勇気ある追跡
- Aloysius' Rating:  7/10
1969年 アメリカ 129分
監督:ヘンリー・ハサウェイ
出演:ジョン・ウェイン、キム・ダービー、グレン・キャンベル、ロバート・デュヴァル、デニス・ホッパー


十代の少女マティ・ロスは目端が利いて口が立ち、有能であることから父親の農場で経理を担当していたが、その父親が町でならず者に殺されてしまう。そこでマティ・ロスは連邦保安官補ルースター・コグバーンを百ドルで雇い(出発前に25ドル、出発したら25ドル、戻ったら50ドル)、そこへ同じ犯人を追うテキサスレンジャーの青年も加わって三人で奥深いコロラド山脈へ分け入っていく。
よくできた脚本とヘンリー・ハサウェイの軽快な演出がうまい具合に結合した西部劇の傑作である。ジョン・ウェインがアイパッチをつけて登場し、クライマックスの決闘では右手にウィンチェスター、左手にピストルを持って四人の男を相手に撃ちまくる。このウィンチェスター片手撃ちがかっこいいのである。この映画のジョン・ウェインは南北戦争のあと、ちょっぴりならず者をやったという前歴を持っていて、しかも飲んだくれの乱暴者で、家では中国人とネコと一緒に暮らしていて、と珍しいキャラクターになっている。けものと親しくなれるひとなのであろう、ネコの抱き姿がなんだか様になっていた。ジョン・ウェインを雇う少女がキム・ダービーで、生意気で勇敢なところが好ましい。映画のなかでたまに出現するジュブナイルじみた状況は、プロットがこの少女の視点に吸着していった結果であろう。主演はジョン・ウェインであっても、主役はキム・ダービー扮するマティ・ロスなのである。対する悪党一味の頭目ネッド・ペッパーが若いロバート・デュヴァル、その子分で無残な死に方をするムーンがデニス・ホッパー、と改めて見るとおいしいところが加わっている。

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