郵便配達は二度ベルを鳴らす
- Aloysius' Rating: 5/10
1942年 イタリア 117分
監督・脚本:ルキノ・ヴィスコンティ
出演:マッシモ・ジロッティ、クララ・カラマイ


大戦中に作られたヴィスコンティの処女作である。
流れ者のジーノは酒場の女房ジョバンナの虜となって請われるままに亭主を殺し、後味の悪さに苦しんでいるところへ司直の手が伸びてくる。画面はなかなかに生き生きとしているし、顔のアップと視線を多用した演出はそれなりの効果を生み出している。撮影も凝っていて、冒頭、ジーノが酒場に入る場面では象徴的にクレーン撮影が使われているし、アンコナのカーニバルの場面の移動撮影には感心した。後半、ジョバンナがジーノの密会を目撃する場面ではおそらくは手持ちカメラによる180度のパンがおこなわれていたし、屋上の逃亡場面もかなり複雑なショットで構成されていた。ただ、最後の20分間でいきなり話が寝ぼけ始めるのはどうかと思うのである。
ジーノが混乱しているのはまあわかるとしても、ジョバンナはいったいいつ妊娠したのか。女の身勝手をこの部分に凝縮してみせたというのであれば、それはそれなりに凝縮されていたとしか言いようがないのは事実だが、破綻は隠しようがない。で、ジョバンナが女の身勝手を全開にしてジーノとの逃亡をいきなり決意し、こどもを産むの幸せだのと喋りだすのでジーノも未来に向かって決意を新たにしていると、そのジョバンナがいきなり死んでしまうのである。いやあ、ラストシーンで大写しにされたジーノの顔の釈然としないこと。とにかく面白いことは面白い。

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