合衆国最後の日
- Aloysius' Rating: 7/10
1977年 アメリカ・西ドイツ 146分
監督:ロバート・アルドリッチ
出演:バート・ランカスター、リチャード・ウィドマーク、チャールズ・ダーニング


近未来のアメリカ。戦略空軍のデル将軍は刑を受けて服役中の身分であったが、囚人3名を誘って軍刑務所から脱走、戦略空軍の交替要員が乗ったトラックを奪ってミサイル発射基地に潜入し、ここを占領する。デル将軍は大陸間弾道弾の発射スイッチに指をかけ、前大統領の問題発言を国民に公表するように要求する。脅しをブラフだと判断したマッケンジー将軍は鎮圧部隊を基地内に投入、小型原爆を使って一気に問題を解決しようとたくらむが、寸前にそのことに気がついたデル将軍はミサイル・サイロの扉を開く。地下からミサイルがせり上がり、鎮圧部隊は車両を捨てて撤退を開始し、善良なスティーブンス大統領はデル将軍の要求を受け入れる。するとデル将軍は人質として大統領を要求し、大統領はそのことにも応じるので、脱出路を求めて進むデル将軍は大統領とともに狙撃部隊の射線の前に現われる。
映画は「国民の知る権利」という大きな看板を掲げてはいるが、大きい割にぼやけているのは何を知るのかという肝心な部分が話から抜け落ちているからである。とはいえ、デル将軍(バート・ランカスター)のほとんど子供じみた正直さ、それに対するマッケンジー将軍(リチャード・ウィドマーク)の冷静さ、加えて大統領(チャールズ・ダーニング)の田舎じみた純情さ、といった人物の対比は面白く、その三者がそれぞれに個性を際立てながらクライマックスへもつれ込んでいくあたりは非常な迫力がある。ビリー・プレストンが切々と謳い上げる主題歌もまた迫力があり、これはやはり傑作であろうと思うのである。とはいえ、ヘッツァーにハリボテのミサイルやテレビカメラをくっつけて、ミサイル戦車とかテレビ戦車とか称するのはやめてほしかったし、(迫力はあったけど)ICBMってああいうものではないと思う。

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