バトル・オン・フロントライン
- Aloysius' Rating:  6/10
2004年 アメリカ 100分
監督:ロバート・クレム
出演:アリ・フリアコス、テリー・サーピコ、ジョー・デラフィールド、ティーナ・ベンコ


第一次世界大戦中、西部戦線に投入されたアメリカ合衆国海兵隊の兵士たちが戦闘を通じてそれぞれ心に傷を負い、戦後もその深手に悩まされる。かなりの低予算映画でアメリカ側もドイツ側も兵士はそれぞれ十人程度しか登場しないが、ウィリアム・マーチによる従軍体験記をもとに最前線の諸様相を切り出していて、戦場の理不尽さがよく描かれ、戦闘場面のテンションもそれなりに高い。製作者側の意図はきわめて真面目で、これは評価しなければならないだろう。ただ難を言えば登場人物のかき分けが甘くて兵士たちが最後までほとんど見分けがつかず、また物語的な文脈からはずれて場面を投げ出しているだけなので、全体としてのまとまりに乏しい。作劇の質ということになると、同じ背景を同じように低予算で扱ったイギリス映画 『ザ・トレンチ』 のほうが上であろう。

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