Incomplete Discography of Jackie McLean


John Lenwood McLean

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last up date 2003. 2. 10

秋のパリ・コレDig : ★★★
Prestige 7012 (Recorded October 5, 1951)
- McLean(as) Miles Davis(tp) Sonny Rollins(ts) Walter Bishop(p) Tommy Potter(b) Art Blakey(ds) -
1.Dig 2.It's Only a Paper Moon 3.Denial 4.Bluing 5.Out of the Blue 6.Conception 7.My Old Flame

ちょっと聴くと録音の良くないハード・バップですが、録音年月を見ると1951年となっています。 一般にハード・バップはクール・ジャズ後の1954年、ブレイキー&JMのバードランド・ライブから、と云われています。 しかし、内容やメンバーを見渡しても、この一枚はまさにハード・バップではないでしょうか? さて、このアルバムの歴史的価値はさておいて、私の興味は「マクリーンの初吹込み」(これ以前の吹き込みがあるらしいですが)という一点に尽きます。 そのマクリーン氏はというと、まだ未完成ながらあの「こもりながら切裂くトーン」を聴くことができます。 フレーズなんかは同じやつを繰り返していて、「ううむ」なのですが、なんか説得力あるとこが凄いですね。 ちなみにこの時、スタジオにはチャーリー・パーカーが来て、マクリーンを見守っていたというエピソードがあります。 うらやましいですなあ。


性格の不一致Miles Davis vol.1 : ★☆
Blue Note 1501 (Recorded May 9, 1952)
- McLean(as) Miles Davis(tp) J.J. Johnson(tb) Gil Coggins(p) Oscar Pettiford(b) Kenny Clarke(ds) -
5.How Deep is the Ocian 7.Dear Old Stockholm 8.Chance It 9.Yesterdays 10.Donna(alt. master) 12.Would'n You(alt. master)
(Recorded April 20, 1953)
- Miles Davis(tp) J.J. Johnson(tb) Jimmy Heath(ts) Gil Coggins(p) Percy Heath(b) Art Blakey(ds) -
1.Tempus Fugit 2.Kelo 3.Enigma 4.Ray's Idea 6.C.T.A.(alt. master) 11.C.T.A

泣く子も黙るBlue Note 1500番台の第1号。 なんか雰囲気がおかしいんだよなあ。 楽しみで聴く、というよりは「お勉強」で聴くといった表現が適当かも知れません。 私自身あまり何度も聴いた記憶がないですね。 もっと古いパーカー時代のレコードなんて、良く聴くんですけどねえ。 Blue Note盤のマイルスとはなぜか相性が合いませんね。 マクリーンは「ディグ」吹き込みに比べて、かなりの進歩が聴き取れます。 まあ、マクリーン・ファンにとっては、買ってまで聴く必要はないと思いますが、いかがでしょう?


続・性格の不一致Miles Davis vol.2 : ★☆
Blue Note 1502 (Recorded May 9, 1952)
- McLean(as) Miles Davis(tp) J.J. Johnson(tb) Gil Coggins(p) OscarPettiford(b) Kenny Clarke(ds) -
3.Would'n You 6.Donna
(Recorded April 20, 1953)
- Miles Davis(tp) J.J. Johnson(tb) Jimmy Heath(ts) Gill Coggins(p) Percy Heath(b) Art Blakey(ds) -
4.I Waited for You 5.Ray's Idea(alt. master) 10.Tempus Fugit(alt. master)
(Recorded March 6, 1954)
- Miles Davis(tp) Horace Silver(p) Percy Heath(b) Art Blakey(ds) -
1.Take-Off 2.Weirdo 7.Well You Needn't 8.The Leap 9.Lazy Susan 11.It Never Entered My Mind

泣く子も黙る第2号。 vol.1のセッションにホレス・シルバーとのセッションを加えて、さらに別テイクを紛れ込ませた苦しい一枚。 vol.1もそうですが、この辺りのマイルスの演奏については、とやかく言いたくありません。(あ、もうvol.1で言ってしまっていたか) vol.1と同じく、マクリーン・ファンは特に持っておく必要はないアルバムでしょう。


待ち合わせMiles Davis and Milt Jackson : ★★
Prestige 7034 (Recorded August 5,1955)
- McLean(as) Miles Davis(tp) Milt Jackson(vib) Ray Bryant(p) Percy Heath(b) Arthur Taylor(ds) -
1.Dr. Jackle 2.Bitty Ditty 3.Minor March 4.Changes

前回吹き込みから3年後の、マイルスとの共演4作目。 アルバムの全4曲中、2曲がマクリーンの楽曲であることからも、マイルスのマクリーンに対する信頼を感じます。 私の好きな(3)はこのアルバムが初演です。 「ニュー・ソイル」→「アット・カフェ・ボヘミア」→「本作」と変遷してきた私は、次第に「...な気持ち」になっていったのを覚えています。 バイヴのサミー・デイヴィス・Jr.じゃなかったミルト・ジャクソンの参加で、サウンドが華やかなものになっています。


オリジナル・ジャケ喉の渇きLive! at Cafe Bohemia : ★★★
Progressive > Prestige (Recorded September 9, 1955)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) George Wallington(p) Paul Chambers(b) Arthur Taylor(ds) -
1.Johnny One Note 2.Sweet Blanche 3.Minor March 4.Snakes 5.Jay Mac's Crib 6.Bohemia After Dark

異様な熱気に包まれた1枚、ヤク関係のせいでしょうか? マクリーンのアルトもこの熱気に触発されてか全力疾走してます。(5)はSoftly as in a Morning Sunriseのチェンジを使ったバードのオリジナルだそうですが、サビの部分がモロパクです。ううむ、熱いですな。 (6)は言わずと知れたハード・バップの名曲。 (3)は1ヶ月前のセッションより、若干ハードになっていてマル。 ハード・バップ好きには堪らない一枚でしょう。 ちなみに、左側のジャケットがオリジナルです。 さすが、格調高し。 って良く見えませんな...。


ふくろうThe New Tradition : ★★★☆
Ad-Lib > Jubilee (Recorded October 21, 1955)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Mal Waldron(p) Doug Watkins(b) Ronald Tucker(ds) -
1.It's You or No One 2.Blue Doll 3.Little Melonae 4.The Way You Look Tonight 5.Mood Malody 6.Lover Man

通称「ネコのマクリーン」と呼ばれる初リーダー・アルバム。 ジャケット変更前の命名らしく、今ではどう見たって「ふくろう」です。ネコに羽はありませんね。 と、よく見れば羽と思っていた辺りに、トランペットやタイコやサックスらしき物体を発見。 なんじゃこりゃ。しっぽもあるし、ネコが新聞でも読んでるのかな? さて演奏の方はというと、初リーダー・アルバムとあって、気合いの入った演奏が続きます。 ここでの聞き物はや、はりマクリーンの代表作(3)でしょうか。 マクリーンのジャズ人生最大の「クサレ縁」とも言うべき、マル氏が密かに参加しているのも見逃せません。


スリムLights Out! : ★★★
Prestige 7035 (Recorded January 27, 1956)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Elmo Hope(p) Doug Watkins(b) Arthur Taylor(ds) -
1.Lights Out 2.Up 3.Lorraine 4.A Foggy Day 5.Kerplunk 6.Inding

ギャラのピンハネで有名なP社移籍第1作。 この後マクリーンは、P社から5万ドル余りをカスメ取られて、憤慨したそうです。 さて、演奏を聴いてみましょう。 (1)はリラックスしたブルースで、パーカーとは明らかに違ったアプローチのマクリーンを聴く事ができます。 バリエーション溢れるアドリブ・ラインで、飽きさせません。 (4)はマクリーンの独壇場です。 テーマ・メロディーが単純であるほど、そのテーマ解釈は難しいものになる訳ですが、マクリーンのテーマ解釈はいつも抜群で唸ってしまいます。 エルモ・ホープの参加が珍しい一枚でもあります。


退化論Pithecanthropus Erectus : ★★☆
ATLANTIC 1237 (Recorded January 30, 1956)
- McLean(as) J.R.Monterose(ts) Mal Waldron(p) Charlie Mingus(b) Willie Jones(ds) -
1.Pithecanthropus Erectus 2.A Foggy Day 3.Profile of Jackie 4.Love Chant

ジャズ史に残る名盤と言われているアルバムです。 タイトル通り(?)の学術的ムードの中で、マクリーンのソロは爆発できないまま流れ去ります。 しかし一人でこの雰囲気を作り出してしまうミンガスって、こわいですね。 やはり対等に渡り合えるのは、ローランド・カークとドルフィーくらいなのでしょうか。 マクリーンのサウンドも貢献しているのですが、別にマクリーンじゃなくてもいいのかな、と思えてきます。 聴かなくなって久しい筆頭アルバム、ごめんなさい。


タワーレコードThe Happy Blues : ★★☆
Prestige 7039 (Recorded April 23, 1956)
- McLean(as) Gene Ammons(ts) Art Farmer(tp) Duke Jordan(p) Addison Farmer(b) Art Taylor(ds) Candido(conga) -
1.The Happy Blues 2.The Great Lie 3.Can't We be Friends 4.Madhouse

プレステッジ恒例のオールスター・セッションで、タイトル通りのハッピーな一枚。 名盤「クール・ストラッティン」で共演したアート・ファーマーとは、本盤が初顔合わせです。 ジーン・アモンズはさすが「ボス」の貫禄、アーシーですねえ。 さて、演奏の方はジャムとあってリラックスした雰囲気で、キャンディドのコンガもリラックス・ムードに貢献しています。 (1)は12分近いブルースで、ソロのバック・リフが少し邪魔。 お勧めは、やはり(4)でしょうか。 ソロの掛け合いで特に感じるのですが、マクリーンの音色は時代を超越しています。 まあ、アモンズなんかはスタイルが全く違うので比較はできないのですが、スタイルの差を勘定に入れても、マクリーンの「音色」は斬新だと思います。 やっぱマクリーンは良いなあ。


ヒゲ4,5 and 6 : ★★★★☆
Prestige 7048 (Recorded July 13, 1956)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Mal Waldron(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
1.Sentimental Journey 2.Why was I Born? 3.Contour
(Recorded July 20, 1956)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Hank Mobley(ts) Mal Waldron(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
4.Confirmation 5.When I Fallin' Love 6.Abstraction

かつてセンチメンタル・ジャーニーを3週間かけてコピーした思い入れの強い一枚。 ジャズ入門にもぴったりだと思います。 さて、ここではタイトル通り、クァルテット・クインテット・セクステットでの演奏が収められていますが、迷わずクァルテットの(1)(2)(5)をお勧めします。 マクリーンの良さは、ワン・ホーンで一番発揮されていると思うのです。 これは、マクリーンの名盤と云われる物が、ほとんどワン・ホーンであることからも自信を持って言えます。 アルト吹きのたわごとだ、との声が聞こえてきそうですが、事実です。マクリーンの良さは、テーマ提示〜ソロに至る全ての「一筆書き」にある様に思います。 他のフロントが居てはじゃまなのです! ううむ、なんだか興奮してきましたが、そういうことを考えながら、もう1度聴いてみて下さい。 え? たわごとですって? そうかも...。


Jammin' with Gene : ★★
Prestige 7060 (Recorded July 13, 1956)
- McLean(as) Gene Ammons(ts) Art Farmer(tp) Donald Byrd(tp) Mal Waldron(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
1.Jammin' with Gene 2.We'll be Together Again 3.Not Really the Blues

マクリーン初期の名作「4,5&6」セッションと同日に録音された、アモンズのジャム・セッション物。 ファーマー以外は「4,5&6」と全く同一ですね。 当然の事ながら、これだけフロントが多いとホーン・アンサンブルのアレンジは凝るものなのですが、驚くべき事にそれらしき努力の跡は全くありません。 さてマクリーンのソロは全体的にまとまりに欠けますが、(1)では倍テンで燃えています。 部分的に「4,5&6」での良いフレーズが顔を出しますが、後が続かないといった感じで集中力が今一つです。 アルバムの最後の最後、「ひゅう」というアモンズの「終わったぜ」的なため息が聞かれますが、これは聴いている方も同感です。 フロント多すぎ...。


東京電力Mobley's Message : ★★☆
Prestige 7061 (Recorded July 20, 1956)
- McLean(as) Hank Mobley(ts) Donald Byrd(tp) Barry Harris(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
1.Bouncin' with Bud 2.52nd Street Theme 3.Minor Disturbance 4.Au Privave 5.Little Girl Blue 6.Alternating Current

Prestige 7048の音源を含むモブレイ名義の一枚。 マクリーンは(4)のみの参加ですが、オリジナル・キーじゃないのがちょっと残念です。 さて他の演奏はというと、まあこのメンバーを見れば大体予想が付くでしょうが、良い意味でも悪い意味でもその予想を裏切らない「ド・ハード・バップ」。 こういったアルバムは、よほどの個人的思い入れが無い限り、もろ手を挙げて推薦とはいかないですね。 演奏自体悪くはないのですが、いかんせん芯が無い、というのが第一印象でした。(だいぶ昔の感想ですが) しかし、たまに手にとって聴いてしまうという、不思議な一枚でもあります。


あひるTwo Trumpets : ★★☆
Prestige 7062 (Recorded August 3, 1956)
- McLean(as) Art Farmer(tp) Donald Byrd(tp) Barry Harris(p) Doug Watkins(b) Arthur Taylor(ds) -
1.The Third 2.Contour 3.When Your Lover Has Gone 4.Dig 5.'Round Midnight

同一楽器のセッション収録は、このレコード会社の経営方針だったのでしょうか。 これはペットの双頭リーダー・セッションで、マクリーンは(1)(2)(4)で客演しています。 (2)は「456」録音3週後の、ほぼ同じメンバーによる再演。 私としては、ソロがまとまっている「456」の方が好きです。 (4)もマクリーン2度目の吹き込みで、マイルスの「ディグ」でやってます。 初吹き込み盤ということもあって、「ディグ」でのマクリーンの演奏はバックに押され気味でしたが、当盤ではチェンジの起伏を押さえたラインで、リズムを引っ張っています。


顔かせJackie's Pal : ★★★
Prestige 7068 (Recorded August 31, 1956)
- McLean(as) Bill Hardman(tp) Mal Waldron(p) Paul Chambers(b) "Philly" Joe Jones(ds) -
1.Sweet Doll 2.Just for Marty 3.Dee's Dilemma 4.Sublues 5.Steeplechase 6.It Could Happen to You

ハードマンとの初共演でリズム隊がすごい一枚。 「I Got Rhythm」のチェンジを使ったパーカーの(5)は、パーカー・フレーズのエッセンス(省略とも言える)を吸収したマクリーンのソロに興味が湧きます。 しかし、マクリーンってバップ・フレーズの美味しいところをよく押さえてますねえ。 (6)ではハードマンを大きくフューチャーしてますが、マクリーンのテーマも聴きたかった。 この曲好きなんだよなあ。 特徴あるタンギングのハードマンのペットもなかなかです。


Drum Suite : ★★★
CBS (Recorded December 13, 1956)
- McLean(as) Bill Hardman(tp) Sam Dockery(p) Jimmy 'Spanky' DeBrest(b) Art Blakey(ds) -
4.Nica's Tempo 5.D's Dilemma 6.Just for Marty
- Art Blakey(ds) Jo Jones(ds) Candido(bongos) Sabu(bongos) Ray Bryant(p) Oscar Pettiford(b,cello)
Charles Wright(ds,tympani,gong)
1.The Sacrifice 2.Cubano Chant 3.Oscalypso

CBSに吹き込まれたJM物の一枚。 前半はパーカッション中心のアフリカン・ミュージックで、ジャケやパーソネルをご覧になれば大体の演奏内容は想像はつくかと思います。 さて、マクリーン参加の(4)〜(6)を聴いてみましょう。 (4)でのマクリーンは珍しく1つのモチーフを発展していくソロ展開を見せます。 切り裂くトーンが何とも言えずマクリーンですね。 (5)を聴いてふと思ったのですが、ハードマンのフレーズの随所にマクリーンの影響(模倣)が見て取れます。 節回しなんかそっくりですね。 (6)はこのアルバムでのベスト・トラック。 ラテン〜4ビートのテーマ(これがまたカッコイイ)を経てソロ・ブレイクする構成は、実にゾクゾクしますね。 マクリーンはブレイクから飛ばしていますが、印象に残るのはブレイクの部分。 可も無く不可も無くといったソロです。


構え方McLean's Scene : ★★★★
New Jazz 8212 (Recorded December 14, 1956)
- McLean(as) Bill Hardman(tp) Red Garland(p) Paul Chambers(b) Arthur Taylor(ds) -
1.Gone with the Wind 3.Mean to Me 4.McLean's Scene
(Recorded February 15, 1957)
- McLean(as) Mal Waldron(p) Arthur Phipps(b) Arthur Taylor(ds) -
2.Our Love is Here to Stay 5.Old Folks 6.Outburst

スタンダードがたくさん入った名盤。 なんか、つい聴きたくなってしまうのは私だけでしょうか? ワン・ホーンで渋く歌いあげる(5)があるかと思えば、(6)はいきなりフル・パワーで飛ばしまくり、「おいおい、このテンポで大丈夫ですか」と、聴いてるこっちが手に汗握る快演。 「マクリーンはテクニックが無い」と言ったヤツ、そこへ直れ! まあ私も、マクリーンのテクニックが、超一流でないのは認めますが。 でもテクニックだけじゃ、こんな演奏はできないのですよ。 この危うさが、マクリーンの演奏にスリルを与えているのでしょう。 危うさを魅力にできる演奏家なんて、そうざらにはいませんね。 やっぱりマクリーンは偉い! (3)のフォー・バースで、思わず出てしまうパーカー・フレーズもご愛嬌。


Funky : ★★☆
Prestige 7083 (Recorded January 11, 1957)
- McLean(as) Gene Ammons(ts) Art Farmer(tp) Mal Waldron(p) Kenny Burrell(g) Doug Watkins(b) Arthur Taylor(ds) -
1.Funky 2.Pint Size 3.Stella by Starlight 4.King Size

恒例のアモンズ・ジャム・セッションで、今回はケニー・バレルをアクセントにしたかった様です。 いかにもアフター・アワー・セッションといった感じの(1)は、リラックスしきった演奏でかなり退屈。 この日は皆さん忙しくて疲れていたのでしょうか。 日活アクション映画風のイントロが良い味を出す(2)は、マクリーンのソロもなんだかねむたげで、後半やっと目を覚まします。 続く(3)はアモンズが朗々とテーマを唄い上げ、全員再び熟睡体制に入りますが、さすがにまずいと思ったのかソロはテンポを上げています。 この辺りからようやくメンバーの調子が上ってきて、(4)ではマクリーン〜バレルの掛け合いも好調。 ボリュームをかなり上げないと、聴いてる事を忘れてしまうという不思議な一枚です。


ritual : ★★★
Pacific Jazz (Recorded January 14, 1957)
- McLean(as) Bill Hardman(tp) Sam Dockery(p) Jimmy 'Spanky' DeBrest(b) Art Blakey(ds) -
1.Little T 4.Once Upon a Groove 5.Sam's Tune 6.Touche
(Recorded February 11, 1957)
- McLean(as) Bill Hardman(tp) Sam Dockery(p) Jimmy 'Spanky' DeBrest(b) Art Blakey(ds) -
2.Exhibit A 3.Scotch Blues 7.Wake Up 8.Art Blakey's Comments on Ritual 9.Ritual

メッセンジャーズ在籍中の一枚で、パシフィック・ジャズ録音の一枚。 演奏内容はストレートなハード・バップで、あまりメッセンジャーズ物という事を意識せずに聴けるアルバムでしょう。 この時代のメッセンジャーズはあまり評価が高くない様ですが、なるほど「メッセンジャーズ臭」はありませんね。 さて、ここでのマクリーンは安定していて、好演といったところでしょうか。 アップ・テンポの(2)(5)(7)などで快調に飛ばしています。 タイトル曲の(8)はメンバー全員がパーカッションを手に、アフリカンな儀式をにぎやかに繰り広げてます。 CD追加の(1)(2)は、エルモ・ホープ・クインテットとメッセンジャーズのカップリング盤に収録されていた、当盤の同一セッション。


卒業アルバムJackie McLean & Co. : ★★
Prestige 7087 (Recorded February 8, 1957)
- McLean(as) Ray Draper(tuba) Bill Hardman(tp) Mal Waldron(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
1.Flickers 2.Help 3.Minor Dream 4.Beau Jack 5.Mirage

サウンド・カラーが重い一枚です。 チューバをフロントで使うアイデアはすごいと思いますが、なんか耳にもたれてしまいます。 マクリーンが計算していたかどうかは分りませんが、このアルバムの良さは、その重いサウンドを切り裂くようなアルト・サウンドのような気がします。 もたもたと地の底を這いずるサウンドに飽きてきたなと思う瞬間、鋭い刃物のようにサウンドを切り裂いて登場するマクリーン。 これだけがこのアルバムの楽しみなのです。 そう思うのはきっと、私だけでしょうね。


草原の私Strange Blues : ★★
Prestige 7500 (Recorded February 15, 1957)
- McLean(as) Mal Waldron(p) Art Phipps(b) Art Taylor(ds) -
1.Strange Blues 3.What's New?
(Recorded July 12, 1957)
- McLean(as) Webster Young(tp) Ray Draper(tuba) John Meyers(p) Bill Salter(b) Larry Ritchie(ds) -
2.Millie's Pad 4.Disciples Love Affair 5.Not So Strange Blues

「マクリーンズ・シーン」(1957年2月15日)とレイ・ドレイパー名義アルバム(7月12日)のアルバム未収録音源。 しかし、冴えないジャケットだなあ。 期待の2月15日ワン・ホーン・セッションの(1)は、今一つ音楽的クライマックスに欠けるソロで残念。 (3)の出来はなかなかなのですが、いかんせんBN4024の印象が大きすぎて、ちょっと退屈です。 もう少し早いテンポ設定だったら、名演になったのではないでしょうか。 ちなみに寄せ集めの当盤には、当然「アルバム・コンセプトはないはず」なのですが、収録日の違う(1)(5)の曲名が対になっています。(共にマクリーン作とクレジットされている) 発売元が勝手に付けた曲名なのでしょうか。 なんか変な名前だし。


ロダン作A Long Drink of the Blues : ★★★☆
New Jazz 8253 (Recorded February 15, 1957)
- McLean(as) Mal Waldron(p) Arthur Phipps(b) Arthur Taylor(ds) -
2.Embraceable You 3.I Cover the Waterfront 4.These Foolish Things
(Recoeded August 30, 1957)
- McLean(ts,as) Webster Young(tp) Curtis Fuller(tb) Gil Cogins(p) Paul Chambers(b) Louis Hayes(ds) -
1.A Long Drink of the Blues(take 1 and 2)

(1)で、マクリーンのテナーと声が聴ける貴重な一枚です。 問題のテナーはといえば、ラインはアルトのまんま、サウンドは豪放。 無理矢理たとえれば、ロリンズとゴードンを足してモブレーで割った感じ(相当無理あるか)。 アルトに持ち替えてからのマクリーンはCool Struttin’でのフレーズに近いメロディックなラインで、やっぱマクリーンはアルトと再確認。 (2)(3)はレフト・アローンに通じる泣き節で、ビリー・ホリデーゆかりの曲+マルという設定も泣かせます。


急いで口で吸えMakin' the Changes : ★★★
Prestige 8231 (Recorded February 15, 1957)
- McLean(as) Mal Waldron(p) Arthur Phipps(b) Arthur Taylor(ds) -
1.Bean and the Boys 3.I Never Knew 4.I Hear A Rhapsody
(Recorded August 30, 1957)
- McLean(as) Webster Young(tp) Curtis Fuller(tb) Gib Coggins(p) Paul Chambers(b) Louis Hayes(ds) -
2.What's New 5.Jackies Ghost 6.Chasin' the Bird

2月15日のセッションは素晴らしいですね。 この日のマクリーンにハズレはありません。 フリー・テンポでテーマを歌い上げた後イン・テンポとなる(4)は、ソロがいまいちで残念ですが、印象深い作品です。 カーティス・フラー参加のセッションの方はサウンドが良い感じで、個人的にはチューバとのサウンドより、こちらの方が好きです。 (2)ではマクリーンのテーマがやや浮いているように思われます。 やはりテーマはマクリーン一人で吹いたほうが良いのではないでしょうか。 まあアルバムとしては、平均的な出来ではないかと思います。


Taylor's Wailers : ★★☆
Prestige 7117 (Recorded February 25, 1957)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Charlie Rouse(ts) Ray Bryant(p) Wendell Marshall(b) Art Taylor(ds) -
1.Batland 3.Exhibit A 4.Cubano Chant 5.Off Minor 6.Well You Needn't
(Recorded March 22, 1957)
- John Coltrane(ts) Red Garland(p) Paul Chambers(b) Art Taylor(ds) -
2.C.T.A.

超多忙ドラマーの率いるレギュラー・グループ「テイラーズ・ウェイラーズ」名義の一枚。 このグループの活動期間は半年間しかなかったそうで、アルバムとして残っているのは当盤のみのようです。 テイラーのリーダー・コンボとはいえ、でしゃばり過ぎないサポートはさすがで、引っ張りだこだったのもうなずけますね。 さて、ここでのマクリーンは燃焼度が今一つといった印象を受けるのですが、このグループの目指していた「新しいハード・バップ」というコンセプトに照らし合わせてみると、試行錯誤しながらの演奏ではないかと思うのです。 特に(3)では、この時期によく使っていたフレーズに所々アウト的な音を織り交ぜており、よく聴くと興味深い内容となっています。 (2)は何故か一緒にアルバムに入れられた、コルトレーン・ガーランド クァルテットの演奏。


Two Guitars : ★★★☆
Prestige 7119 (Recorded March 5, 1957)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Kenny Burrell(g) Jimmy Raney(g) Mal Waldron(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
1.Blue Duke 2.Dead Heat 3.Pivot 5.Little Melonae 6.This Way
- Kenny Burrell(g) Mal Waldron(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
4.Close Your Eyes
- Jimmy Raney(g) Mal Waldron(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
7.Out of Nowhere

プレステッジ恒例、オール・スター・ジャム盤です。 マルのペンによるミディアム・テンポのブルース(1)は、各人のソロが楽しめるナンバー。 御大マクリーンは1コーラス目後半から早くも倍テンへ持ち込み、短いながらも構成力あるソロを展開しています。 (4)は私の好きなスタンダード・ベスト3に入る「I'll Close My Eyes」で、バレルの押さえ気味の渋い唄が素晴らしい出来です。 この一曲でバレルに軍配でしょう。 しかし個人的には、この曲はマクリーンに演って欲しかったですね。 「今宵の君は」のチェンジを借りたアップテンポの(6)では、マクリーンが凄まじいソロを展開します。 このアルバムは構成がしっかりしており、プレステッジのセッション物としてはかなり出来の良いアルバムだと思います。マクリーンの出来も、この時代としては最高と付け加えておきましょう。 マクリーン節全開!


Midnight Session : ★★☆
Elektra > Savoy (Recorded March 8-9, 1957)
- McLean(as) Bill Hardman(tp) Sam Dockery(p) Jimmy 'Spanky' DeBrest(b) Art Blakey(ds) -
1.Casino 2.The Biddie Griddies 3.Potpourri 4.Ugh! 5.Mirage 6.Reflections of Buhainia

当時のメッセンジャーズのレギュラー・メンバーによる一枚。 全体として爆発力に欠けるアルバムですが、マクリーンのソロはなかなかの出来だと思います。 うねうねと続く長いラインと濁りマクリーンが堪能できる一枚と言えるでしょう。 さて、当アルバムのクライマックス、ブレイキーを大きくフューチャーした(4)では、ブレイキー渾身のサポートを得て、ハードマンが燃え、そのテンションのまま続くマクリーンが凄い。 (5)は曲もフロント陣も良いのですが、リズム隊が張り切り過ぎて、単調な出来に終わり残念です。 やはりこの時期のメッセンジャーズに欠けていたのは、音楽監督(アレンジャー)なのでしょう。 ちなみにこのジャケットは、Savoy盤のもので、オリジナルElektra盤のウラ焼きだそうです。


2003. 2. 10 New!

Tuba Sounds : ★☆
Prestige 7096 (Recorded March 15, 1957)
- McLean(as) Webster Young(tp) Ray Draper(tuba) Mal Waldron(p) Jimmy 'Spanky' DeBrest(b) Ben Dixon(ds) -
1.Terry Anne 2.You're My Thrill 3.Pivot 4.Jackie's Dolly 5.Mimi's Interlude 6.House of Davis
>

イントロデューシング・ウェブスター・ヤングでドレイパー初のリーダー名義盤! 大書されたジャケからは、「何か大変な事態が起こるのではあるまいか」という緊張感が伝わり、期待感はいやが上にも高まりますが落ちついてください。 特に変わったことは起こりません。 Bbブルースで幕を開けるいかにもプレステッジ的なセッションですが、名義人をはっきり主張するためか、ドレイパー以外のメンバーはコマギレ・ソロしか渡りません。 最悪です。 ヘッド・アレンジらしき片鱗も伺えますが、(2)(4)のエンディングなどは背筋が凍り身の毛がよだつダサさです。 最悪です。 おっとマクリーンのソロですが、この時代の平均的な出来と思いますが、いかんせん短かすぎ。


あと一歩でオリジナル野生回帰A Night in Tunisia : ★★★★
Vik (Recorded April 8, 1957)
- McLean(as) Johnny Griffin(ts) Bill Hardman(tp) Sam Dockery(p) Jimmy 'Spanky' DeBrest(b) Art Blakey(ds) -
1.A Night in Tunisia 2.Off the Wall 3.Couldn't be You 4.Theory of Art 5.Evans

長い間探していたメッセンジャーズ物の一枚。 非道なことに、中東風の素晴らしいアルバム・ジャケットは、見るも無残なサル顔にすり替えられ、トドメのタイトル変更、泣けてきます。 (右側のジャケ参照) しかし、苦労して見つける甲斐のある素晴らしい演奏です。 マクリーンは泣き叫ぶは、グリフィンはくねり廻るは、ハードマンは切れまくるは、ブレイキーは嵐を呼ぶは、物凄いテンション。 ベースの録音が悪いのを除けば、これは買いです。 (4)をはじめ、どのナンバーも傑出した出来なのですが、なんといっても興味深いのが(3)。 聴けば分るように、これは「ジャッキーズ・バッグ」収録の「Fidel」ではないですか。 しかもクレジットには、「ブレイキー&マクリーン作」とあります。 ううむ、新発見。 フロントの分厚い「音色の」ハーモニーにも要注目で、このメンバーでの録音がこれ一枚きりというのは残念。


Jammin' in Hi Fi with Gene Ammons : ★★★
Prestige 7110 (Recorded April 12, 1957)
- McLean(as) Gene Ammons(ts) Idrees Sulieman(tp) Kenny Burrell(g) Mal Waldron(p) Paul Chambers(b) Art Taylor(ds) -
1.The Twister 2.Four 3.Pennies from Heaven 4.Cattin'

一連のアモンズ・オール・スター・セッションですが、ワトキンスが抜けてチェンバースが参加しています。 (1)はアモンズのアーシーさが良く出たマルのオリジナル・ナンバー。 マクリーンは「チーク・トゥ・チーク」を引用したり、良く唄うフレーズで素晴らしい出来のソロです。 アモンズとバレルのフリー・テンポのデュオで始まる(3)は、イン・テンポになってからもソロ・スペースがたっぷりあるので、それぞれの個性を楽しめます。 シュリーマンのミュート・プレイや、マクリーンのちょっとズレた「唄」が最高ですね。 チェンバース参加でバッキングが締まり、フロント陣も軽快にスイングしたアルバムです。


ドラキュラ伯爵Mal/2 : ★★★
Prestige 7111 (Recorded April 19, 1957)
- McLean(as) Bill Hardman(tp) John Colteane(ts) Mal Waldron(p) Julian Euell(b) Art Taylor(ds) -
2.J.M.'s Dream Doll 5.Don't Explain 6.Potpourri 7.Blue Calypso 8.Falling in Love with Love
(Recorded May 17, 1957)
- Idrees Sulieman(tp) Sahib Shihab(as,bs) John Coltrane(ts) Mal Waldron(p) Julian Euell(b) Ed Thigpen(ds) -
1.From This Moment On 3.The Way You Look Tonight 4.One by One

マクリーンは4月19日のセッションのみ参加ですが、「神懸かり前コルトレーン」との共演が聴ける貴重なアルバムです。 さて、演奏の方は、(3)のアレンジが古臭くてなかなか良いですね。 サヒブ・シハブの音を聴いた事がないのですが、ここでの演奏を聞く限りはスイング・アルトをルーツに持っているバッパーの様です。(音色はウッズですね) バップ一直線(当時)のマクリーンと聞き比べてみるのも、なかなか面白いのではないでしょうか。 内容とは裏腹に発売後すぐに廃盤になったという、通好みの一枚です。 ちなみにCD追加の(7)(8)は、マル名義の「ザ・ディーラーズ」に収録されている、マクリーン参加音源です。


滴れちゃったあAlto Madness : ★★★
Prestige 7114 (Recorded May 3, 1957)
- McLean(as) John Jenkins(as) Wade Legge(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
1.Alto Madness 2.Windy City 3.The Lady is a Tramp 4.Easy Living 5.Pondering

アルト・プレイヤー必携の一枚。 演奏スタイルの良く似たジェンキンスと熱いアルト・バトルを繰り広げています。 個人的にはバトル物(?)はあんまり好きじゃありませんが、マクリーンとなれば話は別です。 とは言うものの、やっぱバトルの宿命というかなんと言うか、ショウですねこれは。 スタイル・音色があまりにも似すぎてる人たちのバトルってのも、案外つまらないことを発見。 なんかワンホーンの演奏を脈絡なくツギハギした印象を受けてしまいます。 歳を重ねるにしたがって、益々聴かなくなってきた一枚。 まあ、マクリーンの音が聴ければいいや。


♪南ぃに〜、向い〜てる窓ぉ開け〜。Bird Feathers : ★
New Jazz 8204
(Recorded March 29, 1957) - Phil Woods(as) Gene Quill(as) George Syran(p) Teddy Kotick(b) Nick Stabulas(ds) -
1.Solar 4.Airegin
(Recorded May 3, 1957) - McLean(as) John Jenkins(as) Wade Legge(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds) -
2.Bird Feather
(Recorded December 27, 1957) - Hal McKusick(as) Billy Byers(tb) Eddie Costa(p) Paul Chambers(b) Charlie Persip(ds) -
3.Interim 5.Don't Worry 'Bout Me 6.Con Alma

「フィル・トーク・ウィズ・クイル」「アルト・マッドネス」「トリプル・エクスポージャー」のボツ・テイク集。 CD化されているのは、マクシックの演奏が入っている故か、と勘繰りたくなる演奏です。 唯一マクリーン参加の(2)は、10分を超えるバトルを繰り広げた後、なぜかフェイド・アウト。 録音でNGを出すにしてはタイミングが遅すぎるし、LP収録時間の関係なのでしょうか? しかし、ボツ・テイク集からさらにハサミを入れられてしまう演奏って一体...。


Fat Jazz : ★★
Jubilee (Recorded December 27, 1957)
- McLean(as) Webster Young(cor) Ray Draper(tuba) Gil Coggins(p) George Tucker(b) Larry Ritchie(ds) -
1.Filide' 2.Millie's Pad 3.Two Songs 4.What Good am I Without You 5.Tune Up

もたもたサウンドをマクリーンが切り裂き叫ぶ、「痛快シリーズ」第2弾。 第1弾が好評だったとでも言うのでしょうか。 謎がナゾを呼びます。 さて、今回はコルネットを入れて軽快な仕上りかというと、さにあらず。 タッカーの重厚なベースのおかげで、重苦しさはパワー・アップしており、マクリーン登場をさらに劇的に演出するといった絶妙のキャスティングとなっています。 いきなり楽器のチューニングから幕を開ける(5)は、明らかにソロの順番がマズイですね。 マクリーンの目くるめくフレーズが終わり、やおら登場する「モー・モー・モー...」。 いったいなんだ、これは。 さすがにこれはマズイと気付いたのか、素早いウェブスターの登場で事無きを得ます。 これはイジメなのでしょうか。 エンディングも図った様にダサダサで、これは一杯食わされたと膝を打つシカケ。 B級の上を行く、愛すべきC級企画盤なのでありました。 手元の資料によると「11月27日録音」となっていますが、CDでは「12月27日録音」との表記。 ううむ、いったいどっちが本当なのでしょう。 まあ、どっちでもいいんですけどね。


オリジナル千鳥足サラリーマンの敵Cool Struttin' : ★★★★☆
Blue Note 1588 (Recorded January 5, 1958)
- McLean(as) Art Farmer(tp) Sonny Clark(p) Paul Chambers(b) "Philly" Joe Jones(ds) -
1.Cool Struttin' 2.Blue Minor 3.Shippin' at Bells 4.Deep Night

マクリーンをというか、日本における「ジャズ」を象徴する様な一枚。 発売当時のアメリカでは、初回プレスの500枚!すら売れ残ったそうです。 それが日本でバカ受けしてしまったのです。 ’86年 Mt.Fujiジャズ・フェスティバル「トリビュート・トウ・ソニー・クラーク」での一幕、「クール・ストラッティン」 の出だし「プパーパ」が演奏された瞬間、ああなんてこった、まさにその瞬間、場内総立ち・絶叫の渦!(ジャズ・フェスです念の為) マイケル・カスクーナ腰抜かす。 私、ナミダする。という訳の分からないことになりました。 それくらい凄いアルバムなのです。 ううむ、良く分かりませんね。 ちなみに私は高校時代、毎日最低3回は聴いていました。 このアルバムの特徴は、何と言ってもメンバー全員のソロが良く歌っており、本当に「口ずさめる」ところではないでしょうか。 自転車で登校(笑)しながら、よくソロを歌っていたことを思い出します。 そうです、これは「幸せのジャズ」なのです。 ジャズを聴いてみたいけど、何を聴いたらいいの? という人にもぴったりのアルバムでしょう。 え? 何でそんなに良いアルバムが4つ星半の評価かって? そりゃ、ワン・ホーンじゃないですもの。 ちなみにオリジナル・ジャケは左側で、右は日本限定発売の別テイク・ジャケ。 ああ、財布が...。


ひどい...Sonny Clark Quintets : ★★☆
Blue Note 1592 (Recorded December 8, 1957)
- Cliford Jordan(ts) Kenny Burrel(g) Sonny Clark(p) Paul Chambers(b) Pete La Roca(ds) -
3.Minor Meeting 4.Eastern Incident 5.Little Sonny
(Recorded January 5, 1958)
- McLean(as) Art Famer(tp) Sonny Clark(p) Paul Chambers(b) "Philly" Joe Jones(ds) -
1.Royal Flash 2.Lover

BN 1588に漏れた音源(1)(2)を含むクラーク名義の一枚。 このアルバム、曲順やレコード番号まで決まっていながら、なぜかお蔵入りになったそうです。 詳しい理由は分かりませんが、「クール・ストラッティン」でも書いたように、アメリカでのセールス不信が原因ではないでしょうか。 ソニー・クラークの評価は低かったそうですからね。 しかし、聴く限りはそんなまずい演奏とは思えません。 いくらBlue Noteが、ミュージシャン・サイドに立った経営をやっていたと言っても、やはりそれなりにウレセンの分析をやっていたのでしょうね、なんせ商売ですからね。 しかし、このジャケットはあんまりだあ。


エンスト...Off to the Races : ★★☆
Blue Note 4007 (Recorded December 2, 1958)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Pepper Adams(bs) Wynton Kelly(p) Sam Jones(b) Art Taylor(ds) -
1.Lover Come Back to Me 2.When Your Love Has Gone 3.Sudwest Funk 4.Paul's Pal 5.Off to the Races 6.Down Tempo

バードのBlue Note移籍第1作。 バリトンのアダムス参加に目が留まる一枚で、リズム隊も最高のメンバーです。 さて、聴き所はやはり超高速で演奏される(1)でしょうか。 バードと、特にアダムスの素晴らしいソロに圧倒されてか、マクリーンの影が薄いのが残念ですが、このテンポでマクリーン節はハマらないでしょうからやむなしですかね。 しかし、テンポを落とした他の曲でも、マクリーンのソロには冴えがないように感じられます。 思うに、このアルバムの収録は(1)から行われたのではないでしょうか。 アダムスのテクニックに圧倒されて、創造意欲が失せて(腰が引けて)いるように感じます。 メンタルな世界ですからねえ。


オリジナル・お蔵野朗路上歌手Jackie's Bag : ★★★☆
Blue Note 4051 (Recorded January 18, 1959)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Sonny Clark(p) Paul Chambers(b) "Philly" Joe Jones(ds) -
1.Quadrangle 2.Blues Inn 3.Fidel
(Recorded September 1, 1960)
- McLean(as) Blue Mitchell(tp) Tina Brooks(ts) Kenny Drew(p) Paul Chambers(b) Art Taylor(ds) -
4.Appointment in Ghana 5.A Ballad for Doll 6.Isle of Java 7.Street Singer 8.Melonae's Dance 9.Medina

複数セッションの寄せ集め盤。 (1)(2)(3)のメンバーは「クール・ストラッティン」とほぼ同じですが、1年の間にマクリーンの演奏がハードになってきていることに気付きます。 特に(1)でのマクリーンは凄まじく、火の出るような熱演です。 マクリーン作の(4)(5)を聴いてみて下さい。 ゴルソンなんかを彷彿とさせるハーモニーですが、ティナ・ブルックス作の(6)とは明らかに違った質感があり、作・編曲の才能も見せてくれます。 アルト・ペットのフロント、という音域的ハンデを克服した好例というか、こうするしかないのかな。 (7)〜(9)はCDのみのボーナス・トラック。 右側のジャケは、「Street Singer」のタイトルで9月1日のセッション(4)〜(9)を編集したアルバム。 ちなみに(7)は、ティナ・ブルックスの「Back to the Tracks」に収録されていますが、このアルバムはレコード番号まで決まっていながら、何故かオクラ入りしていたというイワクありげな一枚。 さらに「Jackie’s Bag」もお蔵アルバムだったそうです。 ああ、ややこしい。


道祖神Blues & Roots : ★★★
ATLANTIC 1305 (Recorded February 4, 1959)
- McLean(as) John Handy(as) Booker Ervin(ts) Pepper Adams(bs) Jimmy Knepper(tb) Willie Dennis(tb)
Horace Parlan(p) Mal Waldron(p) Charles Mingus(b) Dannie Richmond(ds) -
1.Wednesday Night Prayer Meeting 2.Cryin' Blues 3.Moanin' 4.Tensions 5.My Jelly Roll Soul 6.E's Flat Ah's Flat Too

錚々たるメンバーによるミンガス物で、マクリーンとハンディの貴重な共演盤。 ミンガスも絶好調で、得意の「イェ〜、俺知ってる〜。」を連発しております。 さてマクリーンですが、混沌としたサウンドから浮かび上がる、独特のクセのあるマクリーン・サウンドが聴き所といえるでしょう。 割に多目のソロ・スペースでは、「マクリーン・クァルテットのアルバム」みたいな雰囲気に変わり、存在感十分ですね。 個人的には「直立猿人」より、こっちのアルバムの方を買っています。 マクリーンを抜きにしても、この一枚はお勧めでしょう。


怪しい手付きNew Soil : ★★★★
Blue Note 4013 (Recorded May 2, 1959)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Walter Davis Jr.(p) Paul Chambers(b) Pete La Roca(ds) -
1.Hip Strut 2.Minor Apprehension 3.Greasy 4.Sweet Cakes 5.Davis Cup
6.Formidable

マクリーンのBlue Note移籍第1作。 このアルバムで印象に残るのは、意外にもピート・ラ・ロッカの繰り出すリズムです。 このリズム無くして、(2)が名演とはなり得なかったのではないでしょうか。 ほぼ同じメンバー(ピアノ・ドラムスのみ別)によるアット・カフェ・ボヘミア(ジョージ・ウォーリントン)の「マイナー・マーチ」と同じ曲なのですが、本作と比較すると出来の差は歴然です。 (マイルス&ミルト・ジャクソン盤と比較してはいけません) しかし、かっこいいなあ。 この1曲だけでも本アルバムは買いです。 この時代のマクリーンの音色は、「ダークさ」と「鋭さ」のバランスが絶妙です。 こういう音色憧れるなあ。 ちなみに、この吹き込みで使ったのは、息子ルネのアルトだったらしいですね。 右のジャケは輸入盤のもので、「Vertigo」に分散収録されていた(6)の為に購入。 再発された「Vertigo」には収録されていなかったもので...。 ジャケが僅かに違うところが唯一の救いですね。


良い人。Davis Cup : ★★★☆
Blue Note 4018 (Recorded August 2, 1959)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Walter Davis Jr.(p) Sam Jones(b) Art Taylor(ds) -
1.'smake It 2.Loodle-Lot 3.Sweetness 4.Rhumba Nhumba 5.Minor Mind 6.Millie's Delight

日本で人気の高いピアニスト、ウォルター・デイヴィス・Jr.のBlue Note唯一のリーダー・アルバムで、彼のペンによる親しみ易いメロディーが全曲に溢れた人気盤です。 彼のピアノは、強めのタッチのコンピングでバックを盛り上げてくれて、マクリーン・バードも素晴らしいソロを展開しています。 (1)(2)なんて聴いているとウキウキしてきますね。 ここでのマクリーンはリラックスしたソロながらも、マクリーン臭いフレーズを淀みなくヒットして、存在感をアピールしています。 (3)のバラッドは硬派で私好みなのですが、マクリーン不参加が残念。


三段活用Swing Swang Swingin' : ★★★★★
Blue Note 4024 (Recorded October 2, 1959)
- McLean(as) Walter Bishop Jr.(p) Jimmy Garrison(b) Art Taylor(ds) -
1.What's New 2.Let's Face the Music and Dance 3.Stable Mates 4.I Remember You 5.I Love You 6.I'll take Romance
7.116th and Lenox

全編ワン・ホーンです。 しかもマクリーン作のブルース(7)以外は、全てスタンダード・ナンバーという、まったく堪えられない内容です。 このアルバムからどれか1曲選べと言われても、ちょっと迷ってしまいます。 そこをなんとか1曲、という事になってしまったら...やはり無理。 (1)〜(7)が全てそろって、初めて「スウィング・スワング・スウィンギン」なのです。 小難しい解説は不要、体が求める音楽(なんか危ないな)がここにあります。 聴くべし。


爪噛みFuego : ★★★
Blue Note 4026 (Recorded October 4, 1959)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Duke Pearson(p) Doug Watkins(b) Lex Humphries(ds) -
1.Fuego 2.Bup A Loup 3.Funky Mama 4.Low Life 5.Lament 6.Amen

ジャズ喫茶の人気盤だったそうですが、私はジャズ喫茶で聴いた記憶がありません。 まあ、時代やお店のオヤジ殿の趣味が違っていたのでしょう。 その昔、出前持ちが「モーニン」を口ずさみながら〜という逸話がある程ですから、当盤のようなファンキー路線は人気あったんでしょうね。 さてこの年の3月から4月にかけて、マイルスはかの名作「カインド・オブ・ブルー」を吹き込んでいます。 ファンキーとはおよそかけ離れた音楽が、すでに生まれていたのです。 バードがそれを聴いたかどうかは知りませが、(1)のソロ・アプローチは、マイルスを意識したと思えて仕方ありません。 新しい音楽と、ウレセン・ファンキーとの間で、気持ちが揺れていたのではないでしょうか。 ちなみに私の好みは、(1)でもファンキー路線(4)(5)(6)でもなく、実は(3)だったりします。


おばけLeft Alone : ★★★
Bethlehem (Recorded ? ?, 1960)
- McLean(as) Mal Waldron(p) Julian Euell(b) Al Dreares(ds) -
1.Left Alone 2.Cat Walk 3.You Don't Know What Love Is 4.Minor Pulsation 5.Airegin
6.Mal Waldron:The Way He Remembers Billy Holiday

仕組まれた運命の第一歩となった有名盤。 マクリーンは(1)のみ参加ですが、他のマル・トリオの演奏も素晴らしいです。 音楽とは直接関係ありませんが、自称「ジャズ・ファン」の方は早目にこのアルバムを買うようお勧めします。 「(1)は耳タコだけどアルバム持ってない。」という方は、推定16万人いると伝え聞きます。 ジャズにはまるにつれ、こういった名盤を買うのは勇気が必要になるものです。 「必要購入勇気 = アルバム知名度 * ジャズ鑑賞暦」というおそろしい方程式も、最近証明されたそうです。 このアルバムは特にそういった傾向が強いようなので、うっかりしていると、(1)以外の演奏を聴かずにこの世を去る、という事にもなりかねません。 かく言う私も、サケをあおった勢いで、このアルバムを買った記憶があります。


夕焼けレッドThe Music from the Connection : ★★★★☆
Blue Note 4027 (Recorded February 15, 1960)
- McLean(as) Freddie Redd(p) Michael Mattos(b) Larry Ritchie(ds) -
1.Who Killed Cock Robin 2.Wigglin' 3.Music Forever 4.Time to Smile 5.Theme for Sister Salvation 6.Jim Dunn's Dilemma 7.O.D.

ジャンキーの生活をテーマにした舞台劇「ザ・コネクション」のサントラ盤とも言うべき、フレディ・レッドのBlue Note盤。 この劇はマクリーンやレッド自身出演しており、現在は映画版のビデオもリリースされているそうです。 さて、演奏の方は全編レッドの手によるナンバーで、しかもワン・ホーンとくればハズレる訳はありません。 マクリーンの良さは、エモーショナルでちょっぴり哀愁をおびた唄っぷりだと思うのですが、本盤では全編に渡ってマクリーンの唄が堪能できます。 レッドの曲ってマクリーンと相性良いですね、 名盤です。 ちなみにこのアルバムには、同タイトルの姉妹盤(同年の6月13日録音)があります。 そちらはマクリーンに替って、T・ブルックス(ts)とH・マギー(tp)のフロント、ピアノは勿論レッド先生です。 こちらも素晴らしい出来。


叫びOpen House : ★★☆
Blue Note 4269 (Recorded March 22, 1960)
- McLean(as) Blue Mitchell(tp) Ike Quebec(ts) Jimmy Smith(org) Quentin Warren(g) Donald Bailey(ds) -
1.Open House 2.Old Folks 3.Sista Rebecca 4.Embraceable You

ジミー・スミスのBlue Note最終セッションを捕らえた一枚。 アルバム上の最終作はBN4296ですが、本作と同一セッションです。 さて、アモンズとの共演以来、アーシー派とのセッションは久々のマクリーンですが、(1)では「アーシーって、こんな感じだっけ。」と迷っているようで、なかなか興味深いソロを披露しています。 やはり、このアルバムでのマクリーンは(4)に尽きるでしょう。 地味ながら、じみじみと味わい深いソロだと思います。 さてこのアルバム、フロントの管がいない方が面白くなったと思うのは、私だけでしょうか?


あくびPlain Talk : ★★
Blue Note 4296 (Recorded March 22, 1960)
- McLean(as) Blue Mitchell(tp) Ike Quebec(ts) Jimmy Smith(org) Quentin Warren(g) Donald Bailey(ds) -
1.Big Fat Mama 2.My One and Only Love 3.Plain Talk 4.Time After Time

「コーヒー・カップの中で、不敵な微笑みを浮かべた女性が揺れている」のがオリジナル・ジャケットですが、私が持っているのはBN4269とのカップリングお買い得盤なので、ジャケットもなにもありません。 まあ同一セッションなので、良しとしましょう。 さて、こっちのアルバムでは、マクリーンの出番はあまり無く、特に印象に残るアルバムではありません。 どうでも良い事ですが、BN4269・4296ってブルースとスタンダードしか入ってなかったんですね。


知的生命体Capuchin Swing : ★★★☆
Blue Note 4038 (Recorded April 17, 1960)
- McLean(as) Blue Mitchell(tp) Walter Bishop Jr.(p) Paul Chambers(b) Art Taylor(ds) -
1.Francisco 2.Just for Now 3.Don't Blame Me 4.Condition Blue 5.Capuchin Swing 6.On the Lion

軽快にスイングする好盤。 (2)でのマクリーンのソロが素晴らしい出来です。 (3)は当時知名度が低かったウォルター・ビショップ・Jr.のために、マクリーンがセッティングしたトリオ演奏。 ううむ、粋なハカライですな。 マクリーンも素晴らしいのですが、全編を通して感じるのは、チェンバースの強力なリズムでしょう。 ちなみに、ジャケットに写っているサルは「ミスター・ジョーンズ」という名前で、マクリーンのペット(愛猿)だそうです。 しかし、マクリーンから(5)を捧げられたというのに、ちっとも懐いていない様子ですな。


ビードロ、シャボン、カステーラ...Lee-way : ★★
Blue Note 4034 (Recorded April 28, 1960)
- McLean(as) Lee Morgan(tp) Bobby Timmons(p) Paul Chambers(b) Art Blakey(ds) -
1.These are Soulful Days 2.The Lion and the Wolff 3.Midtown Blues 4.Nakatini Suite

オール・スター的メンバーで固めたモーガン名義の一枚。 全て8分を超える長い演奏で、各メンバーのソロを楽しめるアルバムです。 しかぁし、特に(3)でのマクリーンのロング・ソロは、後半にダレが出てきて残念。 マクリーンのソロを堪能したいのですが、長けりゃ良いってものでもないですね。 単調なバッキングで、サポートを怠った人々にも責任ありでしょう。 「レガートのみ」はひどいなあ、ブレイキーさん。 モーガンのバックでは「おかず」が多いと思うのは、マクリーン・フリークの僻みでしょうか。 いやっ! やっぱり意識的としか思えない! 星1つ減点! あれ? 同情して増やすべきなのかな?


疑惑Byrd in Flight : ★★☆
Blue Note 4048 (Recorded July 10, 1960)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Duke Pearson(p) Reggie Workman(b) Lex Humphries(ds) -
2.Little Boy Blues 5.Bo 6.My Girl Shirl
(Recoeded January 25, 1960)
- Donald Byrd(tp) Hank Mobley(ts) Duke Pearson(p) Doug Watkins(b) Lex Humphries(ds) -
1.Ghana 3.Gate City 4.Lex 7.Child's Play

(2)にはマクリーンが入ってない! クレジットを見ながら、必死でマクリーンを捜しました。 でも、いない! ここで、しばしヴォーカルなんかを聴いて、気を落ち着けました。 そして、再度マクリーン探しの為に(2)を聴くことしばし...おらんやないけえ! でも、まさかそんな筈は...。 再度ヘッド・フォーンで熟聴。 ...やっぱ、おらんって!!! (2)は本当に7月10日のセッションなのか? 再度確認の為に激聴。 ベースは誰かを聴き分けよう、という作戦です。 しかし、不幸なことに(2)はバラッド。 イントロはベースのアルコ、テーマに入っても2ビート。 もはや私の知識・耳では、レジー・ワークマンとダグ・ワトキンスを聴き分けられません、ぎゃふん。 (仮説1) 7月10日、マクリーンがトイレに行ってる隙に録音された。 (仮説2) 7月10日、マクリーンが遅刻した隙に録音された。 (仮説3) 1月25日、モブレーがトイレに行った隙に...さて、真相やいかに。


トリスでハワイShades of Redd : ★★★★
Blue Note 4045 (Recorded August 13, 1960)
- McLean(as) Tina Brooks(ts) Freddie Redd(p) Paul Chambers(b) Louis Hayes(ds) -
1.The Thespian 2.Blues-Blues-Blues 3.Shadows 4.Melanie 5.Swift 6.Just a Ballad for My Baby 7.Ole

メロディックかつドラマティックなフレディ・レッドの名曲が詰まった名盤。 (1)のなんと美しいことか。 ブレス(息継ぎ)、ボウイング(ベースの弓弾き)のタイミングが合っていることや、アルト・テナーのハスキーなサウンドが楽曲をよりドラマティックに盛り上げます。 ソロに突入するマクリーンの鮮烈なフレーズ! いかん、涙が...。 他にも、マクリーンが全力疾走する(5)や、(6)といった哀愁漂う名曲(「必殺レッド節」と呼ぶそうです)が、たっぷりと堪能できます。 近所迷惑なんかどうでもいい。(うそです) フル・ヴォリュームで聴くべし。


失望Back to the Tracks : ★★
Blue Note 4052 (Recorded September 1, 1960)
- McLean(as) Blue Mitchell(tp) Tina Brooks(ts) Kenny Drew(p) Paul Chambers(b) Art Taylor(ds) -
2.Street Singer
(Recorded October 20, 1960)
- Blue Mitchell(tp) Tina Brooks(ts) Kenny Drew(p) Paul Chambers(b) Art Taylor(ds) -
1.Back to the Tracks 3.The Blues and I 4.For Heaven's Sake 5.The Ruby and Pearl

おおっ! マクリーンが1曲入ってる!と大喜びで買い、急いで帰宅しました。 コーヒーを煎れるのももどかしく聴いてみると、「ガーン。 持ってる...」 そうなのです。 この演奏は輸入CD盤「ジャッキーズ・バッグ」に紛れ込ませてあったのです。 ああ、なんてこった。 しかし、もしもって事があるからな。 愚かな私は2枚のアルバムのこの曲を、聴き比べました。 なにしろこの世界には「別テイク」というものがありますからねえ。 しかし悪い予感は、次第にある「核心」へと焦点を結び、顔から色が失せ、額には汗すら浮かんできました。 がっくりきた私は、肩を落としCDプレーヤーからCDを取り出そうとして、ある重大な真実に気付いたのです! おおっ! 「ジャッキーズ・バッグ」のほうが1秒長い! もちろん、「オリジナル」は本盤ですが。


協力:野鳥友の会Bluesnik : ★★★
Blue Note 4067 (Recorded January 8, 1961)
- McLean(as) Freddie Hubbard(tp) Kenny Drew(p) Doug Watkins(b) Pete La Roca(ds) -
1.Bluesnik 2.Goin' Way Blues 3.Drew's Blues 4.Cool Green 5.Blues Function 6.Torchin'

収録曲全てがオリジナル・ブルースという意欲作。 「狂人的ハード・バッパー」(失礼)フレディー・ハバードの参加で、ハイ・テンションな演奏になっています。 (1)のマクリーンは4分に及ぶソロで、所々アウト・フレーズを交えた快演。 しかし、まだフラジオは使ってませんね。(3分25秒あたりはフラジオ欲しかった) 対するハバードも「セント・トーマス」を引用した素晴らしいソロ展開。 他にも、どこかで聴いたことあるようなテーマの(5)とバラエティに富んだアルバムです。


Redd's Blues : ★★★
Blue Note (Recorded January 17, 1961)
- McLean(as) Tina Brooks(ts) Benny Bailey(tp) Freddie Redd(p) Paul Chambers(b) Sir John Godfrey(ds) -
1.Now 2.Cute Doot 3.Old Spice 4.Blues for Betsy 5.Somewhere 6.Love Lost

お蔵入りのままだったフレディ・レッドのBN盤。 これまで、レッドのBNコンプリート・ボックスとして世に出てた音源ですが、まず入手不可能という貴重盤だった為、1999年に発売されたこのアルバムには狂喜しました。 いかに未発表とはいえ、レッド先生です。 しかも、泣く子も黙る「all composition by Freddie Redd(先生)」なのです! さて、ハヤル気持ちを押さえて演奏を聴いてみましょう。 ううむ、何か違う...。 前作と比較するとメロディーに切れが無い...。 「シェイズ・オブ・レッド」の様な、有無を言わさず曲に引きずり込むあの悪魔的吸引力がこのアルバムには宿っていないのです。 せ、先生...。 マクリーンのソロも不完全燃焼気味で、またもや「ううむ」です。 最後に付け加えておきますが、たとえ前作を超えていなくても、そこは「腐ってもレッド先生」です。 全編に渡って素敵なメロディーに溢れたアルバムなのですよ。


二日酔いA Fickle Sonance : ★★★☆
Blue Note 4089 (Recorded October 26, 1961)
- McLean(as) Tommy Turrentine(tp) Sonny Clark(p) Butch Warren(b) Billy Higgins(ds) -
1.Five Will Get You Ten 2.Subdued 3.Sundu 4.A Fickle Sonance 5.Enitnerrut 6.Lost

マクリーンが徐々にハード・バップの枠から飛び出す様子を捕らえた一枚。 ビリー・ヒギンズ、ブッチ・ウォーレンの起用がサウンドに大きく影響しているような気がします。 (1)や(4)などでは耳慣れないチェンジで、自らのクリシェを封じ込めているかのようです。 さて、難しい話は抜きにして、このアルバムは気楽に聴きましょう。 きっと楽しい気分になれますよ。


オリジナル・ジャケ贋作Inta Somethin' : ★★★☆
Pacific Jazz (Recorded November 13, 1961)
- McLean(as) Kenny Dorham(tp) Walter Bishop Jr.(p) Leroy Vinnegar(b) Art Taylor(ds) -
1.Una Mas 2.It Could Happen to You 3.Let's Face the Music and Dance 4.No Two People 5.Lover Man 6.San Francisco Beat

ドーハム名義のライブ録音。 私が買ったのは「マタドール」とのカップリング盤(すごい売り方するなあ)なので、ジャケット写真は偽物ですね。 オリジナルは、ドーハムが右向いてペット吹いてたやつ、だったと思います(後日LPで入手:左側のジャケがオリジナル)。 (3)は名盤「スイング・スワング・スインギン」にも収められていて、聞き比べてみると面白いでしょう。 テーマ解釈はほとんど変わらないのですが、ソロでのフレージングがややハードです。 まあ、当アルバムはライヴ盤ということもあるのでしょうが、マクリーン・フリークとしては、フリー・アプローチを暗中模索するマクリーンの爪跡、なぁんて解釈をしたくなるものです。 (5)でのマクリーンは一転してやたらヤクザな節回しで、グロー・トーンを多用したドハデ演出。 やっぱ、ライヴですな。 ドーハムのミュートもなかなかいい感じで、なんだかニヤリなアルバムです。


叫びLet Freedom Ring : ★★★★
Blue Note 4106 (Recorded March 19, 1962)
- McLean(as) Walter Davis(p) Herbie Lewis(b) Billy Higgins(ds) -
1.Melody for Melonae 2.I'll Keep Loving You 3.Rene 4.Omega

ついにモード・フリーへ突入したマクリーン。 と言っても、今聴けばフラジオ・トーンが目立つ位で、割にオーソドックスな演奏ですね。 このアルバムの人気の秘密は、意外にこの聴きやすさにあるのではないでしょうか。 とは云うものの、サウンドはかなり斬新で、発売当時はマクリーンの変化に怒ったファンに、街で殴られたこともあったそうです。 さてこのアルバムの聴き所は、やはりバド・パウエル作の(2)でしょう。 得意の泣き節で歌い上げるマクリーンが最高です。 フリーキー・トーンが少し鼻につきますが、そんな事にはこの際目をつぶりましょう。 やはりマクリーンのバラッドは最高ですね。 この演奏は特に気合が入っていたとみえて、曲の最後の最後、マウスピースから口を離すまで「気」を感じさせます。 オソロシ的テーマで始まる(1)もお勧め。 マクリーン本人も納得のデキと語った、入魂の一枚です。


使用前使用後(金かえせ)Matador : ★★
United Artists UAJ 15007 (Recorded April 15, 1962)
- McLean(as) Kenny Dorham(tp) Bobby Timmons(p) Teddy Smith(b) J.C. Moses(ds) -
1.El Matador 2.Melanie 3.Smile 4.Beautiful Love 5.There Gose My Heart 6.Prelude

このジャケットもフザケたレコード会社のせいで、オリジナルと違っています。 オリジナル・ジャケットには文字が入っていません。 なんでこんな事するかなあ。 (左側のオリジナル・ジャケは後日CDで入手。 しかし、お金かかるコレクションというか...キチガイですな、こりゃ) さて、気を取り直して演奏を聴いてみましょう。 フリーへ向かった「レット・フリーダム・リング」と「ワン・ステップ・ビヨンド」にはさまれるこのアルバムは、割合オーソドックスな演奏です。 (2)は「レット・フリーダム・リング」の「Melody for Melonae」の再演。 意外にも、ドーハムのアプローチがハードなので驚いた記憶があります。 なにしろ私のドーハムの印象は、「静かなケニー」しかありませんでしたからねえ。


手抜きJackie McLean : ★★
Blue Note 4116 (Recorded June 14, 1962)
- McLean(as) Kenny Dorham(tp) Sonny Clark(p) Butch Warren(b) Billy Higgins(ds) -
1.The Three Minors 2.Blue in a Jiff 3.Blues for Jackie 4.Marilyn's Dilemma 5.Iddy Bitty 6.The Way I Feel

「ア・フィックル・ソナンス」とほぼ同じメンバーによる演奏で、長い間カタログに載っていながら、発売されなかったというイワク付きのアルバムです。 まあ、「レット・フリーダム・リング」を出しちゃってましたからねえ。 売り方としては間違っていないと思います。 さて、ここでは聴きやすく(と言っても完成度は高い)ハッピーな音楽が演奏されていますが、いかんせん同じ時期の「レット・フリーダム・リング」と比べると、はっきり言って退屈です。 Blue Noteにしては、やけに投げやりなアルバム・ジャケットも悲しいですね。


Vertigo : ★★★★
Blue Note LT-1085 (Recorded Febuary 11, 1963)
- McLean(as) Donald Byrd(tp) Herbie Hanck(p) Butch Warren(b) Anthony Williams(ds) -
1.Marney 2.Dusty Foot 3.Vertigo 4.Cheers 5.Yams
(Recorded June 14, 1962)
6.The Three Minors 7.Blue in a Jiff 8.Blues for Jackie 9.Marilyn's Dilemma 10.Iddy Bitty 11.The Way I Feel

BNの未発表音源LTシリーズの一枚。 トニー・ウィリアムスの貴重な初吹き込みを捕らえた一枚で、マクリーン・フリークならずとも嬉しいCD化です。 お蔵入り音源ということですが、演奏内容は名作「It's Time」の予告編ともいうべき、刺激に満ちた素晴らしいものとなっています。 やはりポイントは、17歳とは思えないウィリアムスの参加で、ハンコックと共に刺激的なパルスを繰り出していますね。 (1)(2)(3)はブレイクが印象的なマクリーン・オリジナル。 マクリーンはいつになくハードに迫りますが、バックで煽る強力なリズム隊があればこそでしょう。 (6)〜(11)はBN4116そのままで、2in1としての発売です。 しかし、オリジナルに収録されていた「Formidable」(New Soilセッション音源)がカットされていたり、ジャケが変わったりと不満は残りますが、まあ、CD化を諦めていたアルバムなので良しとしましょう。


天気予報One Step Beyond : ★★☆
Blue Note 4137 (Recorded April 30, 1963)
- McLean(as) Grachan Moncur III(tb) Bobby Hutcherson(Vib) Eddie Khan(b) Anthony Williams(ds) -
1.Saturday and Sunday 2.Frankenstein 3.Blue Rondo 4.Ghost Town

「もう一歩、先へ...」そして、いよいよアバンギャルドへ突入したマクリーン。 「レット・フリーダム・リング」発売後はファンに殴られたそうですが、今度はどうもそんな程度では済まされそうにありません。 「レット・〜」でのマクリーン自身の示したフリー・アプローチは、アルトによる不協和を狙ったサウンドだった様に思うのですが、ここではバンド全体が不協和音を出しながら、高い次元で協和している、という私自身何を言っているか訳が分らないサウンドになっています。 マクリーンのサウンドに、コールマンやコルトレーン、そしてドルフィーの影響が見てとれます。 ちなみに、フリーはあまり聴かないので、この辺りからのアルバム評は出鱈目の可能性あり、ご勘弁。


途中下車Destination Out! : ★★
Blue Note 4165 (Recorded September 20, 1963)
- McLean(as) Grachan Moncur III(tb) Bobby Hutcherson(vib) Larry Ridley(b) Roy Haynes(ds) -
1.Love and Hate 2.Esoteric 3.Kahlil the Prophet 4.Riff Raff

前作「ワン・ステップ・ビヨンド」から更に前進したマクリーン。 モンカーとハッチャーソンなくして、この前進は有り得なかったでしょう。 (3)以外の曲は全てモンカーの手によるものです。 中でも(2)は3/4から4/4へと有機的な変化を遂げる凝った曲で、モンカーの独創性が伺えます。 唯一のマクリーン作品の(3)は、いわゆる新主流的な楽曲で斬新。 (4)のブルースでホッとするのは私だけでしょうか?


のぞきEvolution : ★★
Blue Note 4153 (Recorded November 21, 1963)
- McLean(as) Lee Morgan(tp) Grachan Moncur III(tb) Bobby Hutcherson(vib) Bob Cranshaw(b) Anthony Williams(ds) -
1.Air Baid 2.Evolution 3.The Coaster 4.Monk in Wonderland

ドルフィーの「アウト・トゥ・ランチ」(1964年2月25日 録音)に近いサウンドです。ってハッチャーソンとトニー・ウィリアムスが参加してるから、まあ当然と言えば当然か。 普段のマクリーンの演奏は、少々音程を外そうがあまり気にならなかったのですが、こういった演奏だとかえってアラが目立つのだなあ、と妙に感心した覚えがあります。 (3)はローラー・コースターに乗っているつもりで演奏されているそうですが、かなり老朽化の激しいコースターらしく、スリル満点です。 (4)は前作同様に3/4から4/4拍子に変化するトリッキーなモンカー作品で、より洗練されてきています。 リー・モーガン参加が意外なハード・コアな一枚です。


蟻It's Time : ★★★★
Blue Note 4179 (Recorded August 5, 1964)
- McLean(as) Charles Tolliver(tp) Herbie Hancock(p) Cecil McBee(b) Roy Haynes(ds) -
1.Cancellation 2.Das' Dat 3.It's Time 4.Revillot 5.'snuff 6.Truth

ハンコック参加でさらにテンションが上がった、ハード・マクリーンの代表作。 メンバー全員が刺激し合って、素晴らしい纏まりを見せていますが、ハンコックの強烈な音楽的支配力があればこそですね。 コンピングに煽られて、マクリーンがどんどん燃えていきます。 リードが堅かったのか力が入りすぎた為か、リード・ミスが目立ちますが、このアルバムのマクリーンの音色はいいですねえ。 当盤が初レコーディングとなるトリヴァーも燃えに燃えて、早くも師匠ハバードと肩を並べる勢いです。((1)のフレーズなんかは「処女航海」(’65年録音)でハバードが使っているようです。) ちなみに(4)は作曲者名の逆綴り。


激吸いTom Cat : ★★☆
Blue Note LT-1058 (Recorded August 11, 1964)
- McLean(as) Lee Morgan(tp) Curtis Fuller(tb) McCoy Tyner(p) Bob Cranshaw(b) Art Blakey(ds) -
1.Tom Cat 2.Exotique 3.Twice Around 4.Twilight Mist 5.Rigormortis

’80年になって、やっと日の目を見たLTシリーズの一枚。 このジャケットはオリジナルではありません。 演奏内容は、オーソドックスなハード・バップと言ったところでしょうか。 さてマクリーンですが、際立って素晴らしいソロは出ないものの、「マクリーンらしさ」を撒き散らしています。 でも、それだけです。 ううむ、初期のアルバムよりソロ内容は濃いのですがねえ。 物足りなさを感じるのは、「熱気のなさ」なんでしょうか。 モーガンの出来もそこそこで、全体として焦点のぼけたアルバムという印象が残ります。 ちなみに、マッコイとは当盤が初共演。


ビール腹Action : ★★★★
Blue Note 4218 (Recorded September 16, 1964)
- McLean(as) Charles Tolliver(tp) Bobby Hutcherson(vib) Cecil McBee(b) Billy Higgins(ds) -
1.Action 2.Plight 3.Wrong Handle 4.I Hear a Rhapsody 5.Hootman

タイトル通りのハード・ボイルドな一枚。 ハイ・テンションのマクビー、ヒギンズの繰り出すリズムが強烈です。 これだけバックに煽られたら、吹いてるほうは堪ったものではありません。 生半可なテクニックではすぐに音を上げてしまうでしょう。 私なら演奏中に逃げますね。 マクリーンの気力に脱帽してしまいます。 さて、こういったアルバムの聴き所というのはなかなか難しいと思うのですが、ライナー・ノーツでマクリーンがこう語っています。 少し長くなりますがここで紹介しておきましょう。 「一度ソロ・インプロヴィゼイションが始まれば、後はコード・チェンジやスケールのことは考えなくていいんだ。 ソロイストはハッチャーソンがどこへ行こうとしているかに耳を傾けていなければならない。 彼が演奏するときは常に新しい方向性が示されている。」 ううむ、高度なことやっていますねえ。 でも、(4)の様なハード・バップ的アプローチも捨て難いです。


入選作品Right Now! : ★★★★
Blue Note 4215 (Recorded January 29, 1965)
- McLean(as) Larry Willis(p) Bob Cranshaw(b) Clifford Jarvis(ds) -
1.Eco 2.Poor Eric 3.Christel's Time 4.Right Now

本作も「固ゆで」な一枚。 前作「アクション」から大幅にメンバーを変え、ワン・ホーン・クァルテットでの録音です。 新しいスタイルとオーソドックスなフィーリングが同居し、地に足が着いた、といった感じのサウンドです。 ちなみにこの録音の3週間前、コールマンが音楽シーンにカムバックしています。 さて演奏ですが、この録音の約半年前(1964年6月29日)にこの世を去った、ドルフィーへのトリビュートである(2)が素晴らしい出来です。 ビターなバラッドはマクリーンの得意とするところですが、ここでのマクリーンはより硬派なソロ展開で好感が持てます。 タイトル曲の(4)は「アクション」で共演したトリヴァーの作品ですが、まさにこのアルバムを象徴する曲ではないでしょうか。 ノン(アウト)・コードの部分とイン・コードのパートが絶妙に交錯する様は、フリーを消化したマクリーンの自信に溢れた声明を聴くようです。 「こんなのどう? コールマンさん」 そんなこと言ってないか。


ケロッグCornbread : ★★★
Blue Note 4222 (Recorded September 18, 1965)
- McLean(as) Lee Morgan(tp) Hank Mobley(ts) Herbie Hancock(p) Larry Ridley(b) Billy Higgins(ds) -
1.Cornbread 2.Our Man Higging 3.Ceora 4.Ill Wind 5.Most Like Lee

ハンコック参加に目が留まるリー・モーガン名義の好盤。 (1)はいきなり「ぶちかまして」くれますが、他は大丈夫です。 って何がだ。 (3)は心地よいボサですが、マクリーンはお休み。 まあ、あまり可憐な曲はマクリーンに似合わないので正解でしょう。 ハンコックの「スピーク・ライク・ア・チャイルド」を彷彿とさせる演奏です。 (5)のテーマでもマクリーンはお預け。 悔しいですけどペットと合うのは、やはりテナーですね。 さんざん待たされたマクリーンのソロが炸裂!、とはいかず残念無念。


2003. 2. 10 New!

Jacknife : ★★★★
Blue Note 4223 (Recorded September 24, 1965)
- McLean(as) Charles Tolliver(tp) Lee Morgan(tp) Larry Willis(p) Larry Ridley(b) Jack DeJohnette(ds) -
1.On the Nile 2.Climax 3.Soft Blue 4.Jacknife 5.Blue Fable
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BNオクラ音源シリーズの一枚。 当初「Jacknife(BN4223)」「High Frequency(BN4236)」として発売予定だった2枚のアルバムを、70年代に入ってカップリング発売したのが当アルバムの初出。 当盤は、さらに「Jacknife(BN4223)」だけをカットして再発したアルバム。 ああ、ややこしい。 さて、当盤の聴き所は、初顔合わせとなるディジョネットとのカラミでしょう。 (2)(4)で情熱剥き出しのマクリーンを煽るディジョネット。 タイトなリズムの中で自在のパルスを繰り出すディジョネットに触発されてか、マクリーンのフレーズもいつになく鋭くアグレッシヴに展開します。 リズム隊と一丸となって作り出すクライマックスには、聴き手の血圧を上げる圧倒的なパワーがありますねえ。 お蔵の理由がサッパリ分かりません。


贋作2Infinity : ★☆
Blue Note LT-1091 (Recorded November 16, 1965)
- McLean(as) Lee Morgan(tp) Larry willis(p) Reggie Workman(b) Billy Higgins(ds) -
1.Infinity 2.Miss Nettie B. 3.Growing Pains 4.Portrait of Doll 5.Zip Code

Blue Noteの未発表作品であるLTシリーズの一枚。 ジャケットは何だか今風でカッコ良いのですが、当然オリジナルではありません。 さて、演奏はロック寄りのアプローチが聴けますが、それ自体は別にどうという事もありません。 はっきり言って、あまり好きではありません。 ジャズ・ロックは「がらがらヘビ」と「スイカ野朗」だけで十分です。 マクリーン・ファンとしては(4)(5)をお勧めしておきましょう。 あ、ベースはレジー・ワークマンだったのか。 何故か印象薄いですね。 録音のせいなのでしょうか?


ヒッピーCharisma : ★★★
Blue Note 4312 (Recorded September 29, 1966)
- McLean(as) Lee Morgan(tp) Hank Mobley(ts) Cedar Walton(p) Paul Chambers(b) Billy Higgins(ds) -
1.Hey Chico 2.Somethin' Cute 3.Rainy Night 4.Sweet Honey Bee 5.The Murphy Man 6.The Double Up

久々にオーソドックスなジャズを、気心の知れたメンバーで演奏したアルバムです。 なんとチェンバースが参加していますね。 不勉強で良くは知らないのですが、チェンバースっていつ頃まで録音していたのでしょうか? さて演奏は(1)(4)に定評がある様ですが、私としてはマクリーンが快調に飛ばす(2)(5)(6)あたりがお勧め。 次々飛び出すマクリーン節に思わずニヤリ。


Dr. Jackle : ★★★★
Steeple Chase (Recorded December 18, 1966)
- McLean(as) Lamont Johnson(p) Scotty Holt(b) Billy Higgins(ds) -
1.Dr. Jackle 2.Melody for Melonae 3.Jossa Bossa 4.Little Melonae 5.Closing

ヨーロッパ・ツアー時の私家録音盤。 音質は最悪ですが、演奏は異様なテンションに包まれた熱い一枚です。 まず驚くのがマクリーンのサウンド。 強烈にアグレッシヴです。 ソロ・ラインは馴染みのあるものが多いのですが、いつもと気迫が違います。 まるで怒りをぶつけるかのごとくサウンドを叩き付けるマクリーン。 ここには性急に何かを訴えようとする、マクリーンの悲壮なまでの姿が記録されています。 (1)は3度目の改題をされた「マイナー・マーチ」で、(2)(4)といったマクーンのオドロ系のナンバーが目白押しというのも、このライヴでのマクリーンのアプローチがこれまでとは違うと感じさせます。 この時、マクリーンは一体何を想っていたのでしょうか。 興味は尽きません。 ヒギンズのタイコをはじめ、リズム陣も強烈なテンションを創り出しています。 マクリーン・フリークにはドキュメントとして貴重な一枚。 必聴!


Tune Up : ★★★
Steeple Chase (Recorded December 18, 1966)
- McLean(as) Lamont Johnson(p) Scotty Holt(b) Billy Higgins(ds) -
1.Tune Up 2.I Remember You 3.Closing 4.Jack's Tune 5.Smile 6.Closing

「Dr.Jackle」と同日録音の「ボルティモア」でのライヴ盤。 こちらはスタンダード中心の構成で、マクリーンの演奏もリラックスしていて、(1)(2)ではヤクザなマクリーン節が随所に顔を出します。 (4)(5)ではハードなアプローチを見せますが全体的に大人しい雰囲気で、「Dr.Jackle」の「動」に対してこちらのアルバムは「静」の印象を受けます。 恐らく編集されているのでしょうが、この2枚のライヴ・アルバムが同日録音とはとても思えませんね。 「Dr.Jackle」の異常さを際立たせるという意味でも、このアルバムはなかなか興味深いと思います。


Hipnosis : ★★★☆
Blue Note (Recorded February 3, 1967)
- McLean(as) Grachan Moncur III(tb) Lamont Johnson(p) Scotty Holt(b) Billy Higgins(ds) -
1.Hipnosis 2.Slow Poke 3.The Breakout 4.Back Home 5.The Reason Why

’75年に漸く日の目を見たBNお蔵セッション。 モンカーとの4度目の顔合わせとなる当盤、いやはやアグレッシヴです。 この頃から、マクリーンのコールマンへの傾倒はいっそう加速し、(2)(3)といった楽曲のみならず、ソロ・ラインにもその傾向が強く現れています。 特に(3)でのソロは単にコールマンの模倣に留まらず、マクリーンらしさを凝縮したような、それでいて新しい感覚に溢れる素晴らしいものになっています。 「One Step Beyond」のような実験性はあまり感じられず、かなり「こなれた」印象を受けますね。 一転してアーシーな(4)では、新しい感覚の中にもブルジーな色合いを見事に表現するマクリーン。 続く疾走感溢れる(5)では、ヒギンズ以下リズム隊の煽りも凄まじく、マクリーン渾身のハード・ブロー。 こういうの、堪りませんですな。  ¥600(中古LPですが)とは思えない内容に、頬はゆるみます。 ジャケはキングレコードの<ブルーノート1800シリーズ 第2期>として企画編集したもの。


Tribute to Charlie Parker : ★☆
RCA (Recorded February 15, 1967)
- McLean(as) Lamont Johnson(p) Scotty Holt(b) Billy Higgins(ds) -
5.Embraceable You 6.Old Folks
(Recorded July 4, 1964)
- Sonny Stitt(ts) Howard McGhee(tp) J.J.Johnson(tb) Harold Mabern(p) Arthur Harper(b) Max Rorch(ds) -
1.Buzzy 2.Now's the Time 3.Father O'Connor's Comments 4.Wee

’64年のニューポート・ジャズ祭での、パーカー・トリビュート・セッションを収録した一枚。 しかし、マクリーンはこのセッションには参加しておらず、LP収録時間の水増し用ナンバー(5)(6)で登場です。 どこかしらネムタ気な、やる気無しビ・バップ・セッションに続いて流れ始めるレギュラー・クァルテットの演奏(5)(6)は、これぞマクリーン節。 お馴染みのスタンダードを、マクリーン的解釈で見事に吹き切ります。 いつもながらのテーマ解釈の上手さ、歌いっぷり。 ううむ、さすが。 しかし、この音源はどこから手に入れたんでしょうね。 時期的に一番近いのはBN音源ですが、ちょっと考え辛いですし...。 もしかするとこの2曲以外にも、この時の未発表曲が眠っているかもしれませんねえ。 ぜひとも発掘してみたいものです。


いざ...New and Old Gospel : ★★☆
Blue Note 4262 (Recorded March 24,1967)
- McLean(as) Ornette Coleman(tp) Lamont Johnson(p) Scott Holt(b) Billy Higgins(ds) -
1.Lifeline (a)Offspring (b)Midway (c)Vernzone (d)The Inevitable End 2.Old Gospel 3.Strange as it Seems

フリーの快人コールマンと渡り合った異色盤。 ペットと共演する時は、大抵テーマの「下のハーモニー」を行ってるマクリーンですが、このアルバムでは意図的に音域を上げています。 コールマンの音域に問題でもあったのでしょうか。 さて、4楽章からなるマクリーン作の(1)は、それぞれ人間の誕生から死を表現しているそうです。 そういえば、なんだか同じテーマのゴーギャンの画を思わせるムードですね。 (3)はテーマが美しいコールマンのオリジナルですが、マクリーンのソロは堅すぎます。 (2)は安っぽすぎてペケ。 ところで、コールマンとの共演は成功だったのでしょうか? 残念ながら私には良く分らないのでございます。


午後のひととき'Bout Soul : ☆
Blue Note 4284 (Recorded September 8, 1967)
- McLean(as) Woody Shaw(tp) Grachan Moncur III(tb) Lamont Johnson(p) Scotty Holt(b) Rashied Ali(ds)
Barbara Simmons(vo) -
1.Soul 2.Conversion Point 3.Big Ben's Voice 4.Dear Nick, Dear John 5.Erdu

こ、これは...サーカスやマジック・ショウを連想したのは私だけでしょうか? ううむ、こういうアルバムの評価って難しいですねえ。 聴き込んでないのでなんとも言えませんが、ジワジワと良さが出てくるアルバムじゃないような気がします。 歴史的背景抜きには生まれ得なかった、実験的アルバムだと思います。 「ソウル、ソウル、ソウル。 ユア・ソウル、マイ・ソウル、ヒー・ソウ、ファ・ソウ、ラ・ソウ、ウィ〜・ソウル」 うおおお。 夢に出そうだあ。 そんな女の言う事を聞いてはいけないっ! ちなみに私の限界視聴回数は2回でした。


大生、もう一杯Easterly Winds : ★★★☆
Blue Note 4270 (Recorded September 22, 1967)
- McLean(as) Lee Morgan(tp) Garnett Brown(tb) Jack Wilson(p) Bob Cranshaw(b) Billy Higgins(ds) -
1.Do It 2.On Children 3.A Time for Love 4.Easterly Winds 5.Nirvanna 6.Frank's Tune

ジャック・ウィルソン名義のバラエティに富んだ楽しめる一枚。 (1)は8ビート物で一瞬身構えますが、(2)以降はストレイト・アヘッドな演奏です。 (4)はハード・マクリーンが楽しめ、ストロージャー(マクリーン直系アルティスト)の手による(6)では、久々にマクリーンのリラックスした唄を聴けて幸せです。 ストロージャーも、こういった感じの演奏を聴いてマクリーンに惚れ込んだのではないでしょうか。 (3)はトリオによる素晴らしいバラッド演奏。 しかし、モーガンの8ビート物はジャズ・スピリッツに溢れていますね。 こんな風に吹ける人はなかなかいません。 8ビートでモーガンと共演したミュージシャンは災難というものです。


読経Hi Voltage : ★★☆
Blue Note 4273 (Recorded October 9, 1967)
- McLean(as) Hank Mobley(ts) Blue Mitchell(tp) John Hicks(p) Bob Cranshaw(b) Billy Higgins(ds) -
1.High Voltage 2.Two and One 3.No More Goodbys 4.Advance Notice 5.Bossa De Luxe 6.Flirty Gerty

ジャズ・ロックからボッサまで多彩なモブレイ名義のアルバム。 リーダーのモブレイよりマクリーンの方が燃えているのが微笑ましいですね。 ここでのマクリーンの音色はアグレッシブで、モブレイとのコントラストが鮮明に映ります。 バップ的アプローチのソロも、フリーを消化したマクリーン、よりアーシーになってきたモブレイと、なんだかちぐはぐでアルバムとしての纏まりに欠けているように思います。 名作「ディッピン」なんかを期待して聴くとちょっとがっかりするかも。


The Sixth Sense : ★★★
Blue Note 4335 (Recorded November 10, 1967)
- McLean(as) Lee Morgan(tp) Frank Michell(ts) Ceder Walton(p) Victor Sproles(b) Billy Higgins(ds) -
1.The Sixth Sense 2.Short Count 3.Psychedelic 4.Afreaka 5.Anti Climax
(Recorded September 13, 1968)
- Lee Morgan(tp) Frank Michell(ts) Harold Mabern(p) Mickey Bass(b) Billy Higgins(ds) -
6.The City of My People 7.Extemporaneous 8.Mickey's Tune 9.Leebop

モーガンとの最後の共演となったBN盤。 さて演奏ですが、タイトル・ナンバーの(1)はミディアム・テンポのジャズ・ロック。 モーガンのソロはさすが、良く唄っており気持ちがいいですね。 トリッキーなテーマを持つ(2)では、先発するマクリーンが快調に飛ばします。 短いながらも、「これぞマクリーン!」といったフレーズを連発し、後に続くソリストに火を付けます。 リフのバックではヒギンズが密かに凄いことをやっていますね。 この年の6月に吹き込まれた、マイルスの「ネフェルティティ」の影響なんでしょうか。 (3)はタイトル通りサイケなナンバー。 予想通りというか何というか、マクリーンは相変わらずこういった曲は苦手のようですね。(汗) 超能力なジャケで一瞬身構えますが、内容は比較的良いと思います。 しかし、マクリーンの出番が少ないですねえ。


エスニック料理Demon's Dance : ★★★☆
Blue Note 4345 (Recorded December 22, 1967)
- McLean(as) Woody Shaw(tp,flh) Lamont Johnson(p) Scotty Holt(b) Jack DeJohnette(ds) -
1.Demon's Dance 2.Toyland 3.Boo Ann's Grind 4.Sweet Love of Mine 5.Floogeh 6.Message from Trane

バップに帰ってきたマクリーン。 やっぱりこうゆうの良いなあ。 革新的に前進を続けたBlue Noteでの最後の吹き込み。 フリーを消化し、コールマンとの共演を果たしたという充足感から、ポロリと出た本音が実はこのアルバムだったのではないでしょうか。 マクリーン本人も、Blue Note時代を振り返ったインタビューの中で、「このままやってたら体が持たん。」(かなり意訳)と語ったそうです。 このアルバムを最後にマクリーンはヨーロッパに渡り、音楽シーンから退きます。 ちなみに、この年の7月17日、ジャズ・シーンを引っ張っていた機関車ことコルトレーンが、40歳という若さでこの世を去っています。 こうした事実も、マクリーンの音楽観に大きな影響を与えていたのでしょう。 ウディ・ショウの名曲(4)を収録した必聴盤。


傍聴陳述Live at Montmartre : ★★★☆
Steeple Chase (Recorded August 5, 1972)
- McLean(as) Kenny Drew(p) Bo Stief(b) Alex Riel(ds) -
1.Smile 2.Das Dat 3.Parker's Mood 4.Confirmation 5.Closing

5年間の沈黙を破った復帰作。 例の音色もマクリーン節も健在で、絶好調です。 茶目っ気のあるマクリーンが楽しめる、ライヴならではのアルバムではないでしょうか。 (2)などは、ソロの途中でなんか会話して爆笑しております。 Blue Note時代には決して見られなかった、リラックスした良くも悪くもラフで熱気溢れる演奏が聴きどころでしょう。 CDで追加収録となった(4)が荒削りでイカしてます。 ピアノがケニー・ドリューというのも泣かせますね。 ライヴの出来を左右する観客の方々もなかなか(?)の出来です。


塗ってみましたAltissimo : ★★☆
Phillips (Recorded July 15, 1973)
- McLean(as) Gary Bartz(as) Lee Konitz(as) Charilie Mariano(as) Joachim Kuhn(p) Palle Danielsson(b) Han Bennink(ds) -
1.Another Hairdo 2.Mode for Jay Mac 3.Love Choral 4.Fanfare 5.Du (Rain) 6.Hymn 7.Telieledu Rama

アルバム制作に関わったのが、油井正一氏、ヨアヒム・ベーレント氏という夢の企画盤。(コペンハーゲン録音) タイトル通りの、強力アルト4本による濃厚な一枚です。 実際、アルトばかり4人もいるとそのサウンドは凄まじく、その中の一人を取り上げてどうのといった評価は難しいでしょう。 私の持っているWEST WIND盤にはライナーノーツが付いてないので良く分かりませんが、聴いた限りではマクリーンは全曲に参加している様です。 このアルバムでブラインドやって、「アルト全員当てよ」なんて面白いかも知れませんね。 ちなみにオリジナル・ジャケットはアルト4人の収録風景のやつです。


Ode to Super : ★★★
Steeple Chase (Recorded July 17, 1973)
- McLean(as) Gary Bartz(as) Thomas Clausen(p) Bo Stief(b) Alex Riel(ds) -
1.Monks Dance 2.Ode to Super 3.Great Rainstreet Blues 4.Watercircle(take1) 5.Watercircle(take6)
6.Red Cross(take1) 7.Red Cross(take2)

コペンハーゲンでのバーツとのコラボレーションを綴った一枚。 世代の違うアルティストの共演ということで興味深いアルバムです。ジェンキンスとの共演はスタイルがあまりにも似すぎていたため、音楽的面白味に欠けましたが、当盤では2人のコントラストが利いていますね。 モーダルな曲ではバーツの方がより浮遊感があり、マクリーンの鋭いフレーズと絶妙の対比を描いています。 また、美しいテーマ・メロを持つマクリーンの(2)では、2人の貴重なコーラス(ヴォーカル)を聴くことができます。 (3)はマクリーンのオリジナル「Bluwsnik」を改題した一曲。 テンポがぐっと落とされ、70年代ロック風のバッキングで新しい曲に仕上がっています。 でも、マクリーンの8ビート物って何故か好きになれませんねえ。


肉屋の昼下がりA Getto Lullaby : ★★★★
Steeple Chase (Recorded July 18-19, 1973)
- McLean(as) Kenny Drew(p) Niels-Henning Ørsted Pedersen(b) Alex Riel(ds) -
1.Jack's Tune 2.Mode for Jay Mac 3.Where is a Love? 4.Callin' 5.A Getto Lullaby

約1年ぶりのモンマルトル・ライヴ盤。 リラックスした前作(ライヴ・アット・モンマルトル)とは比較にならないほどハードかつテンションの高い演奏が印象的。 気力が充実していた時期のようで、このライヴの翌日からはデックスを迎えての収録を行っています。 さて、(1)(2)はマクリーンのさらなる「ワン・ステップ・ビヨンド」を感じさせる熱い演奏となっています。 マクリーンを鼓舞する、A・リールとペデルセンの強靭なバッキングも聴き所と言えるでしょう。 ここでの三者のまとまりは素晴らしく、さすがのドリューも控えめに見守っています。 続く(3)では久々にワン・ホーンのビターなバラッドが堪能でき、このアルバムを親しみ易いものにしています。 ロシア民謡的テーマの(5)での、情熱に身を任せたマクリーン節も最高。


偉いオリジナル・ジャケ12枚組(会合)The Meeting : ★★★☆
Steeple Chase (Recorded July 20-21, 1973)
- McLean(as) Dexter Gordon(ts) Kenny Drew(p) Neils-Henning Ørsted Pedersen(b) Alex Riel(ds) -
1.Introduction by J.McLean 2.All Clean 3.Rue De La Harpe 4.Callin' 5.Sunset 6.On the Trail

渡欧中のゴードンとの唯一の共演ライヴ盤(2枚に分散収録)。 バックのサポート陣も強力です。 (2)でのマクリーンは、先発するデックスの豪快なソロに触発されたのか、BN時代を彷彿とさせるアグレッシヴな変態フレーズを交えて燃えています。 (5)では一転して、2人のロマンティストぶりが伺える好ナンバー。 マクリーンのリード・メロに、絶妙に絡み合うゴードンが渋いですね。 それぞれの持ち味を活かしたソロで良い雰囲気が出ているのですが、マクリーンとデックスのソロ・チェンジでの下品な野次はハサミを入れた方が良かったでしょう。 しかし、ヨーロッパ的に洗練されたドリューのソロはいただけませんね。 (左側がオリジナル・ジャケで、右側は2枚組に編集された欧州盤。)


偉いオリジナル・ジャケ22枚組(水源地)The Source : ★★★☆
Steeple Chase (Recorded July 20-21, 1973)
- McLean(as) Dexter Gordon(ts) Kenny Drew(p) Neils-Henning Ørsted Pedersen(b) Alex Riel(ds) -
1.Half Nelson 2.I Can Get Started 3.On the Trail 4.Closing 5.Another Hair-Do 6.Dexter Digs In 7.Closing

(1)は、このセッション最長の19分近いナンバー。 ここでも先発はデックスで、ブルース・フォーマットとは思えないメロディアスなフレーズが圧巻です。 それを受けたマクリーン、色々なアイデアを試そうとしているのですが、あと一歩という所で不発、パーカー的常套句で事無きを得ています。 ううむ、デックスに軍配か。 (2)ではマクリーンのテーマ提示がストレイトながらも、らしさが出ていてマル。 マクリーンらしさという点では(5)も捨て難いですね。 次のコーラスの展開を考えているのか、コーラスの繋ぎの危うさはスリル満点です。 ちなみに、クロージング・テーマが2曲入っていることからも分るように、この2日間・2枚に渡るライヴは演奏順に収録されていません。 ヒマな方は、このセッションの演奏順を推理してみると面白いかも知れませんね。 野次の声が重要な手掛かりになると思います。 (左側がオリジナル・ジャケで、右側は2枚組に編集された欧州盤。)


思い出の夏Antiquity : ★★★☆
Steeple Chase (Recorded August 16, 1974)
- McLean(as,temple blocks,bells,bamboo flute,voisce,kalimba,piano,percussion)
Michael Carvin(ds,temple blocks,bells,flute,voice,kalimba,percussion) -
1.The Tob 2.Antiquty(The Hump, The Slaveship, The Hunter and His Game, The Crossing) 3.Gong Go Lye 4.Ti Ti
5.Down in the Bottom 6.De I Comahlee Ah

マクリーン・フリーク必聴の異色作。 デュオでアフリカンな事やってます。 キース・ジャレットの「Spirits」に通じるものがあって、私としては好きな音楽ですねえ。 まあ、全ての4ビート・ファンにお勧めできるアルバムでないでしょう。 ジャレットの「Spirits」はG.I.グルジェフ(音楽家ではありません)への接近から生れたものだと思っていたのですが、このアルバムを聴いてからは、もっと人間の根源的な「音楽表現への欲求」からきているのでは、と思うようになりました。 いずれにしても「Spirits」(1985年録音)以前に、こんな音楽をジャズ・レーベルから出したことに感服しますね。 なんだか話が難しくなってきて、私自信あせってきました。 あ、ジャレット・ファンだということが、ばれてしまいましたね。


New York Calling : ★★
Steeple Chase (Recorded October 30, 1974)
Jackie McLean & The Cosmic Brotherhood
- McLean(as) René McLean(ts,ss) Billy Skinner(tp) Billy Gault(p) James 'Fish' Benjamin(b) Michael Carvin(ds) -
1.New York Calling 2.Star Dancer 3.Camel Driver 4.Some Other Time 5.Adrians Dance 6.New York Calling(take 3)

息子ルネとの初共演で、「コズミック・ブラザーフッド」名義での唯一のアルバム。 いきなり全力疾走する(1)は現代的なモード曲で、マクリーンはフラジオを交えた鬼気迫るソロを展開します。 ガウトの神経質なピアノが無理矢理テンションを高めます。 別テイクの(6)はマクリーンのせいでボツになったことがはっきり分ります。 若手メンバーのソロは、マスター・テイク(1)と比較してもさほど出来に違いがないのですが、マクリーンだけは...。 やはりこういった現代的な曲は馴染みづらかったのでしょうか。 しかし、マスター・テイクで最高のソロをヒットするのはマクリーン。 貫禄です。 このアルバムではマクリーン親子の曲は使われていないため、他のアルバムと比較するとかなり異質なムードが漂っています。 ルネの逞しいテナーが素晴らしい出来。


New Wine in Old Bottles : ★★★★
East Wind (Recorded April 6-7, 1978)
- McLean(as) Hank Jones(p) Ron Carter(b) Tony Williams(ds) -
1.Appointment in Ghana Again 2.It Never Entered My Mind 3.'Round about Midnight 4.Little Melonae Again 5.Bein' Green 6.Confirmation

GJTとの共演を記録した日本原盤。 アグレッシヴなスタイルを消化した新生マクリーンが、GJTという名トリオの胸を借りて4ビートを存分に吹きまくる、アコースティックな魅力に溢れた好盤です。 アルバム・タイトルも洒落てますねえ。 マクリーンの音色に50年代的な響きが戻っており、訳もなく嬉しくなります。 ちなみに、当盤以降’86年までのレコーディングには、ヤマハのアルトを使っているようです。 よほど気に入った楽器だったのでしょう。 さて、演奏はマクリーン・オリジナルの再演(1)(4)が素晴らしい出来。 特に(4)は、リズム隊もかなりのハイ・テンションで、クライマックスでのパワーは凄まじいものがあります。 マクリーンに触発されたのか、ハンク・ジョーンズもパーカッシヴなソロで聴かせます。 ううむ、熱いっ。 ミディアム・テンポの(6)では、懐かしいクリシェを交えたリラックスした演奏を聴かせるマクリーン。 こりゃファン・サービスかなと勘繰ってしまいますが、きっと一番楽しんでいるのはマクリーン本人なのでしょうね。 ううむ、名盤です。


Monuments : ★★★
RCA (Recoeded November 1978-January 1979)
- McLean(as) Clifford Carter(key,mini-moog,Oberheim polyphonic synthesizer) Hiram Law Bullock(g) Will Lee, Mark Egan(b) Steve Jordan(ds)
Sammy Figueroa(congas,perc) Mitch Farber(arr,produce) Lou Marini, Phil Bodner(fl,alto-fl,ts) Marvin Stamm, Marky Markowitz(tp,flh)
Urbie Green, Sam Burtis(tb) Harry Lookofsky(vio) Lani Groves, Yolanda McCullough, Yvonne Lewis, Paul Griffin, Zach Sanders(vo)
Dedra McKnight, Wanda Adams, Cheryl L.Smith, Inara, Leonard L.Jackson, Margaret D.Andrews, Dana Jackson, Marvin L.Gordon,
Mamie Hood(vocal chants)
1.Gotta Get a Piece of Your Soul 2.They All Seem to Disapppear 3.The Molimo 4.Monuments 5.Doctor Jackyll and Mister Funk
6.Long-Time Lover 7.On the Slick Side

恐らく今後も録音されないと思われる、マクリーン唯一のフュージョン作品(厳密に言えば、マッコイ・タイナーとの共演盤「It's about Time」のタイトル・ナンバーもフュージョンですが)。 さて注目の演奏はと言うと、あらぬ想像をされる方がいらっしゃるかと思いますが、意外や意外。 これが、なかなかの出来なのです。 今耳にすると、(2)(6)などのリズムはさすがに「古臭い」印象を拭えませんが、フリーで培ったフラジオをヒットしまくる何だか楽しそうなマクリーンに、思わず微笑みがこぼれます。 ソロでは密かにアグレッシヴな変態フレーズが飛び出したりと、ファン必聴のアルバムでしょう。 コーラスには「アーティスツ・コレクティヴ」の生徒も参加しているようですね。 この録音を最後に、マクリーンは’85年のブルーノート・セッションまでの約6年間レコーディングから遠ざかり、「アーティスツ・コレクティヴ」の教壇に立つことになります。


It's about Time : ★★☆
Blue Note (Recorded April 6-7, 1985)
- McLean(as) Jon Faddis(tp) McCoy Tyner(p) RonCarter(b) Marcus Miller(ele-b) Al Foster(ds) Steve Thornton(perc) -
1.Super of the Moment 2.You Taught My Heart to Sing 3.It's about Time 4.Hip Toe 5.No Flowers Please 6.Travelin'

(5)以外をマッコイの楽曲で固めた、双頭リーダー・セッション的ダブル・マック対決盤。 (2)は某FM曲のジャズ・プログラムでも使われた名バラードで、グロー・トーンを交えたマクリーンの切ない泣き節が堪能できます。 この曲だけで星半分プラスですな。 (3)はマルタ的(ああ、ソックリだあ)に迫るフュージョンですが、ミラーのエレベのおかげでファンクなナンバーに仕上がっています。 心酔するコルトレーン・クァルテットのピアニストとの共演ということで、マクリーンも思うところがあったのでしょうが、割に素直なアルバムになっちゃいましたね。 あと20年早く共演して欲しかったなあ。 おっと、初共演となるファディスのフレッシュなハイ・ノートにも注目です。


またかいLeft Alone '86 : ★★★
PadoleWheel (Recorded September 1, 1986)
- McLean(as) Mal Waldron(p) Herbie Lewis(b) Eddie Moore(ds) -
1.Left Alone 2.God Bless the Child 3.All of Me 4.Cat Walk 5.Lover Man 6.Minor Pulsation 7.Good Morning Heartache
8.All Alone 9.Super Okra Blues 10.Left Alone(alt. take)

Mt.Fuji出演のため来日していたマクリーンを、例の男に無理矢理再会させた日本企画盤。 さらにLD収録からのCDカットという胡散臭いアルバムです。 やはり日本企業はカネ儲けうまいですねえ。 曲はご覧の通りで、もはや説明不要でしょう。 聴き物は(6)のマクリーン。 鬼気迫る快演で「企画物」の枠をぶちやぶっていて痛快。 ちなみに(9)のオクラとは、ネバネバ野菜のアレで、マクリーンの好物だそうです。 しかし、「スーパー・オクラ」って、なんだかすごそうですね、って何の話だ。


Dynasty : ★★★
Triloka (Recorded November 5, 1988)
Jackie McLean Quintet featuring René McLean
- McLean(as) René McLean(ts,ss,fl) Hotep Idris Galeta(p) Nat Reeves(b) Carl Allen(ds) -
1.Five 2.Bird Lives 3.House is Not a Home 4.Third World Express 5.Dance Little Mandissa 6.J.Mac's Dynasty
7.Knot the Blues 8.Zimbabwe 9.King Tut's Strut 10.Muti-Woman

その雰囲気から、スタジオ・ライヴ盤と思われる一枚。 このアルバムでは、後に開花する「ニュー・マクリーン節」的なフレージングが随所に顔を出しますが、未だ未完成といった印象を受けます。 この時期は、ルネをはじめ若手メンバーから、ずいぶんとインスパイアされたのではないかと思いますね。 自作バップ・チューン(2)では、所々アウト・フレーズを交えながらも、割合オーソドックスな演奏に終始します。 しかし、(6)のマクリーンが凄い! 破錠寸前のアグレッシヴなその熱気を受けたルネ、ガレタも火だるまの熱演を繰り広げ(特にルネが壮絶)、まさにマクリーン王国。 また、(3)で見せるような泣節バラードも健在です。 余談ですが、「Associate Producer : Freddie Redd」となっております。 も、もしや、レッド先生...。


鳥ビュートHomage to Charlie Parker : ★★★☆
A&M (Recorded June 15, 1989)
The Paris All-Stars
- McLean(as) Phil Woods(as) Dizzy Gillespie(tp) Stan Getz(ts) Milt Jackson(vib) Hank Jones(p) Percy Heath(b) Max Roach(ds) -
1.Opening 2.Steeple Chase 3.Groovin' High(Rehearsal) 4.Con Alma 5.'Round Midnight(Rehearsal) 6.Confirmation
7.Charlie Parker's film:Hot House 8.Cherokee 9.A Night in Tunisia 10.Closing

ウッズとの貴重なバトルが聴けるパーカー・トゥリビュート実況盤。 (8)でのマクリーン、ウッズの掛け合いが壮絶。 マクリーンがパーカー・フレーズで挑発すれば、間髪入れずパーカー・フレーズで切り返すウッズ! それを受けてさらに燃え上がり、変態フレーズ・フラジオをヒットするマクリーン! 止まりません、堪りません。 頬が緩みっぱなし、全身トリハダ状態になります。 ああ、何てこった。 文字通り鳥ビュート。 既にこの世を去ったジャイアンツ達の映像やインタビューも、今となっては貴重です。 これはリハーサルやインタビューも収録したLD盤で、CDとは収録曲が全然違う様です。 しかし、曲の途中でインタビューをインポーズするのはやめて欲しかった...。


The World is Falling Down : ☆
Verve (Recorded February 21-22 and 27, 1990)
- McLean(as) Clark Terry(tp,fh) Abbey Lincoln(vo) Alain Jean-Marie(p) Charlie Haden(b) Billy Higgins(ds) Ron Carter(arr) -
1.The World is Falling Down 2.First Song 3.You Must Believe in Spring and Love 4.I Got Thunder(and It Rings)
5.How High the Moon 6.When Love was You and Me 7.Hi Fly 8.Live for Life

スタジオ録音では現在唯一のマクリーンの歌伴もの。 ヴォーカル物は聴きますが、リンカーンは私の好みからは外れています。 マクリーンが参加していなかったら買わなかったでしょうね。 共演がクラーク・テリーというのも意外で、マクリーンはサウンド・カラーを合わせるのに気を遣っている様に聞えます。 アンサンブル・パートではマクリーン臭さが全く無く、物足りない事おびただしいアルバムです。 私的な結論ですが、マクリーンのサウンド自体がすでにクセのある肉声(ヴォーカル)である為、歌伴には向かないと思います。 ワン・ホーンで吹き続けて欲しいところです。


Rites of Passage : ★★★☆
Triloka (Recorded January 29-30, 1991)
- McLean(as) René McLean(ts,ss,as) Hotep Idris Galeta(p) Nat Reeves(b) Carl Allen(ds) -
1.A Calling 2.My Lady(Portrait of Doll) 3.Destiny's Romance 4.Cyclical 5.Morning Prayer 6.Rites of Passage
7.Naima's Tone Poem 8.Fire Sign 9.Yesterday's Blues Tomorrow 10.Rendezvous in Congo Square

ルネを擁したレギュラー・クインテットによる、2年ぶりのアルバム。 「ニュー・ヨーク・コーリング」「ダイナスティ」では、新生面を模索していたという印象が強かったマクリーンですが、漸くこのアルバムで結実した様です。 この頃から「ニュー・マクリーン節」とも云うべきフレイジングが完成され、現在に至る演奏のベースとなっています。 ちなみに、初リーダー盤やBN初吹き込み盤などターニング・ポイントにあたるアルバムでは、妻「Doll」に新曲を捧げています。 このアルバムにも新曲(2)が収録されていることから、案外マクリーンにとって一つの節目だったのではないでしょうか。 全速力で疾走する(4)(8)あたりは、新生マクリーンの自信に満ち溢れた吹きっぷりが最高です。


一日駅長、ぐふっ。To Bird with Love : ☆
TELARC (Recorded January 23-25, 1992)
- McLean(as) Dizzy Gillespie(tp,vo) Paquito D'Rivera(as,cl) Benny Golson(ts) Antonio Hart Clifford Jordan(ts)
David Sanchez(ts) Bobby McFerrin(vo) Danilo Perez(p) George Mraz(b) Lewis Nash(ds) Kenny Washington(ds) -
1.Billie's Bounce 2.Bebop 3.Ornithology 4.Anthropology 5.Oo Pa Pa Da 6.The Diamond Jubilee Blues 7.The Theme

Blue Noteで開かれた、ガレスピー生誕75年アニバーサリー・ライヴの実況盤。 こういった企画物は、私の知る限り「お祭り」で終わってしまうのですが、本盤もキッチリとその路線を踏襲しています。(ヴァーヴ50周年ライヴは、まあまあでしたが) マクリーンは1月25日のステージ(4)〜(7)に参加していますが、なんだか散漫なソロで終わっています。 マクリーンはこういうお祭りに参加してはなりません。 でも、良く顔出してるんですよね、マクリーン。 祭り好きなのでしょうか。


ぱあRhythm of the Earth : ★★☆
Birdology (Recorded March 12-13, 1992)
- McLean(as) Roy Hargrove(tp) Steve Davis(tb) Steve Nelson(vib) Alan Jay Palmer(p) Nat Reeves(b) Eric McPherson(ds) -
1.Rhythm of the Earth 2.For Hofsa 3.Sirius System 4.The Explorers 5.Oh Children Rise 6.Osyris Returns
7.The Collective Expression 8.Dark Castle

マクリーン自ら教鞭をとる、「アーティスツ・コレクティヴ」の生徒達を交えての一枚。 演奏内容のはまさに現代のジャズで、マクリーンはちっとも丸くなっていません。 アルトのテクニックにも格段の進歩が見え、トレード・マークの例の音色にも大きな変化が出ています。 現代の「ハイ」なサウンドに合わせる為でしょうか、音の濁りが少なくなり、上の倍音が豊かになって、よりクリアでシャープになっています。 なんだかマクリーンの持ち味が薄れていくような...。 マクリーンの音色にばかり触れましたが、楽曲構成も現代的で4ビート〜16ビートが交錯し、スリルあります。(私は買っていませんが) この中では(3)(4)(6)が割に気に入ってます。 おっと、俊英ハーグローヴにも注目。


Carnegie Hall Salutes the Jazz Masters-Verve 50th Anniversary : ★★★★★
Verve (Recorded April 6, 1994)
- McLean(as) Roy Hargrove(tp) Stephen Scott(p) Pat Metheny(g) Christian McBride(b) Al Foster(ds) -
Side-B-6.The Eternal Triangle
- McLean(as) Joe Henderson(ts) Roy Hargrove(tp) J.J. Johnson(tb) Herbie Hancock, Hank Jones(p) Kenny Burrell(g)
Ray Brown, Christian McBride(b) Kenny Washington(ds) Dee Dee Bridgewater, Betty Carter, Vanessa Williams(vo) -
Side-B-10.Now's the Time
- Other Featuring Musician : Tom Barney(eb) Peter Delano(p) Charlie Haden(b) Omar Hakim(ds) Bruce Hornsby(p) Antonio Carlos Jobim(p,vo)
Abbey Lincoln(vo) Jeff Lorber(kb) John McLaughlin(g) Art Porter(as) Renee Rosnes(p) Jimmy Smith(org) Gary Thomas(ts) Steve Turre(shells)
Yosuke Yamashita(p) ... and Carnegie Hall Jazz Band conducted by Don Sickler -
Side-A : 1.Tea for Two 2.Willow Weep for Me 3.Shiny Stockings 4.Just One of Those Things 5.Parisian Thoroughfare 6.Manteca
7.Turn Out the Stars 8.Walk on the Wildside 9.Down by the Riverside 10.Yellowstone
Side-B : 1.It's About Time 2.Call it '94 3.The Girl from Ipanema 4.How Insensitive 5.Desafinade 7.I Must Have that Man
8.How High the Moon 9.Tangerine

ヴァーヴ誕生50周年を記念してカーネギー・ホールで行われた、豪華メンバーによるライヴ盤。 この一夜の為に数週間に及ぶリハを重ねたと言うだけあって無駄な演奏は一切なく、通好みの顔合わせも満載で楽しめる一枚です。 B(6)でのマクリーンは全編に渡って変態フレーズをヒットしまくり、メセニーも触発され熱く燃えます。 ジャイアンツに囲まれ奮闘するハーグローヴが微笑ましい好トラック。 もう一曲のマクリーン参加ナンバーB(10)は、このコンサートを締めくくるに相応しい、豪華オールスター・ジャム。 R・ブラウンとマクブライドの掛け合いから始まるこのブルース、マクリーンだけを鑑賞するのは無意味なほど楽しめます。 顔合わせの妙が堪能できるこのアルバム、評価は総合判断で付けました。 CDも発売されていますが、これは4曲多く収録されたLD盤。


不倫現場Hat Trick : ★★★★
somethin' else 5581 (Recorded January 28-30, 1996)
- McLean(as) Junko Onishi(p) Nat Reeves(b) Lewis Nash(ds) -
1.Little Melonae 2.Cottage for Sale 3.Solar 4.Bag's Groove 5.Will You Still Be Mine 6.Left Alone 7.Jackie's Hat
8.Sentimental Journey 9.Bluesnik

大西順子との初共演盤で、マクリーン自身4年ぶりのリーダー・アルバム。(somethin’ else移籍第1作となる) やっぱ順子ちゃんいいなあ。 ガッツ溢れるプレイで、マクリーンの「どうだまいったか」的フレーズと、対等に渡り合っています。 ううむ、かっこいい! さて、選曲はご覧の通り「マクリーン・ベスト」的様相で、少しひるんでしまいますが、聴いてみるとなかなかどうして快演ぞろいです。 全て新しいアレンジで演奏されるため、「かつての演奏」なんかを期待してると、肩透かしを食らいますよ。 ’90年代マクリーンの、ベスト・アルバムになるのではないでしょうか。


吸いすぎFire & Love : ★★
somethin' else 5590 (Recorded July 15-16, 1997)
- McLean(as) René McLean(ts) Raymond Williams(tp,flh) Steve Davis(tb) Alan Palmer(p) Phil Bowler(b)
Eric McPherson(ds) -
1.Mr.E 2.Optimism 3.Cryptography 4.The Griot 5.Entrapment 6.Excusions 7.Rites of Passage

なんだかマクリーンじゃないみたい。というのが一聴しての感想です。 かつての「危うさ」がないのはちょっと(いや、かなり)残念です。 このアルバム、実質的には息子ルネとの双頭リーダー・アルバムといった感じですね。 ソロ・フレーズの随所にマクリーン的なものはあるのですが、フレージング自体かなり変わってきているようです。 だんだんフレーズがメカニカルになってきて、少し心配です。 個人的にはワン・ホーンでゆったりと唄って欲しいのですがね。 まあ、次作に期待しましょう。


別れの朝...(笑)Nathalie : ★
Key' Stone (Recorded October 7-8, 1997)
- McLean(as) Llew Mathews(p) Stan Gilbert(b) Albart Heath(ds) -
1.Dark Eyes 2.Take the 'A' Train 3.Roundabout 4.Golden Earrings 5.My Funny Valentine 6.A Child is Born 7.Unforgettable
8.Thoughtful 9.Girl Talk 10.Second Hands Smoke

アンダーレイテッドなピアニスト「ルー・マシューズ」(当然ながら私も知りませんでした)の、記念すべき初リーダー・アルバム。 この方は1946年3月21日生れだそうです。 ううむ。 と、(1)のイントロで、何を思ったフリオ・イグレシアスの「黒い瞳のナタリー」を奏で始めるマクリーン。 むむむ、いよいよ路線を変えたのか? ちなみにマクリーンは、(1)(5)のみの参加です。 マクリーン初吹き込みと思われる(5)(違うかな?)は、レフト・アローン的ノリで聴かせますが、いかんせんピアノが...。 バラッドにこの音色はヤバすぎます。 ついでだから言っちゃうと、私はKey’ Stoneの音が嫌いです。 なんだか人の温もりが感じられません。 またもや次回作に期待、といったところでしょうか。


Nature Boy : ★★★★
somethin' else (Recorded June 12-13, 1999)
- McLean(as) Cedar Walton(p) David Williams(b) Billy Higgins(ds) -
1.You Don't Know What Love Is 2.Nature Boy 3.I Can't Get Started 4.What is This Thing Called Love
5.I fall in Love too Easily 6.Smoke Gets in Your Eyes 7.Star Eyes 8.A Nightingale Sang in Berkeley Square

強力バックで脇を固めた、90年代最後を飾るにふさわしい好アルバム。 「Swing Swang Swingin’」を模したジャケで、しかもスタンダード集。 そそられます。 今回は楽器とマウスピース(メタルのハンドメイド)を替えていますが、本質的なサウンドはマクリーンのままですね。 さて演奏ですが、以前にも増して複雑な音列を使うようになり、テーマでもかなりフェイクしています。(テーマ解釈の良さは相変わらずですが) 音色が若干甘くなったのと選曲のせいか、独特の「ひたむきさ」が薄れているような気がしますが、じっくり聴くとバックと一体となってクライマックスを創っています。 緩急のコントロールが上手くなったということでしょう。 お勧めはスウィンギーに迫る(4)(7)あたりでしょうか。 しかし、ジャケの指使いはフラジオのそれですね...。(汗)


レコード評は、あくまでもマクリーン・ファンの極めて私的な感想で、当然マクリーンを聴く上での評価になっています。 「なんでこのアルバムが星1つなんだ」、「星がたくさんだから買ったのに、どうしてくれる」などと詰め寄らないで下さい。 また、重要作のいくつかが漏れていますが、順次追加していく予定です。 なおジャケット写真は、アルバム紹介を目的として掲載しております。 何とぞご理解下さい。

ご意見・感想など、お気軽にどうぞ。

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