[本の感想] [官能小説]

官能小説

官能小説は、最初の「由美の会社員生活」は登場している女性に書いてもらったものですが、 他はすべて祐介がこれまで見聞したり、体験したことを基に作成しました。

小説ですので、事実と創作が混じっています。

由美の会社員生活 貴志の手記 恒子の冒険 敦子の憂鬱 典夫の憂鬱 幸枝の冒険 陽子の出会い 聡子の木馬責め

典夫の憂鬱

1、敦子の申し込み

歯科医師である典夫はまさか自分の医院に勤務している敦子が、自分が主催しているSMサイトにモデルとして 申し込んでくるとは思わなかった。敦子が医院で働き始めたとき、M気がありそうだなとは感じたが、 それ以上のことを考えたことはなかった。仕事には個人的な感情を持ち込んではならないと決めていた。 それが典夫の方針であった。

典夫は歯学部を卒業して医局にしばらおり、博士論文を書き上げ、その後開業する前まで、数箇所で経験を 積むために働いた。その間、歯科医師たちが同じ医院で勤務する歯科衛生士に手を出して、うまくいかなくなっては 問題を起こし、女性陣たちの反発を買い、辞めていくのを何度も見てきた。歯科衛生士の女性たちはほとんどが 20歳前後でぴちぴちしており、確かに魅力的だ。こちらから誘えばすぐ付いてくる女性も多いだろう。 しかし女性関係と職場をごちゃ混ぜにするのはよくないし、そんなことで仕事がうまくいかなくなっては 元も子もないではないかと典夫は思った。

確かにあの日、応募者が敦子だと知ったとき、典夫は驚いた。しかし、敦子を見つけた以上逃げ出すわけにもいかなったし、 敦子に少なからず興味があったので、あのように声をかけ、食事やバーに誘った。少し刺激してもみた。

家に戻ってから敦子との今後のことをよくよく考えてみた。 どう考えても敦子が医院の従業員である限り、付き合うのは無理だった。 敦子と典夫のことで悪いうわさが立って女性たちが騒ぎ出しても困る。 女性たちが騒ぎ出せば医院の経営が立ち行かなくなるのは目に見えていた。 典夫は女性たちの力を過小評価していなかった。

せっかく敦子を知るよい機会であるが、この際は敦子のことは諦めるしかないだろう。 個人的な感情は抑えるしかない。昨日のことは夢と思えばよい。それが敦子のためでもある。 それが典夫の出した結論だった。

2、和代のこと

典夫はふと和代のことを思い出した。 確か和代もダンサーだった。もう年々も前になるだろう。3年くらいかな。しかし典夫は 遠くに感じた。

和代も典夫のSMサイトを見てモデルとして申し込んできた一人だった。 典夫のサイトはあまり知られていないが、彼が誠心誠意作っているだけあって、 読む人、特に女性には感動を与えるらしく、結構申し込みがあった。あったと表現したのは 最近は申し込みが少なくなってきているからである。おそらくは同類のサイトが増えすぎたせいであろう。 しかし、典夫自身が時代の流れに追いついていけなくなっているからかもしれない。

和代は敦子と同じような大柄でダンサーらしく引き締まった体をしていた。35歳を過ぎていたが、歳を感じさせなかった。 「拘束され、着衣のひとつひとつを脱がされてみたいです」と和代は会う前に書いてきた。 二人が出会って、話をし、しばらくしてからホテルに入ると、典夫は和代を柱に縛りつけ、一枚一枚着衣を脱がしていった。最後に下着姿にさせた。上はスリップ、 下は紐ショーツであった。縛ったまま跪かせ、スリップをまくり上げ、ショーツのサイドの紐は片方ずつ解いていった。 そのとき和代はすでに感じ始めていたのだろう。今から思えばそのとき緊縛の世界にもう身を委ねていたのである。 大きな声を出すわけではないが、小さなあえぐような声が印象的であった。

全裸にした後、典夫は和代を敦子にしたように胸を強く縛ると、それを鴨居に結び、高く吊り上げたのだった。その次に 片足を上げさせた。敦子と同じように。すると和代は不安定な片足にもかかわらず、和代は感じ始め、全身を揺らすのであった。

素裸なので、揺らすと、股間があるときは大きく開いて典夫の前に差し出される。 そんなことは和代は意識する間もなかった。ただ和代は自分に陶酔している。それを典夫は眺めていた。

最初にプレーした後、和代は書いてきた。
「今日は本当に貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。あんなに強く縛られたのは初めてでした。 片足を上げられてからは、ただ全身の力が抜けるほど感じてしまいました。 拘束され自由を奪われ、見つめられたり。何をされてもいいと言う気持ちになりました」

「帰宅後、全裸になり鏡に映る自分の身体を眺めながら余韻を味わっておりました。 手足に残る縄のあとを見ていると、自然と温かい液が秘部を濡らしていました。 心地よい疲れから少し眠ってしまいましたが、今また身体中に余波が。もう一度味わいたい気持ちで一杯です」

そんな風に始まった和代とのことは典夫にとっては新鮮だったし、楽しかった。その後、和代もますます淫らに変化していった。
「今の私は、きつい縛りと辱めを強く欲しています。身動きできない恥ずかしい姿で・・・・・・、 想像しただけで、身体中に強い衝撃が走ります。 ここ数ヶ月で、私の身体は少しずつ変化しています。私自身の本当の欲求を表現できる様になりたいと思います」

そんな和代の素直な欲求に導かれるようにして、典夫は和代を誘導していった。あるときは吊り、あるときは格子にくくりつけ、 蔵の中に閉じ込め、またあるときは女囚として扱った。場所もホテルだったり、SMホテルだったり、古風な蔵だったり、 牢獄を思わせるスタジオだったりした。

楽しい日々はいつまでも続くかのように思われた。

3、典夫の夢

ある晩、典夫は夢を見た。それは典夫の目の前に裸の若い女体が横たわっている夢である。 典夫はなぜかそこに居合わせ、ただ女体を眺めている。女性は半分眠っているかのようである。 女性の肌はすべすべしていて、おっぱいは大きくて張りがある。

女体を間近で見て、今さらながら典夫が気が付いたことは女性の肌には男性を惹きつける要素があることであった。 しかしこの魅力は女性の肌にあるというよりは、これに惹かれる男性の心の内にあるのであろう。 なぜなら見方を変えれば、ただの皮膚になるからであった。典夫は自分の内なる性的欲求が非常に強力なのを知った。

またある晩、夢を見た。二匹の蛇がいつまでもお互いに絡み合っていた。外はそろそろ暖かくなってきたので、表に出て 獲物を捜す時期であるが、そんなことを忘れ、空腹感も気に留めず、二匹は絡み合っていた。

また別の晩、夢を見た。家の中にゴミがだんだん溜まってきて、いよいよ生活に支障をきたしてきたのであった。 ゴミ掃除が必要であった。

こんな夢が毎日ではないが連綿と続いた。典夫は考えた。これらの夢はいったい何を典夫に教えてくれようと しているのだろうかと。和代との関係も以前のようには気持ちが入らなくなっていった。

4、和代の結婚願望

そのうち和代は子供が欲しいと言い出した。別の典夫の子供が欲しいというわけではない。 女として生まれたからには一度は子供を生んで育ててみたいというのである。典夫は反論できなかった。 和代の言うことはもっともである。確かに40歳近くなれば子供を生む最後の時期であろう。

子供を生み、育てるにはそれなりの環境が必要だ。和代は結婚したがった。しかし典夫には 和代の望みを叶えてやることができない。典夫には既に家庭があった。

したがってたどり着く結論は一つ。和代が他に結婚できる男性を捜すというものであった。 典夫は了承した。和代が憎くはない。仕方のないことだ。典夫にできるのは和代の将来を邪魔しないこと。 和代の今後がうまくいくようにただ祈ることだけであった。そうして和代は典夫から離れていった。

典夫は和代に対する未練を断ち切った。

5、典夫の憂鬱

人が生きていくには、時にこうした未練を断ち切ることが必要だと典夫は思っている。 もともと典夫は感情を断ち切るのがうまかったわけではない。周囲の状況に迫られてそうなっただけである。 必要なときに未練を断ち切れない人がいるが、ただ問題を起こしているだけである。 女性の方がいざというときに断ち切れると典夫は感じている。ただ男性の方が断ち切るのは苦手だ。

男が未練を断ち切れないのは、人生に甘えているからだ。人生は甘いものじゃない。女性はその厳しさを知っているから 断ち切れるんだ、と典夫は考えている。

今回の敦子のことを考えてみた。職場ではどうしても男女関係を維持してはいけない。 そう考えれば結論は明白であった。ただ敦子はどう思うのだろうか。こちらの意図するところを分かってもらえるのだろうか。 これからの課題だと典夫は思った。

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