■俺と愉快な仲間達
日本では猫だろうが下駄だろうがひしゃくだろうが、年月が立ちすぎたものは霊力を得て妖怪になってしまうわけだが。あまり人間はそういう話は何故か聴かない。でも、水木しげるさんぐらいの大物になるともう妖怪だか人間だかもうはっきり言って区別がつかないわけで、水木さんは本当に人間なのかと思うほど年齢に比べて若々しい風体を保ってらっしゃるのだ。
と言う話しとはまったく関係ないのだが、この頃私の家の周りには結構この世のものとは思えない生物?達が生息しているので、この機会に彼等のことを紹介しようと思う。多分彼等に限って妖怪と言うことは無いと思うのだが.....。
●斎藤君
斎藤君はうちの家に居候している俺より一つ年下のおちゃめ君だ。彼は下宿代を払う代わりに家事を手伝ってくれる。斎藤君の特色は何よりも動きが速いと言うことに尽きる。しかも尋常な速さではない。落ち着くということとまったく無縁の男で、じっとしていることがない。座っていても1秒に100回ぐらい場所をずらすのでよく斎藤君の姿を視認することは難しい(特に長年一緒に暮らして斎藤君に慣れている私達以外にはほとんど見えないに違いない)。そして話も動作も尋常なないほど速い。あまりにも早すぎて私たちが聞き取れないことを斎藤君も知っているので、斎藤君は身振り手振りを交えて話すのだが、そのジェスチャーもあまりにも早すぎてよく見えないのだ。多分、人間だと思うのだが「斎藤君って人間だよね?」なんて失礼なことは聞けないのでよく分からない。斎藤君はどこに行くにも徒歩だが、必ず待ち合わせ場所には電車に乗ってきた私よりも早く到着しているからすごい。でもいい奴だ。
●愉快な仲間達
彼等をどう呼んでよいのか分からないので、とりあえずうちの人間は彼等を愉快な仲間たちと呼ぶことにしている。とりあえず多分生物であることには違いない。体長は大体70cmくらい。人間の子供のようなシルエットをしているが。頭がない。というか頭があるべき場所に湯飲みのようなカップ状のものがついている。当然目とか口とか鼻とかはない。なので私たちは「湯のみ君」と彼等のことを呼んだりする。家に帰ってくるとよく部屋の隅っこに体育ずわりをして静かにしている。最初は2匹?しかいなかった。おとなしいし当たり前だが無口だし、何をするわけでもないのでそのままにしておいたらいつの間にか7匹?まで増えた。夜になると庭やバルコニー(この前はどう登ったのか屋根の上にいた)でその湯のみ状の頭をまるでパラボラアンテナのように広げてずっと月の方向を向いている。何かと交信しているのかと最初は思ったが、何も食べないところから考えて、きっと月のエネルギーを摂取しているに違いない。光合成のようなものなのだろう。普段は大人しいのだが、何故か自分達以外の湯のみ状の物を見つけるとそれを壊そうとする。なのでうちでは中身の入っていないコップや湯飲みや必ず上下反対にして伏せて置かないと愉快な仲間たちに壊されてしまう。どうも昼間は姿をあまり見ないので屋根裏にいるみたいだ。体色は真っ白だが、気合でどんな色にも出きるらしく、この前なんか緑色になって俺に見せびらかしに来た。頭?を撫ででやると満足したらしくまた白に戻って部屋の隅の方に戻り体育ずわりをしていた。
というか私自体が人間かどうか怪しいことは他の人には伏せておいてもらいたい。みなさんの胸に秘めておいてくれると、私としても地球で過ごしやすいし、皆さんにとってもその方がいいとおもうし。