ネレトバの戦い
- Aloysius' Rating: 4/10
Bitka na Neretvi (Yugoslavia/USA/UK/Italy/West Germany 1969,134min.) [D] Veljko Bulajic, [W] Stevan Bulajic,Veljko Bulajic, [C] Yul Brynner,Sergei Bondarchuk,Curd Jurgens, Franco Nero,Hardy Kruger,Sylva Koscina,Orson Welles ,Ljubisa Samardzic,Lojze Rozman

第二次大戦中のユーゴスラビア。チトー率いるパルチザンの数百キロに及ぶ戦略的撤退とネレトバ川近辺での戦いを描く。ドイツ側の司令官がクルト・ユルゲンス、前線部隊指揮官がハーディー・クリューガー、対するパルチザンの工兵隊長がユル・ブリナー、砲兵隊長がセルゲイ・ボンダルチュク、勇敢な女兵士がシルバ・コシナ、さらにセルビア王党派(?)の元老院議員にオーソン・ウェルズ、イタリア軍の良心的な大尉にフランコ・ネロと、国際的オールスターキャストのユーゴスラビア製戦争巨編。とはいえ、ほとんどの時間はやたらの大所帯のパルチザンが難民と傷病兵を山ほど抱えて退屈な山道をうろうろするだけ、という場面で占められていて、で、作っている方もそれではいけないと思ったようで、思いついたようなところへ思いついたように唐突な作りのドラマが放り込まれている。人物に造形なんかないし、話にもほとんど脈絡がない。軍事行動もその延長線上にあって、パルチザン側がどういう意図で移動していたのか、ドイツ側とどう戦ったのか、まるでわからないのである。タイガーI型と思しき形状の戦車を一台だけ復元して、その後にはT34をずらりと並んだドイツ軍機甲部隊は観客の目を欺く計算の結果のようにも見えたけれど、本当はたぶん違うと思う。