オペラ座の怪人
- Aloysius' Rating: 5/10
2004年 アメリカ・イギリス 140分
監督:ジョエル・シューマカー
出演:ジェラード・バトラー、エミー・ロッサム、パトリック・ウィルソン、ミランダ・リチャードソン、ミニー・ドライヴァー


アンドリュー・ロイド・ウェッバーのミュージカルの映画化。美術、衣装、桟敷や舞台裏のディテールなどは驚くほど優れているし、モノクロで現われる荒廃したオペラ座の内部が埃をはらいながら色彩を得て蘇る場面には映像作品としての興奮がある。とはいえウェッバーのミュージカル・ナンバーはしばしば単調に陥って興奮を退け、そのうちにただ耳にうるさいだけになり、劇中の場面は驚くほど非音楽的に展開する。ジョエル・シューマカーの演出は凡庸で、魅力がない。察するにこれは演じるべき俳優を根本的に欠いていたからであろう。そして歌手は最悪である。クリスティーナを演じたエミー・ロッサムは顔を備えただけのテープレコーダーのように見えるし、ジェラード・バトラー扮するファントムは喉に問題があるのか実によく声が裏返る。しかもなんだか頭の足りなそうな顔をしていて、地下から現われた天才芸術家のようには見えないのである。カルロッタを演じたミニー・ドライヴァーだけが記憶に残る仕事をしている。

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