| 1997年、三菱自動車は世界に先駆けて筒内直噴エンジン「GDIエンジン」の量産開発に成功した。燃費35%向上を実現した高性能エンジンとは一体どのようなモノなのか? |
| GDIとは、Gasoline Direct Injectionの略。 GDIエンジンは予め空気を充填したシリンダー内に直接ガソリンを噴射することによって超希薄な完全燃焼を可能としたエンジンである。そのため従来の理論空燃比14.7から25〜40という極めて希薄な燃焼を達成し35%の燃費向上が実現されたという。 |
| 「筒内流動の比較」 |
| GDIエンジンは、インテークポートを直上から回してシリンダー内に強い縦方向のスワールを発生させることが特徴である。このスワールによってインジェクタから噴射されたガソリンを効率よく点火プラグ周辺に集めることが可能となった。このように従来型のエンジンとは異なる工程を可能にした直立吸気ポートとわん曲ピストンは非常に特徴的だ。 また、ノッキングを起こしやすいプラグ周辺に燃料を直接噴射することにより、吸気温度が気化熱によって下がるので、混合気の充填効率が向上し圧縮比を12と高く設定できた。 こうしたことによりGDIエンジンは、理論的にガソリン噴射量やタイミング、空燃比のコントロールを広い範囲でしやすくなり、安定走行時の超希薄燃焼からパワーアップ、CO2排出量の削減という相反する要素を高次元で実現した。 |
| 先に述べたようにGDIエンジンは、理論上たいへん優れたエンジンであり、世界に先駆けて量産生産を可能にした三菱の功績は賞賛に値するだろう。しかしながらGDI搭載ギャランにおいてカタログまではいかなくとも満足できる高燃費を達成することは現実的に難しい。 では、どの点に問題があるのだろうか?マイギャランを例に考えてみよう。 1、シャシー構造が従来のまま ギャランで燃費が伸びない理由のひとつにGDIが搭載されるシャシー構造が従来のままということが挙げられるだろう。つまり新型のエンジンを搭載するパワートレーンが従来型のA/T(INVECS-U)やギア類であることが問題なのだ。 というのもGDIは通常燃焼による走行では問題がないが、最も燃費を稼げる希薄燃焼による安定時は当然出力が落ちた状態で走行しているために、希薄燃焼になるほどメカニカルの抵抗がエンジンの重荷となるのである。つまり出力の落ちた低燃費モードでも抵抗無くタイヤにパワーを伝えるシャシーの開発が必要なのではなかろうか? 2、排気量が小さすぎる ギャランは前代から3ナンバーのボディーサイズになったが、大型化したボディーに1800ccのエンジンは少し小さくはないだろうか?1800ccは確かにパワーと燃費のバランスが良く効率的な排気量と言えるが、前述した通りGDIは希薄燃焼の際にパワーを落として走行しているので、このボディーの重量はエンジンのストレスになってしまう。 やはりエンジンは、ボディーサイズに見合ったモノを載せないとドライブフィールも燃費も期待できなくなってしまう。もしギャランが5ナンバーの設定だったら現行車よりも60キロは軽くなったはずだ。 3、実用的でないトルク特性 後期型のGDIエンジン(1800cc)は、カタログ上3750rpmで18.6kg-mのトルクを発生するが、単に3750rpm付近にトルクフルな領域があるだけで、2000〜3500rpmではトルクが薄いので街乗りには扱いにくい。もし郊外で快適なクルージングが可能であるならば、GDIの特性を最大限に活かせるだろうが、混雑した道ではアクセルを吹かす羽目になるので燃費が期待できない。 4、メンテナンスを必要とする特性 |
| <理想的な燃焼状態> | <非効率的な燃焼状態> |
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左のイラストは、ギャランに搭載されている直噴エンジンの理想的な燃焼状態で、右は直噴エンジンに起こり易い燃焼状態である。 ご存知の通り、GDIエンジンなどの直噴エンジンは、筒内に直接ガソリンを噴射することによって従来のエンジンでは不可能だった超希薄燃焼を可能にしたのであるが、逆に燃費を稼げる薄いガソリンで走るほどシリンダー内にカーボンが大量に発生しまう問題を抱えている。そのため従来のエンジンよりも汚れ易く、シリンダー内に堆積したススやカーボンが噴射されたガソリンを吸収(スポンジ現象)して効率的な燃焼が得られずに燃費を悪化させてしまうトラブルが多々ある。また当然のことながら直噴エンジンは走行距離が増えるほど燃費悪化の傾向がある。つまり直噴エンジンの性能を継続的に発揮するためには、シリンダ内を極力クリーンに保つ必要がある。 とは言ってみたものの、、、詰めの甘さが目立つが、やはりギャランは私にとってカワイー愛車(親バカ)。「出来の悪い子ほどカワイー」とはこのことか?現在のギャランは歴代の中でも最高にスタイリッシュなデザインで大好きだし、後期モデルではオプション並のエアロとフォグランプが付いているんだから嬉しい。 ん!ただ待てよ。もしGDIが現行ギャランで終わってしまったら、マツダ初のロータリー車が現在ではその独特なサウンドからプレミアムカーとなったように、ギャランは最初で最後の「GDIサウンド」として20年後にはプレミアムカーの仲間入りか!? 「GDIサウンド!」カラカラ!ボボボボ!!いいじゃない!!んなワケねぇーつーに!! |