S.W.A.T.
- Aloysius' Rating: 5/10
2003年 アメリカ 117分
監督:クラーク・ジョンソン
出演:サミュエル・L・ジャクスン、コリン・ファレル・マイケル・ロドリゲス


70年代のテレビ・シリーズの映画化、ということになっている。まず銀行に武器を持った四人組が人質を取って立てこもり、二人は歩道に出て自動小銃を乱射し、二人は中で人質に銃を突きつけている。そこでSWATが出動し、その状況で路上の二人を狙撃して射殺、コンビを組んでいるストリートとギャンブルという二人の警官が銀行内部に潜入する。そしてギャンブルは暴走して人質を撃ち、人質が倒れた直後に射線を確保して犯人たちを射殺する。SWATを牛耳るフーラー警部はストリートとギャンブルを叱責して倉庫係に降格するが、それを怒ったギャンブルは警察を去り、ストリートはギャンブルから裏切り者呼ばわりをされながらも警察に残る。
それから、半年、どこからともなくホンドー隊長(巡査部長)が戻ってきて、SWAT部隊の再編成に取りかかる。どうやらSWATの評判が地に落ちてしまっているようなのだが、どうしてそうなったのかがよくわからないし、仮にそうだとしてフーラー警部が叱責も受けずに相変わらず威張っているのもよくわからない。ちなみにこのフーラー警部というのが露骨なまでに愚物として描かれていて、しかもホンドー隊長とはどうやら犬猿の仲なのである。で、問題を起こすためとしか思えないような人事に基づいてホンドー隊長は新たに自分の部下を募り、それには降格されたストリートももちろん含まれている。そして厳しい訓練が始まり、撃ったり走ったりしていると、そのあいだに町では国際指名手配を受けている組織のボスがつまらない交通違反で逮捕される。正体に気づいた警察は身柄を群刑務所から連邦刑務所へ移そうとするが、犯人がテレビカメラの砲列に向かって助けてくれれば一億ドル、などというとんでもない約束をするものだから、金額に目がくらんで犯罪者どもが押しかけてくる。移送のために用意されたヘリコプターは撃墜され、送り出された車列は襲撃を受け、さらには警官や元警官も話に一枚加わって、遂に犯人は強奪されて夜の闇に消え、それを追って闇へと消えたホンドー隊長とSWAT隊員をフーラー警部は疑うのである。いやはや、なにしろ図式的な脚本で、脱出経路まで含めて読めない展開は一つもない。裏を返せば格別の破綻もないわけで、安心して見ることができるアクション映画の佳作であろう。

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