トリック 劇場版
- Aloysius' Rating: 6/10
TRICK<トリック>(朝日テレビ/東宝 2002,119min.) [D]堤幸彦,[W]蒔田光治, [C]仲間由紀恵,阿部寛,生瀬勝久,野際陽子,竹中直人,ベンガル,石橋蓮司

「トリック」の劇場版。売れない奇術師山田奈緒子は300年に一度災厄に襲われるという山奥の村へ出かけていくが、それというのも災厄が訪れる300年目というのが迫っていて、村人たちの不安を静めるために神様役として村の青年団に雇われたからであったが、村へ到着してみるとすでにそこには自称神様が3人もいて、あわせて4人となった自称神様は村人たちによってどれが本物か試されることになる。試されている間に上田次郎教授も「どんとこい、超常現象」パート3の取材のために出現し、いつもの刑事たちも村にあるトイレのつまり具合を検分するためにやってくる。それというのも上田次郎教授が同窓会に出席した折に同窓生の一人がダイイング・メッセージを残してトイレで怪死し、そのメッセージが埋蔵された財宝の隠し場所に絡んでいると判断した自称国家エリートの同窓生たちが補正予算を作って警察組織まで動かして全国のトイレを調べ始めたからなのであった。迷走するストーリーの背後では村の青年団の男女が暗躍し、豪華ゲストスター(竹中直人、ベンガル、石橋蓮司)は次々と怪死を遂げていく。そしてもちろん山田奈緒子と上田次郎にも危機が迫り、そうしたこととは無関係に山田奈緒子のお母さんは商売をしにやってくるのであったが、最後の山火事の場面を除けばいつものような低予算で、つまりテレビでやっていたのと同じようなやつの4エピソード分をスクリーンでまとめて見ているだけなのであった。というわけで劇場で見る必然性は感じないけれど、台詞がほとんど聞き取れるというのは心地よいし、観客を笑わそうという努力は無条件で評価するのである。