SLK 55 AMGインプレッション
ノーマル派の私としてはアルピナと共にAMGはある意味理想的なブランドのひとつだ。

最初にSLK350の印象。
350は記憶を辿れば実はそれほど印象のない車だった、エンジンは高回転まで気持ちよく回るが特に抑揚と言うか官能に感じるものもなく、
全てがそつなく100%満足できるスポーツカーであったことは間違いない。 快適性 機能 デザイン パワー ハンドリング どれをとっても
100点 良く出来た車で,オープンからクローズまで楽しめる本格的2シータスポーツというのが印象で、ある意味その程度の印象しかなく衝動的に欲しいと思うような車ではなかった記憶がある、だからこそ その前後に色々なスポーツカーに乗ってさまよっているのである。
結果的にはSLK350はバランスの取れた素晴らしい車でオープン、クローズが楽しめる車としてはボクスター同様に素晴らしい車であることは間違いなく、クローズで楽しむにしてもSLK350は乗って楽しい車には間違いなく、エクステリア インテリアデザインともオープン クローズが楽しめる車としてはトップ3に入る位レベルの高いデザインで、特にクローズでのラインはファブリックのそれとは カヤルドを除き比較が出来ないほどだ。



今回そんな 350の印象もあり、SLK 55AMGのインプレッション。
車に関してはこだわりがある私としては、優等生な、350のかすかな印象があったので、それほど期待はしていなかったのだが、 そのたたずまいは別物で激しいオーラを放っており、それはアルピナとも違うし、Mとも違うディテールを含めた特別なオーラだ。
それは全てがギミックでない、4本出しのマフラー 6ポットキャリパーに340mm アルミハブに装着されたフローテイングベンチレーデットディスク リヤも異例の4ポットに大口径330oベンチレーデットディスク (これはポルシェカレラのそれより断然高性能なものだ) 
そして機能的なエアロパーツに、襲い掛かりそうな、前傾姿勢。その他マグネシウムのシート 覗くとわかる見えないところにお金を掛けており、
もろもろのパーツや機能ASSY等、 見ただけで350とは全く異なることが分り、質感が高い。さすがにあと付けのカスタムとは次元の異なる改良であり、ビジュアルと中身のバランスが取れていることが分る。 

エンジンをかけると5500CCのAMGエンジンはV8とは思えなく、滑らかな回転で、回転の上がりと その音はV8でもなくストレート6でもない 中間的な独特な音を奏でパルス性と連続性が切り替わる、ジェントルで品がある音だ。しかも吹けあがりも速い。但しB10のノイズレスのエンジン音と比べるとB10のほうが遥かに品のある素晴らしい音だが・・・ 

走ってみると 以外にも快適、 乗り心地は前後ともバランスよくそのソリッドな感覚はBMWのそれを200%上回る感じだ。
若干乗り心地は硬いが不快感はなし、そうは言ってもBMW等セダンと比べれば快適ではないが、カレラに比べれば天国のように快適である、もちろん以外にも乗り心地が良かったケイマンSに比べても総合的に快適。そうこれこそ快適という表現を使って良く、 乗り心地も含め巡航時の騒音が低い為に、法定速度プラスの高速では眠くなるほどである。 

ハンドリングは切り始めはケイマンSと比較し極々僅かにレスポンスが遅れるがそれでもBMW330よりは早く、重いエンジンが乗ってると思えないほどノーズが軽いのには驚きで 弱アンダーステアが基本となりパワーをかけると自然とオーバステアになり、極めて気持ちいいハンドリングだ。まさにメルセデスらしくなくBMWのどれよりも良い。 
7Gトロニックは全域ロックアップが可能で 6速1200回転でもロックアップするという素晴らしいトランスミッションで、これはアルピナのスイッチトロニックやポルシェ TIPを上回る出来で、タイムラグも極めて少なく、個人的にはDSGよりフィーリングは良い。ブリッピングという楽しいギミックはないのは残念だが、ある意味DSGは必要なし、さらにはSMG等は無用の長物と思えるほどだ。 

エンジンのパワーは 0−400 12.685秒とFRとしては驚異的なタイムで TCSなしでこのタイム。雑誌等でも12.8秒を下回ることは無い。
最新のM5(12.8〜13.5秒)やアルピナB5(13秒台前半)を上回る強烈無比な俊足を誇るだけに 全くもって必要十分言うことなし しかもV8とは思えないスムーズな回転と暴力的な加速は対照的だ、個体差もあるようだ、ただ5000回転をフルスロットルで走ると排気音よりメカニカル音+吸気音が大きく変貌、ジェットエンジンの様な音に変化する。まさにタービン音。そして擦り合わせされ、バランスを取った、ノイズレスのエンジン音。これらの音を聞きたくて回したくなるほどの官能的な音だ。 

峠、高速走って分ったことは2シータというハンデはあるが、オープンとクローズも楽しめ快適。 パワーは強力十分以上で 音も静か、下から湧き上がるトルクとパワーは コーナリング性能が高いことから、とても使いきれる気がしない分、360馬力という数値は重量比換算でも良く考えられた値であり、今トレンドの500馬力や600馬力の車は燃費と熱効率を悪くするばかりでそのスペックはナンセンスと思わざるを得ない。 それを証拠に2輪ドライブに関して、古くからスポーツカーを作るポルシェは300馬力代であることからブロックの強度やその他を含めても理論的に正しい数値かもしれない。個人的な理論に於いてもトン200馬力が最適パワーと論ずる私としても1500キロは300馬力  全装備重量1650キロ=330馬力<360馬力と、理想的なパワーだ。
燃費も高速ではリッター11キロ程度を記録しワインディング共に走った総合燃費も8キロと燃費も5リットル越えエンジンとしてはすごぶる良く、軽い55NAエンジンのおかげでハンドリングも素晴らしく B10の時に味わったショック同等に印象的であった。少なくともこれに乗った後はアストンマーチンのデザインは最高に良いが、それ以外は色あせるほど魅力的な車であった。 又、ナビやその他快適装備も満載で、素晴らしい車だった。 SLK55AMG は雑誌でちやほやされているポルシェやフェラーリと比較し、目立たない存在だが、メルセデスが本気で開発したスポーツカーという感じで、その設計思想とそれを実現したメルセデスの本気度と異端度を感じることが出来る唯一の存在かもしれない。