったか、という気がするのだが、そこまでは居直っていない。あるいは、本当にコミカルなアクションという目論見だったとすれば、演出はおおむね失敗しているのである。これなら 『レイズ・ザ・タイタニック』 のリチャード・ジョーダンのほうがましだったのではあるまいか。ちなみにサンデッカー提督についても今回のウィリアム・H・メイシーよりは、前のジェイソン・ロバーズのほうがそれらしくてよかったと思う。

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