[本の感想] [官能小説]

官能小説

官能小説は、最初の「由美の会社員生活」は登場している女性に書いてもらったものですが、 他はすべて祐介がこれまで見聞したり、体験したことを基に作成しました。

小説ですので、事実と創作が混じっています。

由美の会社員生活 貴志の手記 恒子の冒険 敦子の憂鬱 典夫の憂鬱 幸枝の冒険 陽子の出会い 聡子の木馬責め

貴志の手記

1、檻のあるスナック

以前といっても数年、いや10年近く前になるかもしれないが、 貴志は写真週刊誌FLASHで、神奈川県のある小都市に檻が備わったスナックがあることを 知り、一度そういうところを是非訪ねてみたいと思っていた。 しかし、FLASHではその都市の名も、スナックの名前も示してはいなかったので、探し出すのは 無理だと考えてそのままにしておいた。 ところがある偶然としか言い様のないきっかけでそのスナックがいまだに存在していること、 そしてその場所が分かったのである。

貴志は檻に入った見知らぬ女性を眺めるのではなく、付き合っている由美をその中に 入れ、他の客に眺められる時の彼女の反応を知りたかった。 檻に入ることを希望する女性の心理が彼には分からぬでもなかった。もしも 彼が女性だったらそう望んだかもしれないし、それはそれで魅力ある体験であるだろう。 問題はスナックの経営者がどのような態度で、あるいは方針で檻を使用しているかである。

そこで由美をその檻に入れる前に貴志自身が一人でそのスナックに行き、 様子を伺うことにした。 ある夕方、彼は都内から時間をかけてそのスナックに行った。 時間は夕方の6時ころだったであろうか。スナックは商店街を少し外れた細い通りに面しており 、そのような店であることは概観からはまったく想像できなかった。 まだ周囲は明るいが、思い切ってドアを叩いた。あらかじめ連絡をしてあったので、 貴志が来ることは店には分かっていたはずだった。ドアを叩くと中から声がして、名前を聞かれた。 貴志です、というと店のドアが開いた。中に入った。 店内は薄暗く、ドアの次には応接セットが置いてあり、その奥にはカウンターがあった。 暗さに慣れるとまだ誰も店に来ていないことがみてとれた。貴志は奥のカウンター席に座った。

マスターは貴志を見て挨拶をした
「楽にしてください。何を飲まれますか」
マスターは貴志の緊張をほぐすように声をかけた。 「ここに来たのは始めてです。噂は前から聞いていましたが、捜し出すのに苦労しました」
「うちはあまり宣伝してもらうと困るんですよ。人づてに存在を知ってもらうくらいが ちょうどいいんです」
ふとカウンターの横の床を見ると大きな木製の檻が置いてあった。 この檻に入れば、カウンターに座った客からは斜め下の視線で眺められる。 少し遠い応接セットの客からは水平に眺められる。 視線から逃れられるスペースは檻の中にはまったくなかった。

「この檻が特徴なんですよね」
「ええ、この檻に入るのを希望する女性が途切れないものですから、ずっと置いていますが、 信頼の置けるお客さんしか入れられないので、経営的には赤字すれすれなんです」
「今日もそういった女性が来られるんですか」
「もう来てますよ」
経営的にはよくないとマスターは言うものの、それなりに客は来ているので、それほど悪くは ないかもしれない。またマスター自身がそういった趣味があり、檻に入る女性の存在を楽しんで いるのかもしれないと貴志は考えた。嫌いなことは長くは続けられないので、結局は マスターは楽しんで店の経営をしているのであろう。

「檻に入る女性はどんな方ですか」
「普通の女性ですよ。ただそういった願望をお持ちの方です」
「週刊誌に掲載されてお客さんは増えたのですか」
「あの時は困ってしまい、一時閉鎖しました。再開したのはその数年後です」
「顔を見られるのを嫌がる女性も多いのでは」
「顔を見られたくない方はアイマスクをして頂いております。人によってはショーツを はかれる方もいます。どんな格好で檻に入るかは女性に決めていただいておりますが、 檻の中では胸は出してもらうことが条件です」

「今日の女性は」
「呼びましょうか」
マスターはカウンターの置くの小部屋に入ると中に控えていた女性の声をかけ、 登場を促しているようだった。 しばらくしてマスターはバスローブをまとった若い女性と共に出てきた。
「ここでは写真撮影や録音は一切お断りしていますし、ここであった女性は万が一 他で出会ったとしても、知らないことにしてください」
マスターは女性には優しく、後ろから促す手は女性の身を包み込むような印象を受けた。 女性が檻に入るとマスターは檻に鍵をかけ、自分の意思では出られないようにした。 そしてバスローブを脱ぐように女性に促し、女性はそれに 従った。本日の女性は顔を出すのに抵抗がなかったが、貴志の直接の視線を避けていた。

バスローブを脱ぐと檻の中の女性は丸裸であった。下着は何もつけてていなかった。 そういう姿を彼女が望んだのあろう。恥ずかしそうに体を丸くし、少しでも視線を受ける面積を 小さくしていた。この檻にどのくらい入っているのだろうか。
「いつまで檻に入っているのですか」
「それは本人しだいです。出たい時に出れます。ただ最初に入る時間を約束した場合には 非常事態が起こらない限り、その時間を守ってもらいます」

貴志は檻の中の女性にもう一度視線を送った。 檻の中に入るのはどんな感じなんだろうかと貴志は想像をめぐらした。ましてや 見知らぬお客に見られるとは。檻に入る希望者に若い女性が多いとはどういうことだろうか。 若くても、いや若いからこそういった希望が叶えられやすいのだろう。人前に肌を曝す のは確かに恥ずかしいが、そういった恥ずかしさの中に自分の心を燃え上がらせる興奮感が秘められていると 貴志は思った。40歳近くなって肌の存在に醜さを多少でも感じさせる年代では 、興奮感以前に肌の存在が気になってしまうだろう。 女性のそういった願望をうまく叶えてくれるこういった店は他にはないだろうし、 この店の存在は貴重だ。

カウンター席からは檻の中が斜め下に見える。女性はなるべく見られないように奥に 寄って丸くなっているが、見られるのを希望して入ったのに視線を避けるとはどういうことだろうか。 そうこうするうちにドアをノックする音がして、やがて数人のお客が入ってきた。 彼らは常連客らしく、ドア付近からマスターと雑談を交わしている。 それを知った檻の中の女性は一層身を震わし、縮こまった様子である。

カウンター席に座った数人の客はさっそく興味ありげに檻の中を見る。 彼らは今日の檻の中の女性が丸裸で顔も隠していないことに少し驚いた様子だったが、しかし 慣れた客らしく、そんなことはほとんど表情に出さなかった。 お互いに差し障りない話をお互いに、またはマスターとしながら 時折、ちらっと檻の中を興味深く窺う。客の話し方や雰囲気は檻の中の女性に伝わり、女性は 緊張を解いたようである。檻の中の女性に声をかけたり、手を出すことは、 女性がそれらを望まない限り禁じられている。数人の客は檻の中に入る女性の 心理的な雰囲気を楽しみながら、その場を楽しみ、しばらくして帰っていった。

貴志もそろそろ帰り時だと判断した。この後も何人かのお客が店に入ってくるであろうが、 このような感じで檻の中の女性は時を過ごすのであろう。今日の女性がどんな女性で 、いつまで入っているかは貴志には分からなかったが、店の雰囲気や方針が分かっただけでも 収獲だった。

2、由美を連れていく

スナックから帰って、しばくして由美に会った時、スナックの存在を由美に紹介した。
「一度、そのスナックに行ってみないか」
「行ってみたい。だけどもちん貴志も一緒に来てくれるんでしょ」
「一人で行かせるのは心配だから、もちろん一緒だよ」

貴志は店のマスターと連絡をとって二人が行く日を決めた。 当日は二人がいくことを常連客には知らせたいとマスターは言い、貴志は了承した。 見知らぬ客であっても、マスターが知っている常連客であれば、こちらも安心できる。 希望すれば常連客だけに限定することもできるとマスターは言ったが、そこまでする必要はないと 貴志は思った。大多数が常連客であれば、初めての客は常連客の雰囲気に圧倒 される。二人が行った時、誰も来ていなければ行った意味がないし、 由美の反応も見ることができない。

当日は早めに店に着き、マスターと話をし、こちらの希望を伝えた。由美は素裸で顔も隠さない。 店の閉店時間の午前2時まで檻に入るなど。 午後8時ころになると次々と店に客が入ってきた。皆、多少の顔馴染みらしくお互いに声を かけている。いや顔馴染というよりは上手く付き合っているのだろう。社会生活の延長で、 いやそれ以上にこういった場面では表面上の付き合いは大切なのだろう。

由美はいよいよバスローブをまとって檻に入る。中で脱ぐ。白い肌が薄くらい檻の中で光っている。 客の視線が由美の体に注がれる。由美は視線を感じて丸くなる。恥ずかしさに少し震える。 そのままじっとしている。貴志には由美の心境は推測するしかない。由美を一層可愛く感じる。 檻に入るのは本人の希望とは言え、貴志の希望でもあるからだ。

由美はうずくまったまま動かない。貴志は客の一人として店にいる。お客の何人かは SMに興味があり、貴志はそのうちSM談義に加わった。こういった店では いかに客が楽しく時間を過ごせるかが重要である。客同士が話しに盛り上がっていれば 問題がないが、そうでない場合はマスターが話しに加わり、興味深い話をしてくれる。 檻の中に入ったはいいが、想像とまったくちがって全然興奮しなかった女性や、中でそのうち 失神してしまった女性のことなども教えてくれた。しかし女性の具体的なプライバシーに関する 情報だけはうまく避けていた。

さすが、長年この店をやってきているだけあって、 客を見る目があるなと貴志は思った。勝手に女性に手を出す人や店の雰囲気を壊す人は それとなくもう来なくなるように仕向けていた。貴志はマスターの女性に対する尊敬に念にも 心打たれた。女性は男性を優しく包んでくれるもの、どんな女性にも男性を包容する能力も 可能性もあり、それをうまく引き出すことで女性とうまく付き合えるというのがマスターの 信念であった。

そのうちドアを叩く音がして、やがて一人の女性が入ってきた。この女性は檻の中に入るのが希望ではなく、 観察する立場を希望していた。マスターは丁重に迎えた。彼女がカウンター席に座ると檻の中の由美は 嫌がった様子だった。同じ女性に檻の中の裸を見られたくなかったのであろう。しかし、そういった 条件は出していなかった。女性は檻に一番近いカウンター席に座ると、

「今日はきれいな方ね」
「今日は素晴らしい女性です」とマスター。
「初めてなの」
「初めてですが、檻を気に入っていただいた様子です」
「お顔を拝見させてもらってもいいですか」
「それは本人が希望すれば」
マスターが由美に何かつぶやくと、由美はその女性に顔を向けた。

女性は由美の顔をじっとみつめると、何か思いをめぐらすようにして、言った。
「間違いないわ。あなたは私と同じね」
貴志はそれがどういう意味か知りたかった。
「連れの者ですが、それはどういうことでしょうか」
「生まれつき拘束の世界に憧れ、その中で一生を過ごすように定められているってことよ」
「そういう運命ってあるんですか」
「それは本人に分かっているはずよ」
確かにそう言われれば、そうかもしれない。由美の拘束に憧れる強さは貴志の予想を上回る ものだし、本人にもその限度まで達したことはないと思う。もしそうであればそのように貴志も 覚悟するしかない。

「そう言われるあなたは」
「わたしも同じよ。私の経験と直感から言ってるの」
「直感って当たるんですか」
「当たる場合も、当たらない場合もあるわ」
貴志は由美をみつめたこの女性のまなざしを思い出した。この女性には不思議な雰囲気がある。 ひょっとしたら直感の極めて鋭い女性かもしれない。 そう考えているとその女性は立ち上がって貴志の傍に来て、耳元である予言をささやいた。 貴志は黙って聞いた。

女性は一杯飲み物を飲むとやがて店を出た。後には女性が残した言葉が空間に漂い、 二人の将来の方向を暗示しているようでもあった。
「あの女性はよくここに来られるんですか」と貴志はマスターに尋ねた。
「ずっと以前からたまに来られますが、私にもいつ来るか予想ができません。 気が向いたときに来られるようです」
「どういう方なんですか」
「よく分かりません」

3、排尿

そうこうするうちに檻の中で由美の体がもそもそし出した。 どうしたのだろう。気が付けば由美は檻の中に3時間も入っている。 おしっこは大丈夫なのだろうか。檻は冷えないように空調が整っており、裸で 快適に過ごせるようになっている。由美は便もおしっこもあまり行かないが、 裸であれば冷え性の由美は多少冷えるかもしれない。

マスターに聞いてもらうとおしっこが出かけているとのこと。 排尿感が強くなっているようである。約束は閉店時間の午前2時まで檻に入ることになっている。 由美も檻の中でおしっこがしたくなるとは考えていなかったようである。しかし現実に排尿感が強くなると我慢ができない。

実は貴志は一度、由美に強制排尿させたかった。由美は極力それを嫌がり、これまでの付き合いでも 絶対に貴志の前では排尿しなかった。今回、この店を訪ねたのも由美に人前で排尿させることができればと 願っていたのである。

貴志は檻の中の由美に約束の時間までは檻から出られないことを告げた。それを聞いて由美は絶望的な顔をした。 裸を見られることはさほど抵抗なくても、排尿だけは絶対に人に見られたたくない。そんなことは 想像外であるし、そんなことは人道に反すると由美は考えていた。 排尿を見たがる男性がいることは由美も知っていたし、そういったプレーもあることも知っていたが、 まさか自分がそうするとは。しかし貴志がそれを望むのなら、受け入れてもいいという気持ちも多少出てきた。

そうこうするうちに排尿感がますます強くなっていった。檻の中にはガラス製のワインクーラーが差し入れ られた。貴志はマスターに頼んで万が一由美が尿を床に漏らしても問題がないように 檻の床にシーツを敷いてもらった。

一方、由美にとって檻の床に尿をこぼす無様は絶対にできなかった。それこそ一生の恥であるし、 貴志にも合わす顔がない。ワインクーラーに排尿しろということであるが、ワインクーラーは全体が透明で、 これでは出た尿が周囲にすっかり見られてしまうではないか。

そうこうするうちに排尿感はますます強烈になり、尿が出口を求めて顔を出し始めた。 尿道口から少し溢れそうになってきた。由美はそれを抑えようと必死に力を入れた。まずは 言うことを聞いてくたが、次回は分からなかった。相手はしだいに力を増していく。 またやってきた。由美は抵抗した。次回は駄目かもしれない。こんなところで出すのは嫌だ。 見せるものじゃない。

しかしとうとうその時がやってきた。由美がいくら止めても尿は勝手に出て行く。もう抵抗は 諦めた。出るに任せるしかない。由美は力を抜いた。すると溜まりに溜まっていた膀胱内の尿は 思った以上のスピードで予想を超える量が次から次へと出て、ワインクーラーに溜まっていく。

恥ずかしかった。貴志だけならともかく、こんなに大勢の人の前で排尿するなんて。 由美は隠れたかった。しかし檻の中では隠れる場所もなく、排尿する姿を曝す しかない。もうこんなことは絶対やらない。しかし視野の片隅で貴志が喜んでいる顔が映った。

4、スナックを後にして

二人はスナックに閉店時間の二時までいて、マスターに別れを告げ、 近くの駐車場に置いてあった貴志の車に戻った。帰りはどうせ遅くなるから、遅くなってもよいように 車で来たのだった。

よい体験をしたと貴志は思った。しかし由美にとってはどうだったのだろうか。

帰りの車の中で運転をしながら、貴志は由美に尋ねた。
「どうだった」
「嫌だった。・・・でもよかった」
「また来ようか」
「・・・しばらくはいい」

貴志は由美との今後がどうなっていくか予想がつかなかったが、 一つだけははっきりしていた。 由美の性癖を受け入れていくこと。そして由美を大切にしたいということ。 もちろん由美とずっと今後一緒におられる保証はない。 途中でスナックに入ってきた不思議な女性の予言を貴志はふと思い出したが、 貴志は由美に対する現在のこの気持ちをずっと抱き続けられることを 強く祈るのであった。

戻る

スタートへ