Mr.インクレディブル
- Aloysius' Rating: 8/10
2004年 アメリカ 120分
監督・脚本:ブラッド・バード
出演:クレイグ・T・ネルソン、ホリー・ハンター、サラ・ヴァウエル、スペンサー・フォックス、サミュエル・L・ジャクスン


かつてヒーローの黄金時代が存在したが、民衆がヒーローを罵り始めたので、政府はヒーローの保護プログラムを作成し、ヒーローたちは正体を隠して一般市民に紛れ込み、それから15年が経過する。Mr.インクレディブルはイラスティガールと結婚して三児をもうけ、Mr.インクレディブルは保険会社に勤めて悲しみとともに日を送り、イラスティガールは化粧っ気をすっかり落として主婦業に励む。そうしているとMr.インクレディブルのところへ謎の組織からの連絡があり、ヒーロー業復活ということで毎日は再び活力によって満たされるものの、実はこれが悪の帝王シンドロームの陰謀で、Mr.インクレディブルは危機に陥り、パパをトラブルから救うためにママと子供たちが立ち上がる。
プロットラインは フィリップ・モラの『キャプテン・ザ・ヒーロー』 によく似ている( シャマランの『アンブレイカブル』 と比べることもできるだろう)。 監督は 『アイアン・ジャイアント』 のブラッド・バード。『アイアン・ジャイアント』が50年代のSF映画に対する憧憬に捧げられていたとすれば、こちらは60年代のスパイ映画趣味が全開という感じで、ピクサー作品として見た場合、あきらかにジョン・ラセターとはテイストが異なっているが、方向性はきわめて明瞭で迷いがない。つまり、悪役シンドロームが繰り出すSFメカとか、秘密基地などがあんまり素晴らしいので、涙なしには見られないのである。演出はスピード感があり、コストパフォーマンスに優れているので2時間を長く感じさせない。パパは情けないし、ママは怖い。CGによる人間の造形、動作の表現はさすがにピクサーという感じで、きわめてよく考慮されている。手間のかかった立派な作品である。

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