カヴァについて
 フィジーでは,人々とカヴァを飲み交わすことを避けては通れません。
 毎日毎日,いったい何杯飲んで(飲まされて?)いることやら・・・・・

カヴァとは?
 カヴァ(南太平洋地域でヤンゴナ,英語でgrog)を飲む習慣は,南太平洋一帯に広くあるそうです。
 カヴァ(ヤンゴナ)の木はハート形の葉っぱと緑色で節くれ立った茎を持つ,背丈が1m位の植物です。この根っこを乾燥させて粉にし,それに水を加えて濾しだした汁がカヴァで,これを儀式に則って飲み交わすことは,フィジーでは人間関係を保つためにとっても大切なこととされます。
 お味は胃薬を溶かしたような感じで,不味いが飲めないほどではない。飲んだ後は舌がちょっとしびれます。鎮静作用があるそうですがよくわかりません。ただ,何杯も飲むとボーっとします。(びろうな話ですが,カヴァをたくさん飲んだ翌日は,うんちが堅くなって便秘気味に。・・・・私だけかも)
 なお,フィジーでは成人にならないと飲んではいけないことになっています。 

カヴァの木(ヤンゴナともいう) カヴァの根っこを干している
カヴァの飲み方
 鋳鉄製の壺に乾燥したカヴァ根を入れ,バールみたいな重い鉄の棒を落とすようにして粉にします。この棒がとても重いので,カヴァを粉にするのはかなりの重労働です。カヴァが細かくなってくると棒の先っちょに粉が付いて外にこぼれやすくなるので,棒を持ち上げる際に粉を落とすためにちょっとだけ棒を壺に当てるので独特の金属音も出ます。
 村に行って「お茶でも飲んでけ」といわれ,家に上がってほのかなレモン様の香りを付けたローカル茶などを啜っているうちに,「どーん。こちーん。・・どーん。こちーん。」と聞こえてきたら,そろそろ覚悟を決めなくてはなりません。
 木でできたタノアというタライみたいなのの上で,カヴァの粉を布に包み,「その手,ほんとに洗ったの?」というような手で,水を加えながら濾し出します。できた白茶色に濁った汁(泥水みたい)をココナッツのお椀で,みんなが一つの椀で,回し飲みします。このココナッツのお椀が結構大きくて,一回に飲み干さなければならない量が多いので(椀を空けて戻さなければなりません。つい,イッキ!イッキ!と言ってしまいそう),最初はとまどいました。
 何ラウンドも回し飲みしたあとタライが空けば,最後にみんなで柏手を打って終わりですが,「そろそろ終わりかな」と思っていると,また外で「どーん。こちーん。」が始まって,エンドレスのパターンに落ちることもあります。

けっこう決まりごとが多い
 カヴァの席では,「(たとえば)ジャパニがこの村にきて・・うんたらかたら」と最初に口上を述べる人・席の親分・カヴァを満たした椀を持って行く人などの役割が決まっています。ふるまわれる順番も決まっていて,ほかにも,「柏手を打ってから飲むべし」とか,「膝を立ててはいかん」とか,いろいろな決まりごとがあります。堅苦しいカヴァの場合は,みんなが怖い顔をして,にらんでいるので緊張させられることもありますが(こっちの人に暗がりで真顔をされると目だけ光ってほんとに怖い),最近はだいぶ慣れてきました。

いつ飲む?
 村長さんやトラガニコロさん(村の世話役spokesmanと訳される)に挨拶に行くときにはカヴァ根をおみやげに持っていくことになっています。
 村に泊めてもらうときは歓迎のカヴァ(セブセブ)を受け,村を去るときにも,さよならのカヴァを飲み(このときには村の方からカヴァ根の贈り物があります),そしてダンス。村でのまじめな話し合いをするときにもカヴァを飲みながら。そのほか,調査途中に通過した村でもカヴァを勧められ,村人から手を振られ「ちょっと寄っていけよ」とカヴァを飲み,あるいはたまに仕事が早く片づいたからとカヴァを飲み。夕ご飯前に晩酌みたいなアットホームなカヴァ飲み会が始まることもあります。  ・・・一応正式に始めると,一通り終わるまで最低2時間近くかかるので,「帰りに寄ってけ」と言われたりすると「やれやれ」って思うときもあります。でも,機嫌を損ねると,次に来たとき村の奥に入れてもらえないかもしれないしね・・・

(2003/9/21)

Naitauvoli村を通過したときのセブセブ
(ナイタシリ郡)
Wainimala川最上流の
Tubarua村でのセブセブ(ナイタシリ郡)