山猫
- Aloysius' Rating: 8/10
1963年  イタリア・フランス 186分
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
出演:バート・ランカスター、アラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレ、パオロ・ストッパ、ロモロ・ヴァリ、リナ・モレリ


ランペドゥサの原作に基づく。1860年のシチリアを舞台に、ガリバルディの軍隊による革命戦争とその後の状況を背景にしながらサリーナ公爵の暗澹とした思いを描き出す。サリーナ公爵を演じたバート・ランカスターはこの時まだ50歳で、かなり生々しい(なにしろこの直前の出演作が、まだ 「終身犯」なのである。 ヴィスコンティはこの映画を見てサリーナ公爵のキャスティングを決めたのではあるまいか?)。だから時の流れを見送るのではなく、けっこう怪しい画策をしている。ヴィスコンティはここでシチリアの、いかにもシチリア然とした貴族を描き出すことに全力を挙げていて、それをやっているのが雄々しいバート・ランカスターなので必然的にマチスモが強調されることになる。で、これがまた超然としていてかっこいいのである。画面作りにも力が入っていて、まず冒頭の祈祷の場面でこちらはほとんど陶然とすることになる。町では戦闘が繰り広げられ、公爵の家には腹に一物を持った人間が出入りし、ガリバルディ軍の将軍もやってきて歌を歌う。クライマックス、延々と続く舞踏会のシーンは圧巻である。傑作と言うべきであろう。

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